第42話 師曰く、先ずはやってみる事
「よし、それじゃあ、委員長、よろしく」
「いいわよ、楓ちゃん!」
「じゃあ、位置について、よーい、ドン!」
今日はいつものルーティンの後、学校のグラウンドの片隅でアキラと50メートル走をしている。最近はパワーアンクルを足に付けていたので開放感が半端なく、シパーッ!と言う感じで走れる。漫画の世界は本当にあるんだな。
「ゴール!」
おお?!委員長に2人共ゴールしたら声かけてくれって言って良かった。いつもならそれなりに長く見える距離が声かけられなかったら、もっと走ってたわ。
「あれ?もうゴールしてたか」
自分より数秒ぐらい先にゴールしてたアキラもびっくりしている。体力に走る力付いてるとは思ってたけど、これはマジでびっくりした。
「早いと言えば早いけど、世界記録とか程じゃないわよ、せいぜい、大学のレベルね」
まあ、レベルも上がってない訓練漬けなだけの高校生だからね。それでも、かなりの速度は出てるな。よし、んじゃ、次は・・・
「次の準備してくる」
「了解」
家庭準備室で、ダンジョンに入る為の装備を整える。流石に槍はただの棒だが、先に鉄芯を入れてある。いざ装備してみると、これは・・・
「なるほど、猛翁や巌さんが何度もやっておけって言う訳だ」
「槍はテイマ―取得当日は回避専念で持たない予定だけど、テイマー取得したら使う予定だからね、慣れないと。うぅむ、なかなかの違和感」
そう、いざ、持って歩いてみると中々の違和感を感じる。多分、持ち歩き方が良くないんだろうけど、廊下を自分は真っ直ぐ歩いてるつもりなのだが、たまにフラッと槍がある方に行ってしまう。
「後、この装備も中々違和感が強い」
チラチラ部活動や居残りしてる生徒に見られるが、まあ、うん・・・黒い服で怪しい事この上ないが、放課後なので許して欲しい。防刃スーツって、やはりこう、対刃物を想定しているせいか、少しゴワッとした感じなのだ。他、肩や肘、膝に対衝パッドが入ってるせいか。腕の振りがいつもより遅い気がする。むむむ・・・
「委員長、棒無しとあり2回走るから!」
「了解、楓ちゃん、よろしく!」
「はい、位置について、よーい、ドン!」
「う~ん、これは佐々木さんに報告案件かな?」
「ですね。トオルさんはこの結果を糧にすればよいですけど、他の方はそうもいかないと思います」
三優ちゃんの言葉に頷く。家庭準備室の鍵を閉め、装備を入れたバッグを持って帰宅してる最中なのだが、先の結果はかなり記録を落としたのだ。
「パッドが入ってるのに慣れていかないとな」
「だねえ。楓に三優ちゃんに委員長も明日辺りから、ランニング前から着始めた方が良いと思う」
「あの結果だからね。そうするわ」
いやあ、自分達視点ではしっかり腕上げて足上げて走ってるつもりだったのだが、端から見たらどえらいチグハグな走り方だったらしい。妹達は今年、自分達は来年までの新たな課題が見つかった。この辺流石は師匠チームの助言である。
「ああ、後、もう一つ分かった事あるな」
『ああ、アレね』
自分の言葉に全員が一斉に頷くアレって何ってさあ?
「槍持って走りながら、攻撃ってゲームの中だけの攻撃だよね」
『 そ れ な 』
2回の走りの確認の後、試したんだけど、危うく前方に勢いのままつんのめって、ズシャァアアアア!する所でした。うん、ゲームと混同良くない。レベル上がれば違うのかな?と思ったが、安全第一で行こうと決めた日だった、うん。
本当にやってみないと分かり難いお話。訓練してるとは言え、高校生が槍を持った走りに慣れてる訳ありませんよね。




