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プロローグ  唐突に舞い降りた現実、もしくはダンジョン

「な?言った通りだったろ?」


「ホント、お前について行かなかったら地獄だったよ」


2001年、とある場所に居る自分達の横を通過した地獄に、自分の言う事は正しかったのだと頷く親友と、この地獄の後で地獄のような事が起きるんだろうなと嘆息する自分が居る。さて、事情を話すとしよう、事の起こりは2年前。今が18歳だから、16歳の頃、すなわち、1999年7月、あのノストラダムスの大予言の日。自分、桐谷きりたに とおるは人類最後の日だろうが何だろうがいつものように朝を過ごす・・・はずだった。


『は?』


おそらく、父、母、妹、自分は異口同音ではあるが、朝食を食べようとした態勢のまま、同じように箸を落とし、同じセリフを吐いた。そして、ニューステロップを見て呆然とした動作まで同じだった。何故?ってそりゃあ・・・・・・


『緊急速報 世界にダンジョン出現について』


小説、特にライトノベルとかでしか見た事ないような文字がどのチャンネルに回してもデーンと載っていればそうなる。その後、自分と妹は学校から、父と母は職場、会社からの連絡網でその日、土曜日は休みになったというのは良い思い出である。勿論、月曜日からは学校があった訳だが・・・・・・自分は夏休みが目前に迫りつつある土曜日に出たこの告知が危険と感じた。そして、こういう嫌な予感は得てして当たるものである。




で、ダンジョン出現の速報から更に時が過ぎて、夏休みが目前まで迫った日に世間はどうなったかと言うと・・・


「ねえ、聞いた?」


「聞いた、聞いた!探索者登録だって、する?しちゃう?」


「俺、すでに登録しに行っちゃったもんね、16になってたし!」


「俺も、俺も!」


まず、状況は聞けば分かる通りだ。政府は1999年代初頭から現れ始めたダンジョンを隠蔽してはいた。これは日本に限らず、各国に出現していた事で世界的な緘口令があったのもある。政府は極秘裏に自衛隊や在日米軍と連携し、事態の終息、またはダンジョン周辺の危険性の排除を行っていた。行ってはいたのだ。だが、悲しいかな、ダンジョンの量は日本はおろか世界の軍隊揃えても足りないほど超えていた。仕方なく、民間から協力者と言う事で探索者と言う職を新たに作る事になったと言う訳だ。16歳と言うのはあくまでダンジョン探索者見習いで表層しか行けないなど制約はあるにはあるが、まあ・・・16歳から見ればゲームのような世界に見えるのだろう、こうして周りは浮かれているのが現実だ。


「16歳以上にダンジョンを探索する資格を受ける権利を与える・・・か」


教室の自分の席、割と隅の方に座り、黙考する。父と母は好きなようになさいと言ってくれている。妹も16になり次第、資格試験を受けたいと言っている。まあ、そこは自分も反対しなかったが、ただ1つだけ条件を付けた。


「その条件の為にこれを受けなきゃダメなんだよなあ」


手にしたのは両親の許可が入った探索者希望届け出だ。すでに出してる奴も居たようだが、自分の名前をこの届出と自己責任書に書いて、学校から承認印を貰い、役所に出すのだ。その後、試験を経て、免許が後日発行される。即日発行される訳でない辺り、この辺は日本政府の最後の意地であろう。


「お?おはよ、トオル。お前もそれ受けるのか?」


「やあ、アキラ。あくまで、将来的な選択としてね。もう1つもあるけど」


「もう1つ?」


「妹が・・・・・・な?」


「お前のとこもか・・・」


あ~と言う感じで、近づいてきたのはクラスメイトであり、幼馴染の男の龍堂りゅうどう あきらだ。彼の手にも、同じ書類が握られている。おそらく、志願する理由は同じ。一応は、探索者は学生の間はアルバイトに近いので学校に承認印を貰わないといけないのだ。


「んじゃ、提出しに行くか。アキラ、安全と引き換えならリスクと時間を俺に預ける気ある?」


丁度良いので、自分の計画にコイツ巻き込むかと思い、提案する。


「そりゃ、お前の計画は安全第一だからうちの親も反対はしないだろうけど・・・・・・う~ん、乗った」


流石は幼稚園からの幼馴染。分かってらっしゃる。さて、先ずは職員室に行って、担任。状況によっては校長先生に色々説明しなきゃだな。こうして自分の【現代ダンジョン安全探索計画】はこの日を以て発動したのだった。


初めましての方は初めまして、お久しぶりの方はお久しぶりです。新連載です。まあ、そう言う物語です、はい。まあね、普通、ダンジョンが出たら、先ず危惧するべきなんですよね、危険性、ハイ。

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