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第7話 探索者のお偉いさんとの出会い

あれから、更に数週間、夏休みに入り、本格的に始まった安全計画の最初こそレポート提出や課題は大変だった。が、まあ、代わりに宿題やテストが無いし、今のところ、先生から再提出などのお咎めも無いので良い感じだ。んで、今日は夏休み2週目の日曜日。自分達は今日は休みのそれぞれの父親と共に探索者協会とでも仮に名付けようか、その関連の人達が居る市役所の一室に居る。


「初めまして。私はこういう者です」


「初めまして、この子の父親の~」


「こちらの子の父親の~」


さて、先ず始まったのは保護者と多分、お偉いさんの名刺交換。まあ、流石に事業者でもないし、まだ探索者も始めてないから名刺交換は父親達、保護者にお任せだ。受け取った名刺を自分達にも見せてくれる。探索者関連事業の部長の佐々ささき 五郎ごろうさん。うぉ、思った以上に上の人が出て来たな。


「それで、何か報告があるとか?え~と、桐谷 透君だったね?」


「はい。多分、そちらはかなりご存じかも知れませんが・・・ね?」


そう言うと、苦笑される。つまり当たってたって事だ。まあ、国が調査すれば、免許取得後に学校に預けた珍しい未成年って事ぐらい調べ上げるのは簡単な事だろう。


「ええと、先ずはこちらを見てください」


パソコンのメモ帳機能で書いた紙束をクリアファイルから出して、佐々木さんの前に出す。失礼と佐々木さんは言った後でそれを見る。しばらく目を通していくと、どんどん目が見開かれていく。まあ、自分で書いておいて言うのもなんだけど、内容が内容だしね。


「魔法関係のスクロールは全て売却方針。一部例外はあるがして貰えると?」


「はい」


そう、まずはコレである。というか、アキラや保護者も交えて話し合った。ちなみに妹達もその場に居たので了承を貰っている。例外の魔法とは現在ある事が判明されている照明、洗浄、回復初級のみである。それ以外は売却すると書いてあるのだ、驚くだろう。


「理由を聞いても?」


「扱いきれないからです」


ドが付くほどにきっぱりと言う。なんでって?じゃあ、聞こう。ファイアーボールがあるとする。モンスターに対しては便利だろう。しかし、ホーミングする訳でもないし、必ず有利に運ぶ訳ではない。むしろ、下手に扱えば、大惨事になりかねない。それは勘弁である。そう説明すると、佐々木さんは確かにという顔をする。更に理由はある。それは・・・


「ダンジョン外では攻撃魔法は使えない。これ、確かですよね?」


「ああ、自衛隊なども確認している」


「なら、尚更、未成年は扱いきれないですよね、ここに書かれてる例外以外は」


書類をトントンすると、佐々木さんはハッとする。探索者登録が始まって半年も経っていない今でこそトラブルは少ない。加えて、ダンジョン内部の治安に関しては自衛隊も動いている。しかし、そう、しかしである。


「ダンジョン内で無用なトラブルは起こしたくないんですよ」


『っ?!』


佐々木さんと一緒に入って来た職員達も息を飲む。魔法が使える、つまり、ダンジョン内に限りだが兵器が歩くようなものだ。それがモンスターに対してのみならまだ良い、探索者間のトラブルは今は小規模だがいずれは大事件レベルのトラブル案件は確実に起こる。そんな時に、モンスターに放ってダメージを与える程度と思ってしまっている攻撃魔法が使えてしまったら?


「自分もアキラも探索者にはなっても、殺人者にはなりたくありません。お分かりですね?」


「むぅ・・・」


「勿論、無償で提供する訳ではありません。読み進めてください」


「なるほど・・・・・・これは責任重大だな、この資料、コピー取っても?」


「どうぞどうぞ」


売却に対する対価の条件とは確定申告の代行及び、国選弁護士の用意である。勿論、訓練して18歳になって、免許返されてからではあるが、うん、まあ、アレだね。確定申告とトラブルに関しては餅は餅屋の精神でお任せしたい。そうなると、代価が必要になる。じゃあ、その代価に何を用意するか?と言うと、今の所の予定として、自分達2人のパーティには不要な魔法のスクロール発見時の確定売却である。更に、基本ドロップ品についても全売却の方針である。何でって?この上で鍛冶その他諸々までやれとか言われても、その、なんだ、困る状態だし、金貰えるならウィン-ウィンじゃね?となった為である。


「加えて、こちら、学校にも提出しているレポートです、どうぞ」


「拝見する」


まあ、書いてるのは道場での座学で得た知識や武器の使用感について、んで、おむつの事だ。まあ、最後のは完全に羞恥プレイではある、うん。でも、報告しなきゃだからね、うん。


「これもコピー取らせてもらっても?この内容は貴重だ、報酬も出したい」


「構いませんけど、そんなに?」


「ああ、後日、君達の学校の校長先生ともお話がしたい、良いかな?」


「分かりました。お話が終わり次第、学校に課題を持っていく所だったので、その際に伝言しておきます」


うん、かなりの要求通せたし、予定通りではあるな。どういう事かと言うと、まあ、やはり、ダンジョン関係について学校関係者からの抗議があったんだろう。それも、多数の抗議があるが、上からは停止は認めないと言う指示、そんな所だろう。大体話を終えて、席を立つ。


「1ついいかな?」


「はい?」


佐々木さんが自分を指差して聞いてくる。


「君はダンジョンに潜った事があるのかい?」


「いいえ、ありません。ただ、現実はゲームのようにはいかないという事をしっかり見据えているだけですよ」


ニコッと笑って、その場を去る。うん、ホントに甘くないからね、現実ってのはホントに。


ようやく探索者の総轄役の登場です。まあ、中間管理職ですけどね、うははー!まあ、彼がどういう役割かはお察し下さい

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