第71話 巴御前の衝撃の事実語り 破
今回のお話はあくまでこの小説内での設定ありきのお話です。本気にしないでください(約束)
「よし、始めてくれ」
さて、今日はお隣になった帝国ホテルの最上階スイートルーム。元々あった家具やカーテンが取り払われ、様々な録画・録音機器に元あったカーテンを取り払った場所には魔物素材を使った遮光と防音のカーテン。んで、テレビで見た事ある各国のお偉いさんが映るパソコンモニターが複数台。佐々木さんが指示するとそれぞれに光が灯され、モニターの動画も動き始め、録音機器が静かに起動音を上げる。佐々木さんといつもの秘書さんが椅子に座り、机を跨いで正面に自分と巴御前。カメラが見えない所に自衛隊員数名と猛翁と巌さん。今回はパーティメンバーは自宅でお留守番。念入りにホテル1階フロアに私服警官と自衛隊員を配置して。敷地内の自分とアキラの家には高レベル隊員が張っている。さて、準備は終えたし話そうか、恐ろしく途方もない話を。
「では、巴御前、前回からの続きを」
「はい。それでは佐々木様、前回ダンジョンは原始の頃からあると申したのは御覚えですか?」
「ええ。その辺りも各国首相に伝えてあります。残念ながら眉唾と思われているようですが」
パソコンのモニターを見れば、大半がそういう顔だ。なんていうか、こう実際聞かないと信じられないという顔である。中には内心鼻で笑ってそうなのがちらほら居る。
「では、その前提がある条件でお話ししましょう。超常能力、すなわち、スキルスクロールからの取得ではないスキルのお話です」
ざわっと場が騒めく。スキルはスキルスクロールがある、魔法には魔法スクロールがある。今までの説だとスクロールが無ければスキルは得る事が出来ない。そう、スキルとはスキルスクロールを使用していない人間は得る事は出来ない。それが満場一致の見解である。
「前回のお話がここに絡んでまいります、覚えてらっしゃるなら、お気づきになられるかもしれませんわね」
「前回の話?・・・・・・はっ?!」
おっと、ここで佐々木さんが気付いたかな?そう、例を取れば自分の色の警告スキルだ。これはスキルスクロールではないスキルだ。目覚め・・・と言えばいいだろうか?そんな感覚だったのを覚えている。
「前回お話ししたお話を思い出せば各国の皆様もお気づきになられると思いますわ」
コロコロと笑う巴御前。どういう事か?簡単である、前回の話を思い出せば・・・ね?
「結論から申し上げれば、スキルと魔法のスクロールは単なる補助です」
『なっ?!』
これが衝撃なんだよなあ・・・でも、巴さんの説明を事前聞いた自分は大いに納得したものだ。それは・・・
『つまり、我々人類にはスキルと魔法の下地があったと言う事かね、ミス巴?』
「はい」
日本語に翻訳された海外の大統領の言葉に対し、にっこりと言う巴さんに全員絶句。自分もこれ聞いた時はしばらく時が止まったみたいになったからなあ。どういう事かというと、少し前のアキラ達が敵の動きが分かるアレ。アレがまさにスキル発現の一端なのである。どういう事か?を考えるのは自分達探索者やそれに関係する者達はダンジョンと言うものそのものに毒されているのである。え?と思うだろう、だが常識的に考えてほしい。
「そうですね、スキルの下地の発現を例えるならゾーンですわ」
そう、プロゴルファーや陸上選手、屋内競技なら将棋などで集中すると最適解且つ最適な道が見えるゾーンと呼ばれるものがある。さて、常識的、もう一度言う。常識的に考えてみて貰いたい。集中しただけでそんなの簡単に見える?と言われると誰もが困るだろう。じゃあ、全員に下地があるなら、ダンジョン潜るなりすれば出来るのか?と言われるとノーだ。何故なら・・・
「皆様のお傍にいるかはここからでは分かりませんが、長らく探索者をやられている御方にこう質問されるとよろしいでしょう。貴方達はスポーツ選手と同じゾーンに入る事が出来るか?です」
例えるなら、探索者は相手の動きを予測する事が出来る。では、同じ要領でゴルフのゾーンに入っている者と同じく、最適解の打つ為の軌跡が見えるか?と言われると見えないだろう。専門が違うとかではない。そう、経験が違いすぎるのだ。むろん、時間をかければ探索者も同じ事が出来るだろう。そう、本題の解答はまさにここにあるのである。
「出来ないという回答が大半でしょう、彼等は スポーツ選手ではありません から」
そう、言うなれば、探索者スキルとスポーツ選手スキルと分けて考えれば納得がいく。では、そのスポーツ選手スキルはどこから発現した?まさにこれこそが地球に住まう者にはスキルの下地がある証明。そういう事である。
「お気づきになられた方はほぼ全員という体で進めますね。では、魔法とは何だ?になりますよね?」
もはや頷くしかできない佐々木さんと秘書さんに加え、各国の重鎮達。されど容赦なく話を続ける巴さん。実はこの人、ドSなのでは?アッ、ハイ、ナンデモアリマセン。
「こちらは例えるなら心霊現象を考えれば分かりやすいと思います」
「心霊現象?」
「実に分かりやすいでしょう?例えば、発火現象になる火の玉、物が浮かび上がるポルターガイスト現象」
『あっ!!!』
魔法スキルで言うならファイアーボール、サイコキネシスがこれに当たる。で・・・
「更に心霊現象と言われる急速な温度上昇、もしくは温度下降現象。心霊写真で出る霊がそこに居ると言われるオーブ現象」
『っ?!』
そう、何かに似てね?と言われると似ているのが魔法の発現である。
「そうそう、心霊現象は別名でこう言われるそうですね。超常現象と」
佐々木さんは得心がいったようだ。そう、超常現象と呼ばれるこの現象の大元を考えてみても欲しい。幽霊、すなわち・・・
「現象の大元である幽霊とは何でしょう?」
『あっ!!!』
そう、幽霊、すなわち、人から肉体と言う枷を離れた人間という存在の情報の集合体。それが引き起こすのが超常現象。他にも様々な説はあるが大きな所はコレだろう。そう、大元を辿れば人間が魔法現象を起こしているのである。
「では、何故、そのような下地が出来ているのですか?」
佐々木さんがゴクリと喉を鳴らして聞く。他の重鎮達はもう言葉を発せないからだ。
「ダンジョンがあるからです」
場が一気に呆然となるが、まさに本質はこの言葉が全てだから仕方ない。どういう事かは更に巴さんから語られるだろう。
「そもそもおかしいと思いませんか?ダンジョンは有史の時代からある。なのに、モンスターが野外に出た事例は無い」
『あっ!』
ラビットや狼系はともかくコボルトやゴブリンなんかが出れば生態系は変わる、まして古代の人間誕生前から存在するんだから門番なんか居ない。もし、モンスターが外に出れるなら人間同士の戦争なんぞ起きてはいない。でも、モンスターは外に出ない。何故か?
「答えは出れないから。ただし、力は出れます。形無い物質ですからね。ここまで言えばお気づきでしょう?」
ダンジョンの強制力?違う、これで事前聞いてある自分は勿論佐々木さんを含めたお偉いさんの何人かが画面の先で立ち上がる。そう、気づいてしまったからだろう。何がって?
「スキルとは神が作り上げたものに非ず、人、そしてこの惑星、すなわち地球が作り上げたモノです」
超絶級の情報の爆弾は今まさに投下された。
衝撃の事実ですがあくまで前書きにも書きましたが、この小説のみの設定ですと言うお話。




