第68話 お茶目なテイム(?)モンスター
「酷い御方」
「じゃ、そういう事で」
「まあまあまあまあ」
すげえ、肩に置かれた手の力だけでこっちを引き留めてやがる!自分の直感さん!命の危険はもう去ったんじゃないんディスカ?!あ、もう、命の危険とテイマー以外を取ってしまう危険は無いんですね、分かりました。
「なんでしょう?」
「この先はもうクラスを取りに行くだけなので少しお話ししましょう」
ん?なんか教えてくれる感じ?なら、振り向いて聞く事にする。
「まずこちらから開示しましたからご存じでしょう、が、改めて自己紹介を。私は巴御前です。よろしくお願いします」
「マジなのか・・・」
木曽義仲の妻にして、戦乱時代の女武将、巴御前。あの時代に居た鬼の末裔、あるいは怪力乱神の生まれ変わりともされるほど知名度が高い女武将はそう居ないだろう。
「と言いたい所なのですが、私は貴方方、現代の人間が知る巴御前であり、そうではありません」
「と言うと?」
「ここからは貴方とそのお仲間の内にしばらく秘めて頂きたいのですが、私は神に遣わされた巴御前であり、歴史の巴御前ではありません」
衝撃の事実だ・・・・・・あれ?
「じゃあ、なんでテイム紐があるんです?」
その言葉に対する、巴御前の解答は笑顔である。ちょっと、神様と巴御前=サン?嫌な予感しかしないんですが?
「主様の初テイムと言う事になりますね」
神様?ちょっと、何してくれますのん、神様ァアアアアアアアアアアアア?!
「トオル君、えらい時間かかったけど大丈夫だったかい?!」
「ああ、はい。無事です。ただ、多分20階で衝撃的な展開待ち受けてると思います」
あの後、色々衝撃的な事を教えて貰って大体20分前後かな?普通ならパパっと出れる所を長引いたので心配させてしまったらしく、11階からの護衛の部隊の隊長さんを心配させてしまったようだ。
「実はですね・・・」
巴御前をゲットした!と言う部分は隠し、どうせ、20階行ったらサプライズあるんでしょ、俺、知ってるんだから!と心の中で言いつつ、巴御前に遭遇した事、ゲームのようなスキルのように勘が扱えた事を話した。
「しばし、通信する」
「はい」
自分もある意味落ち着きたいので助かる、助かる。で、だ・・・良い機会なので、ダンジョンについてを最後に聞いてみたのだが、その解答が色んな意味で色んな解釈が出来るのでそこも黙っていた。どう言われたかと言うと・・・
『私から言える事は多くはありませんが、そうですね、ダンジョンの出現は神々の善意ではあります。そして、ダンジョンとは皆様が思ってるより古き時代より存在します』
え?と言う衝撃と共に、扉が開いていったのでその先は聞けていない。しかし、巴御前の言う事が本当に真実であったとするならば、これまで考えていたダンジョン観は一気に崩れる。こりゃ、しばらくは沈黙して、情報を集めねばならない。それも自然な感じで。計画も少し練り直しかな?と思っていると隊長さんが戻ってくる。
「後で色々聞きたいらしいので少しハイペースになるかもしれません、行けますか?」
「勿論。その分の安全マージンも取って頂けるんですよね?」
「勿論です!各隊、初動プランから、急行プランに変更通達!駆け足!」
そうして、まあ、未成年、ギリギリ成年年齢としては初の20階に着いた訳だが・・・何の被害やトラブルは無かったんだ、うん、カード発行を行う石板に辿り着くまで・・・は。
「(笑顔)」
はい。石板の陰から巴御前さんニッコニコ登場ですね。一緒に入ってきた隊員さんと隊長さん絶句しとるやないですか?カード確認したら契約しますから、おとなしくしてろぉ!!!オナシャス!!!て言うか、貴女そんなキャラでしたっけ?!
お茶目で情報通なお姉さん武将好きですか?と言うお話。いやあ、ようやく話の肝であるテイマー取得編書けました、満足




