第87話 高校生活の終わりと新たな始まり
「高校生活終わったなあ」
「終わったな」
「案外あっけなかったわね」
更に時は過ぎて、3月の卒業シーズン。ファミレス・・・とはいかず、ある意味では逃げ込んだ帝国ホテルの1階にある喫茶室でしみじみと語り合った。と言うのも、卒業式は流石に参加せねばならず、かってあったテレビの一騒動のせいで良い意味でも悪い意味でも有名人になっていたのだ。
「第2ボタン狙われまくりました」
「同じく・・・貞操が無事って素晴らしいと思った」
「名前も知らない先輩後輩の男連中から告白受けまくりました。勿論全部お断りしたわ」
『・・・・・・お疲れ・・・・・・』
この頃、まだ2000年初期だからね、そういう伝統が残ってる時代だ。だからと言って現金すぎんか?しかない。将来的に結婚の事とかも真剣にやらんといかんなと感じた高校生活最後の日だったわ。とりあえず、注文したジュースで乾杯して、落ち着くまで放心する。
「そういえば、結局委員・・・春奈さんはここのホテルの1室貰ってネット通信での指揮官コース受けるんだっけ?」
「そうそう。良く考えたら妹さん達のダンジョン同行どうするのって話なのよね」
『それな』
ここはマジのマジで卒業目前まで自分も大人勢も完全に抜けていた。委員・・・・・・下の名前で言うの慣れないな、春奈さんが妹達と連携取れなくなる、つまりはパーティ間の問題は以前も話したと思うが、その逆も然り、妹達の連携の問題も浮上したのだ。
「楓達のレベルについてこれる未成年探索者が学校どころか全国にも居ない件」
「だからと言って後衛タイプの2人のみで行かせるのは問題外」
「まあ、問題解決には通信での連絡の取り合いでダンジョン行く日を合わせて相談しかないという訳ね」
まあ、過保護でもあるが、流石に後衛2人。しかも、未成年で女子ともなればね。自分とアキラも合流すればよいのでは?と思うだろうが、ダンジョン探索時間が事務所に居ないといけない時間があるかもしれないからね。
「そういえば、浮上した大陸関係どうなってるの?」
「大国であるアメリカやロシアが我先と殺到したらしいけど、高位ランク探索者が瞬時に擦り潰されたらしいよ」
『うっわぁ・・・』
佐々木さんから聞いた話だけどね。件の3大陸には知的生物、つまり人間や動物は居なかったがいくつかのダンジョンが見つかったそうで、伝説の大陸と言うのもあり、各国、いや、日本と忠告を素直に聞いた台湾を除いた国々の探索者が殺到。そして、国連部隊による入場規制が入るまでその儚き命を散らしたらしい。1階でユニコーンクラスのモンスターが出たと言うので各界隈も大騒動である。ちなみに、生配信では6本腕の巨人が出たと言う情報もある、こっわ・・・
「まあ、トオル君は事務所開いたら色々頼られるのは間違いないわね」
「うんうん」
「解せぬ・・・」
溜め息ついた自分をアキラと春奈さんが見て笑う。そして、タイミングよく、喫茶室の人が卒業サービスと言う事でくれたデザートで舌鼓を打つのだった。これで、自分も社会の一部になるのかあと思いつつ、高校最後の日を過ごすのだった。
高校生活最後の日でいよいよ、社会人ですよと言うお話。




