第10話 ドロップ武器の事とバッグの事
「うん、やはり、一度佐々木さんに相談すべきだな」
あれから色々あったが、自分達はいつも通りの日課である半日履いたおむつを処理して、シャワーを浴びて、昼飯の為に自宅に居る時にすっかり情報源になったニュース番組でちょっと気になった事が出来た。
「て言うと?」
「これだよ、これ」
「ああ、確かにな」
自分が差したのはドロップ品のニュースだ。中でも、武器や防具についてである。何が気になるって、どんな性能か?である。中でも・・・
「呪いの武器とかって・・・無いよな?」
「無い・・・と思いたいんだけどなあ」
自分の言葉に対するアキラの返答が全てである。マジックバッグとか見つかったからね、うん、気になるよな。今日は丁度、道場での座学が休みの日なので、早速アポを取ってみたらOKとの事なので、早速行ってみる事にした。タクシー代とかも経費から出してくれるらしい、ありがたや。
「やあ、あのレポートのお陰で日本は大混乱は避けれたよ」
「日本は・・・ですけどね」
あのレポートにマジックバッグについては取り扱いは国にした方が良いと言う注意も書いておいたのだ。個人が持ったら、まあ、やばい代物だしね。何がやばいって、流通の破壊アイテムだからね。数は大変だろうが、先ずは国が保有する方が良いだろう。
「まあねえ。日本以外だと地獄絵図らしいよ。発見しちゃった海外の高レベル探索者が日本に避難どころか、亡命希望出してくるぐらい」
「うっわ・・・」
佐々木さんが利用している市役所の一角の会議室で出迎えてくれた後、席に座っての一声がコレである。佐々木さんはそれなりの地位に居るので、自分達が提出したレポートを基に叩き出した草案を日本政府に叩き付けたらしい。海外の情報集めてる日本政府もこれにはぐうの音も出ないため、即日対応したそうだ。そらなあ、バッグ巡って血煙舞う街とかまさにいつの時代よ?であるからね。実際、血の海になってる海外の街もあるから草案も通った訳だが。で、バッグ持ってるのはそれなりの実力者。じゃあ、どう奪ったり脅したりするのって?
「あ~、銃ですか。流石は文明の暴力」
「ぴんぽん」
前にも言ったが、ダンジョンの外に魔法は持ち込めない。ただし、身体能力などは高まるが、やはり、銃、銃の暴力は恐ろしい訳である。海外には銃刀法は無いからね。しかも、この頃はまだ銃の規制は甘々だったしなあ。まあ、その内、自分の予想が更に正しく進行すれば、その心配も無くなりそうではあるのだが、少し先だろう。
「今日は道場の休み使って、色々お聞きしたいんです。レポートの為に録音しても?」
「OKだ。ただし、今回のレポートは学校に提出する前にこちらでも添削させてもらいたい」
まあ、当たり前と言えば当たり前か。アキラの方を見ると頷いたので、分かりましたと受け入れる。さて、録音機にスイッチ入れて、早速インタビューだ。
「まずは早速話題に上ったマジックバッグなんですけど、これ、決まった容量とかあったりします?」
「ある。大中小と補足が付いているね」
「また、かなりゲームみたいな話ですね」
聞いてみたら、大はゲームみたいに軽自動車なら簡単に入ったらしい、中は業務用冷蔵庫まで、小は大きいペットボトルが30本入ったそうだ。イメージとして、それぞれが大倉庫、家、箪笥・・・かな?
「中に入ってるものが壊れたりは?」
「試してみたがひっくり返ったりしない事から、中では物体が固定されているらしい、ホント漫画みたいなアイテムだよ」
なるほど。と言うか、マジで不思議アイテムだな。そら、血眼に探し求めても無理はないレベルの話である。
「そのバッグ、見せてもらえたりします?」
「うん?持っていかないと言うなら、見せれるが何をするんだい?」
「これです」
自分が取り出したのは2つのストップウォッチ。それだけで佐々木さんは何をするか察してくれたらしい。職員さんを呼んでしばらくすると、小さなこう、巾着袋っぽいものが机の上に出される。
「これがマジックバッグの小サイズだ」
うわ、思った以上にとんでもない。何がって、コレに大きいペットボトル30本以上が入って、恐らく重さも無いって革命でしかない。
「それじゃ、佐々木さん。そちらはバッグの所有権あるのでバッグに」
「うむ。せーの!」
同時にタイマーを押し、自分の方は机の上に、佐々木さんの方はバッグに入れる。アキラも、ああなるほどと言う感じで察出来たようだ。まあ、単純に言えば、袋の中の時間経過実験だ。これはしばらく放置するので、次の質問に移る事にした。
「で、ある意味で今日の本命の相談なんですけど」
「ほう?」
「ダンジョンでドロップした中に武器・防具、もしくはそれに準じる物あったりします?」
「ほう、何故、それについて聞くのかね?」
佐々木さんの目がキラリと光った気がした。そして、確信した、ダンジョンが観測されてから発足されて長い組織すらも、ある危険性を感じていない事を。まあ、言われなきゃ、そういえば?レベルだしな。
「呪いの武器、防具です」
「っ?!」
佐々木さんがあちゃーと言う感じで頭を押さえる。まさしく、考えていなかったのだろう。いや、片隅でも考えていたかもしれないが、現代においてはあり得ないオカルト要素であった故に思考から外れていた考えだったのだろう。
「呪い、ゲームみたいに解呪出来ませんよね?その手のポーションあったり?」
「今の所は報告には無い。ああ、完全に外してたなあ、君、データベース検索して」
頷いた秘書みたいな人が出ていく。この頃はまだノートパソコンとか一般的じゃなかったからデスクトップパソコンであったから調べに行ったのだろう。
「いや、本当に助かった。自衛隊は迂闊に直接触らないんだがね」
恐らく、まだまだダンジョンについては謎が多い事とダンジョンの謎の深さから見れば低階層という事もあるのだろう。ついでに、国のバックアップを受けた自衛隊のマンパワーと輸送技術を舐めてはいけないという事も分かる言動である。
「呪いがどういう物かにもよりますけど、ゲームみたいなやつなら・・・」
「そう、アキラの言う通り、自覚症状が無くて、遅延発動してるのもあり得る」
「また、徹夜記録更新しそうだなあ。うちで働かない?」
『お断りします』
自分、アキラ、超シンクロ。国家公務員には絶対ならんぞ。絶対その関係に就かされるからな!
「しかし、そうなると、どういう呪いがあると思うかね?」
佐々木さんにそう言われると、メジャーな呪い、いや、メジャーってのもアレだが、この手の呪いで基本的なのってなんだ?になる。そして、クソヤバい結論に行き着く。それは佐々木さんも口に出して初めて気づいたようだ。
「佐々木さん、まだ聞きたい事色々あるんですけどね、ここまでにしません?」
「奇遇だね、私もそう思った。後程、今日の件についての報酬を銀行へ振り込ませてもらうよ。マジックバッグも後程検証結果をお伝えするよ」
そう言うと、後でストップウォッチを取り出して検証するであろうバッグともう一個のストップウォッチも持って佐々木さんは出て行ってしまったので、録音機を止め、一息を吐く。真面目に現実に現れたダンジョンヤバいと思ったからだ。
「なあ、やっぱそういう事か?」
アキラの言葉に頷く。何が?って・・・
「HP、すなわち、生命が削れる効果ってあるんだろうなって・・・そして、装備したら外れません・・・と」
「うわぁ・・・」
後日、案の定、ドロップした武器を使用して、謎の衰弱死を遂げたパターンがあるのが判明した。発見者は勿論、佐々木さん。データベースを検索し、異様に稼いでいたが、最近、潜っていない人物をリストアップし、捜索したのだ。そこで、衰弱の他に混乱の呪い効果がある武器も判明したらしい。バッグについても内部の時間が止まっていたと聞いた。この速報に自分、アキラも改めて、溜め息をついたのは言うまでない。なんでって?夏休み明けたら、学校の同級生何人減ってるかなあ?って、はぁ~・・・
まあ、ゲームみたいにダンジョンに居なければ呪いの効果は無いという甘い事は無い訳で。死亡者はナイフみたいな装備をこっそり隠してたんでしょうなあ・・・・・・まあ、実際の呪いは怖いというお話。




