第19話 素晴らしい朗報(ただし?
「う~ん、これは、男にとっては朗報ですけど・・・」
「だよねえ」
1月の3が日を終えて、いよいよ妹達も本格的に事を行う年。自分は佐々木さんに呼ばれて、探索事務所の応接間で出された物を見て唸っていた。その唸りの原因である物とは瓶に透明な液体が入ったものである。
「消化ポーション【弱】、原因はおそらく・・・」
「まあ、汚物出まくったのが原因だろうね」
まあ、食事中だったらごめんなさいなレポートにもなったアレの大噴出である。まあ、自衛隊なら携帯のトイレとか持参出来るだろうが、一般人、ましてパーティ組んだ人数考えれば、一般人はおむつ履く対策以外は無理無理のかたつむりである。では、どうする?と言うと、便意、尿意を感じたら、モンスター殲滅後かモンスターが居ない内に物陰で大噴出と言う訳である。一応、何階か毎に仮設トイレは設置予定らしいが、モンスターの事もあって、なかなか進まないらしい。資材とかも1階ならともかく、2階以降はモンスターが居る中で運ばないとダメだからね、難しすぎるだろう。後ろについてる弱と言うのはおそらく副作用の強弱と思われる。強があるならより効果高い感じなのだろうか?
「しかし、これの欠点を女性に説明・・・・・・ですか」
「君の妹さんや知り合いはダンジョン探索者は確実になるとはっきりしてるからね。お願い出来ないだろうか?」
う、確かに自分のとこなら話は聞いてくれるだろうけど、この欠点がなあ・・・・・・うぅむ・・・
「分かりました、代わりになんですけど、妹達の分の防刃一式を頂きます。今の所、3名です」
「勿論用意させてもらうよ、じゃ、お願いするね」
くそぅ、良い顔しやがって。と言うか、もはや、自分探索事業の便利屋になってない?まあ、現状困る事ないから良いけどね。何より、例の奴を3つ用意しなければならないほどの情報って何?って言われるとね、それはね・・・・・・
「と言う訳で、消化薬が発見されました」
放課後の時間、委員長の道場で、うちの妹の楓にアキラの妹である三優ちゃんも含めて、門下生の女性達の光り輝かんばかりの笑顔に溢れた空間です。だが、自分はここに爆弾を投下せねばならない。
「さて、自分はここに居る女性陣に酷な選択をさせねばならない」
「「「へ?」」」
よぉおおおおおおく、思い出して欲しい発見されたのは消化薬である。もう一度言う、消化薬である。異世界の!
「件の薬は 消化薬 だ。察してくれ」
しばらくの黙考。そしてまずは巌さんがあっ!と言う顔をして、こちらに同情の視線を送った。ついで気づいたのはアキラ。やはり同じ視線が送られる。そして・・・
「消化薬・・・・・・あっ!」
次いで気づいたのは委員長。そう、消化薬と言うのがミソである。更に忘れてはならないのが地球産では無いという事。そこから導き出される答えは・・・
「疑問を聞いていくわね?」
ヒェッ!すっげえ笑顔で聞いてくる。妹チームもアキラも巌さんも引いてるじゃん、コワイ!コクコクと頷く。
「これは老廃物を消化してくれるのよね?」
あ、これ、気づいた奴ですわ。笑顔とは・・・が出来る奴ですわ。門下生の女性の皆さんも真っ青である。
「そうだね。大小問わず消化してくれる。これさえあれば女性はおむつを履かずに済む。値段もリーズナブルで1本1000円の予定らしい」
そう、ここまで聞けば、かなりどころか相当良いものだ。ここまでは・・・そう、逆に言えば、ここからが依頼された大変女性には聞きづらい女性への本題とも言える。
「老廃物 は 消化してくれる。そして、副作用に数時間後メッチャ腹が減ります」
その言葉に委員長は見事頭を抱えるポーズ!まあ、今、委員長の目の前にはすっごい絶妙なバランスの天秤が見えてるだろうからなあ。
「ねえ、お兄ちゃん、女性には恩恵しかないように聞こえるんだけど?」
我が妹はまだ飲み込めきれていないようだ、アキラの妹の三優ちゃんも同様っぽいな。じゃあ、まあ、言葉にしちゃいますか。
「老廃物とは何かな、マイシスター?」
「え?トイレで出てくる物・・・・・・あっ!」
「気づいたか?消化するのはあくまで 老廃物 だ。そう・・・」
自分が次に発するであろう言葉に予想が付いた妹チームはようやく理解が追いついたのか真っ青である。しかし、選択は迫らねばならない、慈悲は無い。
「カロリーは・・・・・・消化されないんだ・・・・・・」
『いやぁああああああああああああああああああ!!!』
コレ、どういう事か?単純だ。女性は選択しなければならない。尿意、便意は女の尊厳を捨てておむつで済ますか、それとも消化薬を飲んで・・・その老廃物が持っていたカロリープラス数時間後来る空腹感から取るカロリーを身に付けるか?である。オウ、残酷だぜ。理解してしまった女性陣が幽鬼のようになっているのも分かると言うものだ。
「ちなみに、複数本使うと効果が倍増するのは証明済みだ。副作用の方の」
『ノォオオオオオオオオオオオオオオ!!!』
そして、更なる爆弾を投下。きっと門下生である社会人の女性達はこう思っただろう。食ったカロリー分は動けばノーリスクであると。委員長や妹チームはこう思っただろう、複数本飲んでも道場や訓練でカロリー消費すればノーカンだと・・・
「あれ?お兄ちゃん、こういう事を聞くためだけに私達集めたの?」
「HAHAHAHA」
妹よ、君達の地獄はこれからだZO!今年から、訓練が始まる、つまり・・・
「おむつは勿論だが、コレのレポートも書いてもらうからな?」
「「え?」」
意外そうな顔するな。おむつのレポートについては保護者の母に精査してもらい、封筒に入れてもらうがやってもらうし、薬の副作用の度合いも書いてもらう。代わりに恩恵あるがね。
「ちなみにほっとしてるけど、委員長?」
「え?」
「どうぞ」
とある人、まあ、バレバレではあるが、ついに根負けして彼女のダンジョン入りを認めざるを得なかった猛さんからの手紙である。書かれているのはふるふる震える彼女を見れば分かる通り、同じ訓練を課すと言うものである。まあ、そりゃあね、あんな事件があった後で可愛い孫を実戦形式の訓練はやっているとはいえ、放り込むとかする訳がない。
「うふふふふ、よろしくね、桐谷君?」
ヒィッ、コワイ!で、でも、まあ、3人とも引き受けてくれそうで良かった、うん。その日はその話だけで解散したんだけど、しばらくは妹や委員長の視線が怖かったのは言うまでない。門下生の女性の皆さんが血走った目でジムを探してたのも言うまでない。あの道場近辺のジムで男顔負けのサンドバッグを揺らす女性が多数見られたとかなんとか・・・・・・更に後日、と言うかしばらくした後、佐々木さんから高級ホテルのデザートビュッフェ券と万単位の商品券がいくらか送られてきたのも余談である。それを使って、3人の御機嫌取りしたのもまた言うまでない事である。
女性にとっては朗報であり選択であるというお話。どちらを選ぶかは貴女次第・・・・・・と言うお話




