第47話 探索者協会曰く、天罰の日
「お、やってる、やってる」
「おう、始まったばかりらしいぞ」
自衛隊基地生活1週間経過した夜、風呂から上がった後で自室のテレビを見ると、目的の生放送ニュースがやっていた。そう、例の件で会見を行うらしい。また、探索者協会も同時に会見を行う為、この時代では珍しいネットによる生放送も使った2次元放送である。
『まずは例のニュースにて、本来は記事確認用であるはずの動画を使用した事に関し、お詫び申し上げます』
まあ、テンプレ、テンプレ。佐々木さんは青筋立ててるっぽいけどね。すっかり表情や気質などからその辺読めるようになってしまったから、どんだけ怒気隠してるか分かる、こっわ。
『当該の取材班およびニュース編集者、動画を掲載を許可した当該の者達は謹慎及び減給を課しました』
いや、クビにしてねーんかい!と防音でも無いので他の部屋からも異口同音ではあるが突っ込みが聞こえる。ちなみに見ている自分とアキラも同感である。そして、2次元の別窓に映る佐々木さんの怒りメーターが多分だが、一段階上がった。沈黙してるのが尚更怖い。
『また、当該の各家庭には賠償金と致しまして・・・・・・』
提示された金額は相場よりは多いが、こんだけあれば十分だろ?と言う考えが見え見えである。謝罪する気ある?になると言うやつである。あ、また、佐々木さんの怒りメーターが一段階上がったな、うん。
『以上を持ちまして、謝罪会見と今後の展望を終了と・・・』
結局、終始悪いのは我がテレビ局及び新聞社ではない、関連している社員だとして、誠意ある謝罪などなかった。どっちかと言うと押し付けられた社員に全ての責を行かせようとしているのが見え見えである。ネットでも中継していた為、ネット掲示板のコメントも大荒れである。まあ、こりゃ、これはもう先の展開見えましたねえ・・・
『探索者協会は本日、いえ、今この時を持ちまして○○テレビ及び、○○新聞社に関連する探索者の探索免許の停止、探索者用口座の凍結、ドロップ品の没収。関連する取材班のダンジョン、協会への出禁を宣言致します。コレは完全決定なので、覆る事はありません。悪しからず』
『させ・・・・・・え?』
自分とアキラだけではなく、その日は自衛隊宿舎は勿論、全国の探索者が大笑いで揺れたのである。勿論だが、局側の画像はしばらくお待ちくださいになり、そのまま、放送を終えたのは言うまでなく。マジで佐々木さんが言った事全てを実行され、テレビ局として終わったのは言うまでない。今はもう、アニメやドラマ再放送を流す、またはたまに視聴率激低のバラエティを流すのみである。スポンサーも離れていったと後に聞いた。ちなみに、例の局は僕達が我々の破滅の原因だ!と言うニュース流したけど、世間は全くこれっぽっちも信じなかったのも追記しておく。ちなみに勝手に撮られてた写真を使われたので国選弁護士さんにお願いし、更に賠償金を取ったのも言うまでない事である。そのテレビ局どうなったって?さあ?としか言いようがない。
撃っていいのは撃たれる覚悟のある奴だけだというのは明言ですねと言うお話。そら、学生とは言え、善意で協力してくれる探索者のプライベートに土足で踏み込んだらねえ?探索者協会も全力ですと言うお話でもあります




