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現代ダンジョン安全探索計画 略して、現安計画  作者: 味醂英雄
3年目 テイマー取得の時

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第76話 配信コラボ?知らん、何それ? 前編

「配信コラボのお誘い?」


7月の夏休みに迷惑メールかな?と言えるぐらい様々な所からその手のメールが届くようになった。どうやら、発信元の探索者名やチームを検索すると、同じ学校の生徒あるいは生徒の関係者が居る有名探索者チームだった。こういうのもあるのかあ・・・


「楓の所は?」


「私は学校の入学式以外はお兄ちゃんと同じ形式だからね。あまり来てないよ。たまに来るけどあからさまに売名行為狙いだからお断りしてるよ」


ふむ、楓にも自分のを見せて、一致する人名とアドレスが無いか確認してもらう。まあ、ここまで言えば分かると思うが一致した人物は居た。しかも、一致したのは楓の同級生に当たる人物。成瀬なるせ あきら、財閥の御曹司ってやつらしい。親友と同じアキラでも嫌な予感がするのう・・・な直感は的中する。


「金に物を言わせて護衛を雇いまくったレベリング、生配信もやってると。ただ、本人自体は有名って訳では無いと・・・」


「だから、色んな人に声をかけてコラボ持ちかけてるって事らしいよ」


ああ、なるほど、そういう事か。要は売名と言う事だ。とにかく数字と名誉と()()()()()()タイプだ。こりゃ、報告案件だな。早速携帯で佐々木さんと連絡を取り合うのだった。そして、案の定、自分が考えたトラブルは起こってしまったのである。



『アキラ☆チャンネル!今日は今話題の探索者のトオル君に来てもらいました!拍手ぅ!』


さて、あれから数日、夏の日の休養日に自分は自宅に居る。勿論、件の御曹司が居るダンジョンに共演などしていない。我が家のパソコンから流れ出る音声に楓も両親もえぇ・・・と言う顔をしているのだった。


「お兄ちゃん、今から高速で行くの?」


「行く訳ないだろ。と言うか、誰だ、こいつ?」


「ホントに誰だ?しかないね」


楓の言葉に返答し、父の言葉に頷く。狙いは分かる。自分の事はある意味では日本政府の機密ではあるが、我が校ではそうでもない。そして、外部には自分の顔はあまり知られていない。まあ、慎重に動いてるし、例の報道騒動の時は一般市民が入れない自衛隊基地に居たからね、さもありなんである。画面に映るのは髪形こそ自分に似てはいるが、装備その他は全く違う男子である。よくよく見ると、もしかしてこの男子、探索者講習受けてないのでは?と言う疑いがある。何故分かるかって?筋肉の付き方が探索者のそれではない。配信コメントでも少しざわつき始めている。まさか・・・


「ねえ、お兄ちゃん、これ()()()()?」


「超拙い。この馬鹿御曹司、さては、コネか金で講習を受けてない素人を未発見ダンジョンに入れやがったな?!」


ダッと走り、部屋で携帯を取り出し、佐々木さんのナンバーをと思ったら向こうから連絡がきた。


『トオル君、見たかい!』


「見ました。ダンジョンの確認は?!」


『今、一致するダンジョンを探しているがここまで一致しないと例の財閥あるいはこの御曹司が隠す未発見ダンジョンの可能性が高い、今簡易申請で家宅捜索とダンジョン法違反の令状を大至急刷っている。最低でも10分以上はかかるから、彼等が10分稼げる事を祈ろう』


「やってくれたなあしかないですよね」


『同感だ。低階層で済ますか、専属探索者が護衛している事を祈るしかないね』


とりあえず、いつでも佐々木さんに連絡を取れるように携帯を持ってまたリビングに戻るのだった。結末は分かったようなもんだがねえ。なお、結末は案の定の中では一番マシな結末になった。その日のニュースのテロップは【某財閥御曹司、配信で偽の探索者を出す】や【生配信であわや死亡寸前!未成年探索者の光と闇】で察してもらいたい。あ、自分の名誉に関しては日本政府直々に件の財閥に警告が行って、直ぐに例の御曹司が謝罪動画を出したらしい。丸坊主にされていたのをブッフォ!と家族は勿論うちのチームメンバーも笑ったのは言うまでない。

配信機材が出回り始めると恐れを知らぬ若者が起こすであろうお話。トオル君の偽者は勿論、偽者の両親や親族から雷が落ちました。

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