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第2話 免許取得試験

「以上で座学を終了します。質問がある場合は後程」


さて、今日は資格試験と言うより、資格適性試験とでも言おうかな、そう言う集まりに来ている。何故適正かと言うと、どう考えてもまずほぼと言っていいレベルで合格が前提になっている。不合格者は態度、マナーに問題がある奴ぐらいではなかろうか?ってぐらい、座学はなんて言うか、人としてのマナーを、つまり、普通に考えるなら当たり前の事を書いていくだけだった。んで、そんな当たり前の事を試験形式で書いていく。コレ、筆記試験で落とす気ないだろ?と言えば分かるだろうか?まあ、落ちる奴、つまり、解答に書いてる事に問題がある奴は落ちるだろうけど。それは自業自得に近いからなあ。


「次は実技試験か・・・」


「おっす、お疲れ」


アキラが話しかけてきたのでハイタッチする。動きやすいジャージに着替えねばならんのでロッカールームに行く。途中、自衛隊の人とすれ違った。なるほど、マジでダンジョンの恩恵ありそうだなと思った。何故って?元々体幹が良くなるように訓練している彼等だが普通に歩いてるだけでもう格が違うと分かる振る舞いがあったからだ。有段者が何人でかかっても、一人も倒せないだろう。


「見たか?」


「見た、どう?」


「木刀、いや、真剣があっても厳しいだろうね」


ロッカールームで思わず小声で話し合う。アキラがそう言う以上はマジでダンジョンはある。疑っていた訳ではないが、こうも見える情報が晒されるとびっくりするよ。


「となると、予定通り、コレ持っていくか」


「だな」


取り出したのは玩具の剣。こう、縁日とかである奴である。持って歩いてると、すれ違った同じ試験を受けている人にクスクス笑われるが、こういうモノを用意してない事、この後、絶対に後悔すると思うなあ・・・・・・



「オウ、死屍累々・・・・・・」


「そろそろ出番かな?」


実技試験は試験会場の外に敷設された人工ダンジョンっぽい所の探索。とりあえず、時間がかかっても良いので踏破すればクリアと言うシンプルな物。ソロか、パーティかで申請しなければならないが自分達はパーティで申請。まあ、自分達はパーティを組むのは確定と決まってるのでそう申請した。で、実技試験はどうやら、クリア自体は出来るようだが、体に痣が付いた者、顔に青痣が出来た者、手を持って悶絶する者など様々だ。なるほどねえ。


「アキラ」


「あいよ」


出番が来るまで少しあるので、外に居る内に色々探す。監視員兼隊員が居るが()()()()()()()辺り、ルールとしては認められてるってとこかな。まあ、普通はそうなるよなってなる事だからね。お?番号呼ばれたから行くとしよう。


「70番と71番はパーティ申請だから、こっちの扉ね」


「「はい」」


ここに来ても玩具の剣が取られないならそういう事だろう。ただ、まあ、隊員さんが何人かヒソヒソ話してるから、目立たない結果ってのは無理になったかな。でも、怪我は嫌だしな。


「んし、扉は閉まった。アキラ?」


「ペンライトは咎められてない、外にここの施設の備品かのように立てかけられてた木の棒2本」


「鉢植えの陰に置く理由がある訳無い釣り道具。そこからテグスを回収した。石は何個拾えた?」


「使えそうなのは5個ぐらい、そっちは?」


「同じぐらいだけどこれだけあれば良いかな?じゃ、行こうか」


早速進むとするが、その前にペンライトで辺りを照らす。すると、いかにもここ踏んだら罠ですよと言う通路のタイルを見つける。それも遠くにではなく、少し進んだ所である。露骨すぎる罠だとは思うが、次は乗り越える前に棒に玩具の剣をテグスで巻き付けたのをそのタイル近辺でブンブンすると何かが引っ掛かったと思うと丁度、件のタイルがある横合いの壁からブンッ!と音がしたかと思うと布を巻き付けた棒が複数飛び出てくる。なるほど・・・


「床と通路の先だけ見て進もうとしたのがあの顔とか手に痣が付いた奴か」


「そら、こんな露骨に怪しいタイル、警戒して避けて進むわな。そこに跨いで進もうとした先にピアノ線で発動する罠、つまり・・・」


親友の言葉に頷きつつ、玩具の剣とテグスを外し、棒に戻したら、今度は棒でタイルを突いてみる。お約束の沈むとかしない、色だけが変わっているタイル、つまり、これは本命の罠を踏ませるための囮と言う訳だ。


「油断するなって事だね。棒で先や壁を突きつつ進むよ」


ここから先、ダイジェストになるが、なるほど、ちまたの噂の通り、筆記1割、実技9割と呼ばれる訳である。例えば、RPGみたいに通路に対面形式で鎧が飾ってあるとこがある。これ自体は普通の鎧なのだが何も無いなと通ろうとすると、鎧と鎧の間にあるピアノ線があり、それに引っかかると鎧がちょうど真ん中に折り重なるように倒れてくるのである。で、これにより、通路が見え難くなるのだが、その見え難くなった通路の一部の感圧式スイッチがあり、落とし穴が発動!になる。こんなのが一例である。後、宝箱が露骨に真ん中にドンと置いてる部屋があったが、無視した。後で聞いた話だが、迂闊に開けた場合はその部屋の壁にある扉から隊員が出てきて失格の旨を伝え、別の出口からサヨナラ!させられる、つまり、()()()()()()らしい。そら、まあ、露骨に部屋の真ん中にデンッと置かれた宝箱開けるとか、失敗の未来しか見えないだろう。宝箱自体に罠があったらドカン!とかありそうだしね。ちなみに、パーティ申請で受けてこの罠にかかった人達は人間関係が一気に悪化したらしいと噂で聞く事になるが、うん、まあ、そうなるなとしか言いようがない。


「・・・・・・どう思う?」


「どう考えても、ここだな。仕掛け作るわ」


さて、なんだかんだで安全第一として、怪我もなく来た自分達が最後に見るのは出口の扉である。落とし穴はないのは確認済みである。しかし・・・


「あの手を押さえてた人達が引っ掛かったのはここだなと言うか、ここしかない」


合格はしたけれど、やたら腕をさする者や、擦っている人が居た。つまり、何らかの事で腕に痛みが走るモノ、この場合は怪我とかしたように見えないから電気だろう。で、扉の方はレバーを下げるタイプの奴。開けようとして下げたら、びりっと痛みが走る程度の電撃が走るってとこかな?


「しかし、これはどんなに警戒しても引っかかるよなあ」


アキラが持ってきていたゴム手袋を装着する。絶対、電気使ったのあると思ってたしね。試験を受ける前に学校で見た試験受けた奴に電気が走ったような火傷痕があったしな。


「バシンバシン当たるあの棒に罠があると分かって警戒しまくるストレス。さあ、これで終わりだとばかりの扉。無警戒に勢いよく開けるわな。よし、オッケー」


テグスの先を扉のレバーの持ち手に括り、そのテグスを渡される。まあ、ゴム手袋をしているから、このまま引いても良いかもしれないが、ここまで意地が悪いと開けた後も何かある?という警戒心がデカい。出来る限り離れて、レバーを下げるように引っ張る。念の為、開いたのを確認したら、テグスから手を放す。


「おめでとう、合格です」


女性の隊員が拍手していた。つまりクリアという事だ。武器とかも持ってないしね。それでも、言われてから数秒間警戒していると、更に拍手が大きくなった。両脇から男性隊員2人が出てきたのだ。あっぶねえ!


「いやあ、凄いな。改めて、君達は合格だ。出てきてもいいよ」


自分は武道の達人ではないが、これは勝てない。いや、勝てない以前に色々違い過ぎるというのが分かる。まあ、流石にコレで奇襲は無いだろうと判断。アキラともアイコンタクトを取り、外に出ると、改めて褒められ、部屋に通されて、免許をゲットするのだった。つ、疲れた・・・・・・

宝箱の罠は、まあ、うん・・・としか言いようありませんね。露骨にデ~ンと置いて何の罠もありません!ってのはゲームの中だけって事です、うん。


4/6 スマホ→ペンライトに変更。スマホまだねえじゃんでした(汗

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