外伝1 探索者協会責任者 佐々木 五郎
ダンジョンが発表され、早1か月経った頃のテレビのニュースを見て、私は溜息をつく。
「ダンジョン時代か。何もまだ知らないマスコミが好き勝手を言ってくれるよ」
ダンジョンが吐き出す資源、人類の鍛錬、魔法と言う名の未知との接触。確かに時代と呼ばれるに値するだろう。だが、それは・・・
「生き残れればの話と言うのに、知らぬ者は好き勝手言えるものだ」
は~っとため息をつく。日本で初めて発見されたのは富士の風穴。たまたま、登山に来ていた一般市民の通報から始まった。いつもはチラリと見ても何の違和感も感じなかった風穴が気になり覗いてみれば・・・と言う事らしい。らしいというのは、その後、その一般市民とやらはどんなに探しても見つからなかったからである。今にして思えば、何者かの誘導であったのだろうか、あれは・・・
「しかし、思い切ったものだ・・・・・・あるいは・・・」
16歳からの免許取得を政府が決断した事だ。確かに人の手は欲しい。だが、彼らの目に映るのはきっとゲームのような世界だろう。再度溜息を吐く。探索許可が始まってから何度溜息が出たか分からない。そして、考える。あるいは・・・・・・この件も何者かの介在があったのか?と。無論、それなりの地位に居る自分も国から見れば下っ端だ。真相は知りようもない。
「今からダンジョンが楽しみです・・・ね。それ、ずっと言えれば大したもんだよ」
言いながら書類を見ていくと、とんでもないモノを見つけた。思わず、冷えてしまったコーヒーを一気飲みし、何度も何度も目を擦りながら見直してしまったほどだ。探索者の動向を確かめるための調査を行う課にそのままの足で向かう。これが本当なら、本当にとんでもない事だ。だってそうだろう?まだ、16歳になって間もない少年がダンジョンに潜るどころか・・・
「免許を年単位で預けるだって?はは、本当かね?」
この後、件の男子生徒達に出会い、色々驚かされる事になるとは、思ってもみなかったのである。そして、後に、彼のアドバイスを元に作り上げた私が作成したマニュアルが世界各地に周知され【ササキマニュアル】となるのも、勿論予想すらしていなかったのである。グワーッ!!!
佐々木さんのお話。まあ、表立った政府や関係者への提案は彼がすべて持ってますからね、さもありなん(合掌)




