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現代ダンジョン安全探索計画 略して、現安計画  作者: 味醂英雄
3年目 テイマー取得の時

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第61話 金欲って怖い 後編

「まあ、そうなるな」


『うわぁ・・・』


さて、あれから日が経ち、1月後半、自分達は3が日を休養日として平和に過ごしていたその後に事件は日本以外の世界各地で起きた。何がって、当たり前としか言いようがない高ランク探索者の死亡事故の頻発である。んで、それを佐々木さんから送られた資料にしたのを帝国ホテルの今や自分達と佐々木さん等との会議室と化した一室で見た全員の感想である。


「少し前のテレビクルー探索者事件から()()()()()っていう」


『それな』


原因は例の投げ銭制度である。動画が映えれば映える程、投げ銭は自然と多くなるし、視聴者も多くなる。深い階層のモンスター討伐や実況は高額の投げ銭してでも情報が欲しい人達がガンガン入れるだろうし、視聴者が多くなれば金額は少額でも塵も積もればなんとやらである。では、そんな事件が複数起きれば流石に自重するのではないか?そんな訳無い。一部の慎重な人達は自重するだろうけど、金、つまり、マネーが欲しい奴等はごまんといる。で、そんな奴等が稼ぎ始めると、慎重な人達も釣られてしまう。まさに悪循環である。


「で、日本も少し前から配信は許してるがほぼ被害はゼロと」


まあ、探索者はドロップ品で無茶する奴結構居るからその延長ぐらいである。死亡者は全世界に比べれば1割にもならない。何故か?


「トオル君の提案が功を奏したって事ね、コレ?」


委員長の言葉に頷く。自分が提案したのは一時はかなり状況が厳しいだろうが、探索者の生存という点に関しては絶大の効果を得るものである。それは何か?


「ダンジョン内での配信 は 禁止」


え?と思うだろう、所謂配信探索者業 は 出来ないのである。はい、先程から は を強調している。つまり、こういう事である。


「ダンジョン内での配信禁止、つまり探索中は探索に集中しろってことで、それ以外はオーケー」


つまり、例えば、ダンジョン出た後、その日の成果の配信や装備の自慢、また、配信でダンジョン外ならばダンジョン内での情報の公開も良しにしている。え?これで?と誰もが思うだろうが、案外視聴者が稼げるのだ。むしろ、安全と分かる地上で配信する事で色々な情報を得れる配信は本当に伸びる。しかも、配信者も安全と言う事もあり、結構べらべら喋るから情報が欲しい勢が更に喋らすのに投げ銭をする。下手すればダンジョン探索配信より稼げているのが多いのが日本になっている。また・・・


「案外ダンジョン外でも稼げる配信ってあるんだよね」


「御祖父様も驚いてたわね、これに関しては。ちなみに、忘れてたけど、これ、その御祖父様からのお礼ね」


自分の言葉に委員長が頷き、なんか高級菓子セットっぽいのを貰ってしまった、これも投げ銭?になるんだろうか?ちなみに、どんな配信かと言うと、少し前にモンスター素材を使った鍛冶師の方を覚えているだろうか?あの方、探索者カードを取って配信権を得たのだ。で、作業風景を配信、一瞬とまではいかないがかなり短い期間をもって投げ銭機能条件を開放。うん、アレ、自分も見続ける自信がある、何がって?


「ダンジョンの骨系素材使った刀配信凄かったもんな、アレ」


「それそれ、俺も釘付けだったしな。玉鋼に骨粉混ぜて打っていくと刀身が蒼くなっていくんだよな」


まあ、要するに探索者の永遠のロマン配信だった訳である。そら、視聴者爆増の上で条件達成出来るわ。ちなみに、その鍛冶師さんとこの工房、電話にメールがひっきりなしだそうである。当たり前である。なので、依頼受付はかなりの期間を要するらしい。なお、自衛隊基地の一角にに引っ越ししたそうである、セキュリティ的に残念でもなく当然である。


「他にも、日本に帰化した高ランク探索者のモンスターとの戦い方情報なんかも、かなり人気なんだっけ?」


「そうそう、楓の言うチャンネルはチャンネル登録したなあ、助かる、助かる」


実際、マジで現状日本の配信者は後追いでも一気に条件達成するのが多い。何故か?丁寧に説明される情報は力、コレである。どういう事か?


「ダンジョン内配信でいくら強かろう、同じ事が出来る余裕があろうが、ダンジョン内って事だからねえ」


『 そ れ な 』


全員が頷く。ダンジョン内でモンスター解説や罠の解説を同じようにしたとする。果たして、ゆっくり丁寧に出来るだろうか?出来る訳がない、心に余裕がない、常に警戒が必要、まして、配信に夢中になり過ぎた事故が世界各地で起こっているのを見ているのである。ああはなりたくないと平常心が保てる訳がない。しかし、日本のようにやるのはチャンネル視聴者をどっと増やす訳でも無いのだ、日本以外の人達は何はともあれ先ずは映えが優先であるだろうからね。企業案件なら尚更だろう。


「あ、ちなみに、楓?」


「ナ、ナニカナ?」


「配信はやってもいいが、三優ちゃんと合同で行う事、配信用の動画は毎回添削するからな?」


スッと目を逸らす妹。ふ、兄はまるっとお見通しだぞ。なお、配信が出来るようになるのは高校卒業寸前、つまり、この日からおおよそ2年後になる。なんでって?簡単な話である。配信機材一式・・・安い訳ないよねと言う話である。親に頼むと言う事も考えたようであるが両親から「税理士さんに今は丸投げとはいえ、確定申告もあるんだから自分の稼ぎから出しなさい」と言われて、少しづつ良くなってる稼ぎから申告考えながら出したら、まあ年単位で時間かかるわなという訳である、なお、その頃には配信より稼げていたという皮肉。うん、合掌。

まあ、ダンジョン内での生配信より、外での生配信の方が安全ですよねと言う事&いよいよ3年目に入りましたというお話。

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