第32話 魔法という分類について
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それはいつもの巌さんの道場の鍛錬と座学を終えた後の妹の楓の一言から、全員が悩む羽目になった事だ。
「そう言えば、お兄ちゃん、私、魔法を使う方向で行くじゃない?」
「ん?そうだな。確か、ウィンドカッターが貰えるはず・・・だよな?なんだ、他に変えるのか?」
「いや、それは有り難いんだけど・・・魔法ってどんな種類があるの?」
『えっ?』
自分も時々考えてた疑問ではあるが、いざ、質問の形で言われると、どうなんだろう?としか言いようがない。魔法は未知の部分が多く、スクロールなどからもそれが全てではないと分かってはいるが、いざ、どんな魔法がどれぐらいあるのか?と聞かれて、咄嗟に言える学者はゼロだろう。
「今の所公開されてるのが火がファイアーボール、先日の事件でのファイアーウォール、後、指定した範囲が爆発するボルケイノ」
「水が確か水を出すだけのウォーターと、攻撃でウォーターボールとウォーターカッターだっけか?」
「風はウィンドカッターのみよね、協会が使用許可してるの?してないのもいくつかあるのよね?」
順に自分、アキラ、委員長である。風は確か、トルネードなどがあったはずだが、協会が注意喚起・使用禁止・スクロールを使用した場合の厳罰化を発令している、つまりはそう言う事なのだろう。
「土は、見つかってないんだっけ?」
「うん、色んな所を調べてみたけど、そう聞いてるよ、楓ちゃん」
楓と三優ちゃんの言う通り、土に関しては穴を開ける魔法やグレイブみたいな魔法、地震を起こす魔法なども報告が無い。もしかしたら見つかってるかもしれないが、まあ、うん、どの魔法も凶悪で悪用できるから【無かった事になってる】だけかもしれないけどね!
「んで、照明魔法のライト、洗浄魔法のクリーン、強化魔法のストレングス、範囲内の敵を眠らせるスリープ、回復魔法のヒーリングとヒーリングプラスだっけ?状態異常回復とか見つかってたか?」
「いや、見つかってないと思う。見つかったら大騒ぎになってるだろうし、仮に見つかったとしても、国が情報の拡散許さんだろ」
アキラに対してこう答える。まあ、状態異常を治す、つまりどんな病気も治すとかなったら医療世界の崩壊だろうしなあ。医者が病院をボイコットとかシャレにならん。エリキシル?アレは別格だと思う、うん。
「こうしてみると国からすれば1年以上、探索者からすれば1年弱でもこんだけしか見つかっていないとも言える・・・のか?」
「もっとド派手な魔法とかあると思ってたよね」
「許可が下りてないのに、そういうのがあるかもしれんが、確実に大惨事だぞ」
『 だ よ ね 』
ただ、極大魔法と言うか、範囲魔法は確かに知っておきたい情報の一つである。というか、魔法について色々知ろうとしていたが、魔法の種類と言う項目は自分も考えもしなかったな、うん。
「ふむ、面白い視点だね」
話し合っていると巌さんと門下生の人達も参加してくる。
「では、そこに更に視点を変えてみたらどうだい?そうだね、魔法はゲームの世界でしかない存在だった。なら、ゲームの魔法も当てはめてみたらどうかね?」
「あ、なるほど」
まさに目から鱗である。リアルに考えると行き詰まるなら、非現実も取り入れてみればいい。となると・・・
「確実にありそうなのは移動系かな?」
「テレポートとかその辺は確かにありそうだな」
「お兄ちゃん、ファイアーストームとか危なくない?いや、ていうか、範囲魔法系統は全部危ないかな?」
「危険を想定するなら、土魔法も入れても良いんじゃないでしょうか?」
「これ、一度想定するべき魔法としなくていい魔法をリスト化するべきじゃない?」
順に自分、アキラ、妹チーム、委員長である。この後、リスト化していくのだが、自分はたった一つ、しかし、この時点では大変馬鹿げた発想であるので切り捨てていた魔法がある。だって、そうだろう?いくら魔法が何でも出来るからって・・・
(ダンジョンが魔法で作られたなんて、そんな事ある訳無いよな、流石に)
そして、その考えは後に日を追う毎に大きくなっていった事も、この時点では神ならぬ身では分からないのだった。
魔法使いと言う視点から見るべき魔法と言うモノについてとちょっとした伏線のお話




