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現代ダンジョン安全探索計画 略して、現安計画  作者: 味醂英雄
2年目 マスコミ騒動編

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第27話 考えていた事の実現

「ははは、それは大変だったね」


体育祭の事を相談した週の休日。自分はアキラと共に佐々木さんの事務所に居た。前々から出してあった提案が通ったとの事で呼ばれたのだ。ついでに相談役として猛翁も来てくれている。


「将来的に考えると、マジで重要ですしね。あ、こちら母からお菓子と今回の件のまとめのレポートです」


「おお、ありがとう、お菓子は後で皆で頂くよ。レポートは今回の事でも役に立つのでありがたい。でだ、皆さんに配ってくれ」


秘書さんが頷くと、各々の前に冊子が置かれる。書かれているのは・・・【探索者育成専門学校】。ぶっちゃけた話、あの探索者が行方不明になる事案の前から佐々木さんと相談していたのだが、年齢対象を高校1年辺りからにしていたのがかなり提案の通りを悪くしたらしい。


「出来れば、あの日通って欲しかったんですがね・・・」


「仕方あるまい。政府としても16歳からの探索者事案はギリギリの境界線じゃったんじゃろう」


自分の言葉に対する猛翁の言葉に頷くしかない。そして、パンフをパラパラ捲り、資料の方にもしっかり目を通す。うん、問題なし。


「ほうほう、これは専門学校と言うより・・・」


「ええ、そう言う事です。佐々木さんも無茶振りすみません」


と、ここで一緒に来てたアキラがハテナ顔になってるので、答える事にする。


「アキラ、良く考えてみてくれ。お前の妹の初期の頃だ。これ字面だけ見たらどうすると思う?」


「まあ、普通に飛びつくな」


アキラが遠い目しているが続けよう。分かる、自分も今、楓が一にも二にも無く飛びついて両親に入学を懇願するイメージ見えたから。


「さて、次は資料のカリキュラムのページを見てくれ」


「ああ・・・・・・」


しばらく読み進めてる間、猛翁と佐々木さんはニヤニヤしていた。うん、分かる。提案した自分も内心ニヤニヤものだからね。まだだ、まだ笑うな!ってか。


「そう言う事か!」


アキラも気づいたようだ。そう、この専門学校の真の目的は・・・


「トオルが学校に提案した事の専門版ってとこじゃん」


はい、大当たり。まずこの専門学校に入学するに辺り、探索者免許の取得は必須とし、学校に通う間は必要時以外は預かりとする。と言うものである。そう、この学校に入ったら、必要時以外は卒業するまでは預かりという事である。


「読んだから分かるよな?勿論、授業は・・・」


「これ探索者心得とか武器やダンジョンについての授業とかあるけど・・・コレ、()()()()()()()()()()()じゃん」


大正解。そういう面を大きくしたのだ。まずは飛びつく要素を大きくしている。また、授業には数学、現代文、歴史なども理由を入れて取り入れている。勿論、テストもあるし、探索者の為の学校らしく実技もある。勿論だが、テストで悪い成績取ったら留年もあり得る。


「だが、これは佐々木殿が、いや、言ってみれば国が興す学校じゃ。とすれば?」


「未成年は確実に飛びつきますね。おそらく、()()()()()()()()()()()()()()。そして、親は見て納得する。だって、これ、高等学校を受験するのと変わりないから。探索者免許だって取る為に講習ありますし、ある意味、受験とも言える」


猛翁の言葉に対するアキラの言葉に頷く。カリキュラムには数学、現代文や歴史、先日発覚した課税の授業、更に体力を付ける名目に体育の授業etc。そして、卒業後に高校卒業の資格も得る事が出来る。本人が望めば、普通の大学受験の授業を受ける事も可能である。


「なるほどの、ドロップアウトする、つまり、学校で現実を見て諦める道もある訳かの」


「です。他にも罠についての授業や、自衛隊との合同パーティ演習も予定してます。国家が運営する学園ですからね」


猛翁の言葉に佐々木さんが答える。専門学校とは言っても、探索者になる為だけでは駄目そうだったからね。そこら辺は佐々木さんが検討を重ねてくれたと言う訳だ。未成年はとにかく、探索者という現実を知らないから。そこを知らせる為の学校でもあると言う訳だ。


「勿論だけど、専門学校だ。高校以上からの入学と言うのもあるだろうけど、その場合も授業、資格試験の免除はしないで一貫する」


うん、自分の希望はちゃんと通ったようだ。この辺、流石に色々入るかなと思ったが、佐々木さんというコネに感謝だ。どういう事かというと、どの年齢で入学しても 一年生 と言う事だ。要するにどんな年齢でも、新入生扱いをすると言う事である。ぶっちゃけ、これに耐えれないなら探索者資格って諦めた方が良いレベルだからね、仕方ない。


「うん、希望に沿った学校です。有難うございます、佐々木さん」


「うん、ところで、初代理事長に何故か自分になるんだけど、交代で収まる気ない?」


「まだ未成年なので。じゃあ、これで失礼しますね」


早口早足でそそくさと事務室をアキラと猛翁と共に去るのだった。巌さん、貴方から何気に習った歩法、大変役に立っております!


トオル君の考えていたのは専門知識を得れる学校、同時に未成年の救済の為の学校って事でしたと言うお話

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