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現代ダンジョン安全探索計画 略して、現安計画  作者: 味醂英雄
2年目 マスコミ騒動編

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39/92

第35話 生配信と言う愚かな行為

「こういうの増えたな」


あれから更に経過し、冬休みが見え始めた頃、パソコンの前でいつものメンバーが自分の言葉を受けてうんうんと頷いていた。ちなみに、パソコンは巌さんの道場で佐々木さんからの報酬を使い、置かせてもらっている。


「危険が無い訳じゃあないが、こういうのを配信してアピールする個人や企業増えたよなあ」


所謂、ダンジョン配信と言う奴である。とは言っても、時代にして2000年、まだまだ動画が荒かった時代であり、主な録画媒体はビデオテープであり、ビデオカメラの小型化とかもまだまだ難しかった時代である。で、これが何が話題になってるって・・・


「コレ、学生が行った動画で話題になったのよね?」


そう言う事である。1~2階層は金銭的に旨味が無い。では、旨味を産むにはどうすればいいか?そうして産まれたのが個人ホームページでの動画配信である。これには勿論、探索者協会も頭を抱えたが、過激なのは取り締まる必要があるが注意喚起にもなるという事で、届け出さえすれば可能と言う方向になり、現在結構な数が増えているのである。


「結構、こうしてみると雲泥の差があったりするんですね」


三優ちゃんの言う通り、結構サイトによって差がある。全体的に余裕あるのも居れば余裕無く泥臭いのもある。ただ、これなあ・・・


「生配信とか出てきそうで怖いんだよね」


『ああ~』


この時はまだ、生配信が手軽に出来るような機材が一般流通されてなかった・・・・・・そう、一般流通・・・・・・はね?想定する悲劇が起きるのはまだまだ先、そう考えていた。勿論、佐々木さんも同意見であったはず・・・だった。



「うわあ、ネットも新聞も、コレかあ」


その悲劇は海外で起きたのである。そう、一般的には流通はまだだが、その道のプロ、テレビ局が行った。いや、やってしまったのである。


「機材を提供されたのはテレビ局専属の探索者。配信に集中しすぎてグロ画像を配信!かあ・・・」


朝のランニングの準備を終えた楓の発言にも力が無い。コレ、妹や委員長には見ないように言ったが、ニュースとして有名になりすぎてしまい、結局、朝のニュースで見ちゃったんだよなあ、かなり濃いモザイクかかって、編集もされていたけど、これはそういうシーンだってわかるやつ。で、何が起きたって・・・


「生配信って、想像以上に探索者の視点狭めるのが分かっただけでも全世界には収穫か。今日は肉は止めとこう。多分、出ないとは思うけど」


「しかし、マジで見えてなかったんだな、視聴してる人間からは後ろに見えてるのに」


「探索者もスポンサーからの意向があったんでしょうけどね、アレはねえ・・・」


他のメンバーも準備を終えて出てきた所の話題にもなろうと言うものだ。要はアイドル探索者と言うべきか、映える映像に集中しすぎ。しかも、カメラに目線をよく行かせるものだから、罠やモンスターに集中出来る訳がない。でも、依頼されたからにはこなす必要がある故の惨劇であった。映像はそう言う事をしながら魔物を討伐していたが、注意力散漫故に、唐突な魔物の遭遇に対処が間に合わず、大惨事を映しつつ、この辺りからニュースでは編集されていたがね。そして、カメラが床に落ちた後に映る他の探索者の救援でフェードアウトである。


「逆に言えば、注意喚起動画にもなっているそうだよ」


『そりゃ、そうだ』


皮肉にもそのニュースがクリスマス目前にあったもんだから、後に 血のクリスマス(ブラッディ・クリスマス) と付いたのは皮肉な話である。


「しかし、コレ、今はいいけど・・・問題は・・・」


「目的である視聴率は確かに稼げるって事だよな。各種動画サイトやサーバーに投げ銭機能が付いたり、配信素材が一般流通開始したら・・・」


「きっと増えるでしょうね、生配信探索者。そして、惨劇よ、再び!かしらね」


全員で頭を抱える。そして、見える。今はある程度は少数の死亡報告が倍以上に増える未来が!


「委員長。妹達がやりそうになったら、ぶん殴ってよろしく」


「ええ、任されたわ」


『しない、しない!』


三優ちゃんはともかく、お前はやりそうなんだよ、楓。今の内に釘刺しておかないとな。まあ、それはさておき・・・


「まあ、確実に確かなのは、佐々木さんの仕事が更に増えたって事だね」


『 せ や な 』


まあ、それでも、念の為に報告しておいたら、佐々木さんの頑張るよと言う声と共に引き出しを開ける音が聞こえたのは言うまでない。胃薬漬けが宿命になりつつあるよね、あの人。

現代ダンジョンには付き物の生配信、実際はこうなりますよと言うお話。集中出来ないとどんな行動も隙が出来てしまいますからね。

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