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現代ダンジョン安全探索計画 略して、現安計画  作者: 味醂英雄
3年目 テイマー取得の時

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第77話 配信コラボ?知らん、何それ? 後編

「そういう事で、今回の一件でのトオル君の肖像権その他諸々の賠償金がこちらになる。まずは受け取ってくれ」


ジェラルミンケースに札束って現実でもあるのねと思いつつ、帝国ホテル最上階で今回の件の詳細を佐々木さんから聞いていた。まあ、実際に被害に遭った訳ではないが、ある意味では肖像権その他諸々の罪になるらしい。まあ、勝手に名前使われた上に似ていない素人を自分とか言われたしな。気づかなかったらマジで謎のアドバイザーであるトオルはそいつの名前になってたまであるから、残当。


「まず前提条件である成瀬財閥は今回の件に関しては何も関与していない。件の偽トオル君も例の御曹司の同級生でお金が貰えるからとついて行ったらしい」


「なるほど。今後はしないと言う事は誓約書に?」


「当然、書かせた。更に事情を知らないとはいえ、巴御前様は勿論、日本の尊き方もお怒りだからね、事はジョークや子供の遊びでは済まされない」


わお、あの御曹司殿、有名になりたいという一心がものすごく拙い方向に向いたって事ォ?


「ダンジョン内での誤情報の流布は海外では即時裁判からの有罪だ」


そう、生配信や動画が許された今だからこそ、現行法では海外も情報の真偽を厳しく見ている。まして、今回のパターンは実害こそ無かったが偽の探索者を用意する等は誤った情報の拡散になりかねない。と言うかだ・・・


「ここに更に未申請のダンジョン且つそれを隠していたのが当人らしくてね。で・・・」


何してんだ、あの御曹司?!ここに更にダンジョンの個人の情報隠匿って何段の死刑台までの道スキップしてんのぉ?!あれか!未成年ゆえの無自覚・・・・・・あっ!佐々木さんのこの先の話分かったかもしんない・・・


「未成年なんだよなあ・・・」


()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。ありましたねえ・・・」


頭を抱える。やったことは重罪の2連打ァ!なのに、日本の法律では裁けない。だからと言って、お咎めなしの罰金だけでは示しもつかない上に下手すればマジで無実の成瀬財閥に関連する会社や社員などにも類が及ぶ。まあ、金額は誠意と言うけど、今の所はこれだけである。と言うか、未成年がこの金額出せる訳が無いとすれば親から出して貰ったのだろう。


「とりあえず、動画に出た両名に加え、護衛してた護衛専門探索者も含めてライセンスは完全剝奪、今後も永久に取らせない事になっている。で、あの謝罪動画の後、例の御曹司の祖父、つまり財閥会長に当たる方が学校を強制退学させ、とある場所に彼を送ってあるとの旨を貰った」


あ、嫌な予感。もしかして、いや、もしかしなくても今回ここに呼ばれたのって、これで勘弁してください的な報告を話す為?


「【()()()()()】に強制的に送ったからこの件は完全解決にして欲しいとの事だよ」


「許しましょう」


わお、日本、いや、世界で一番探索者が嫌がる収容施設じゃないですか。許しますん!としか自分は言えない。ちなみにどんな収容施設かと言うと、恐山は知ってる人多いので禍々しい所だと思うだろう?逆である。ものすごく清々しいのである。恐山にあるのは脱走を許さない為でとにかく清々しい施設で健康的に過ごせる施設である。囚人部屋もとにかく委託された清掃会社によりチリ一つ無く、食事も三ツ星和食シェフが作る精進料理が毎日三食出る。え?天国?と思うだろう?その実、食事にありつくまでが地獄である。いや、その収容所でインタビューされた探索者法違反の重犯罪者曰く・・・


「朝4時起きて2時間座禅、然る後に6時から8時まで手作業で写経、朝御飯食べたら施設内でランニングと施設内掃除、終えたらまた写経、昼御飯食べたら30分だけ休憩後に有名高僧の有難いお言葉が交代で5時間半、18時から1時間の休憩後に19時に晩御飯後に21時まで写経、22時に消灯・・・でしたっけ?」


これを毎日行う上に、本当にルーティンみたいに行われる。ちなみに一度入ったらその生を終えるまで出られない。しかも、高レベル探索者を制圧する謎の人材入りなので逃げれないのでやるしかない。よしんば脱走しても、覚えてるとは思うがダンジョン外では中での異能や力は発揮出来ないので実質無理である。しかも施設に入れられた者は事前に警察署や様々な所に情報が出回るので、脱走成功してもはい、戻ろうねになる訳である。つまりだ・・・


「未成年では初の収容者か、さらばだ、お馬鹿な御曹司君。君が支払ってくれたお金は大切に使うよ」


帝国ホテル内の屋上から恐山の方角に向けて、自分と佐々木さん、そして秘書さんは手を合わせて祈るのだった。南無・・・


かいじゅうのあとしまつ、ならぬ、愚か者のあとしまつと言うお話

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