#2_over clocker_β
「虹血」
ヒトの体に流れるエネルギーの1種であり、人間自身で使える唯一の使用用途は「超能力」。
人間の素の体力同様、睡眠や食事を取るなどして回復する。
また、ヒトの体から取り出す技術も既にあり、
取り出した後、超高圧で圧縮する事によって個体「固体化虹血」となる。
その時、この固体が極彩色に見える事から、虹色の血液、虹血と呼ばれるようになった。
そして、固体化した虹血の性質は…
「おっと、これ以上は今は関係無い話スっね。」
枕木さんが例の水鉄砲モドキを片付けながらブツブツと話をしていた。
少し難しい話だったので全ては頭に入らなかったけどなんとなくは理解出来たが。
そして、自分が打った的はというと、
なんと誤差なく、中央の点1つに当たった痕跡があった。
自分がど真ん中当てられた事にも驚きだったがもう1つ。
"あの機械の体"に穴を開けるほど強力な光の直線だったのに今回はと言うと、少し焦げ目が着いただけだっのだ。
昨日は鋼鉄に風穴を開けた光が今日はただの木の板に止められた。
そんな事に驚いたが…
「これが私の能力、硬度操作ッス!」
そう、この現象の正体は枕木四日の"能力"であった。
触れた物体を一定時間、鋼よりも硬くする事ができ、また、スライムのように柔らかくする事もできる能力。だが、
そこで枕木がその木の板、的を持ち上げた時
その数cmの板はパキッと真っ二つに割れてしまった。
この能力には1つ問題がある
全ての物質は硬度=強度という訳では無い。
能力で操作するのはあくまで硬度だけであり、強度は全く変わらない。
ゲームで例えるなら、硬度=防御力、強度=体力
と言ったら分かりやすいだろう。
結果的には物は壊れにくくなるが。
その為この的は傷1つ無く、謎の光の焦げ目のみ付き、断面はツルツルとしていて、木のようなザラザラとしたものでは無かった。
「なるほど…多分これは"虹血そのものをそのまま放出する能力"ですねぇ…」
的に着いた痕跡はたった1つの焦げ跡のみ。それだけでその単純な答えを出してしまった枕木さんは早とちりになるのか。自分も答えは分からないのでなんとも言えないが。
その後は、心電図検査のようなパッドを体に張るようなもので検査をしたが、枕木さんの口から出た結論は同じものだった。
早とちりでは無かったという事だろう
昨日疑問が出て今日答えが出る
そういう複雑な気持ちを抱きながらもその事実を受け取った。
自分が記憶喪失だったり、謎の猫耳がついていたり超能力を持っていたり。
やはり自分は何者なのだろうか…
午前11時
検査が終わり、霧ちゃん達との街案内の約束
その待ち合わせ場所である学園の校門前に来ていた。
休日なのかここに来るまで人には全く会わず、学校に自分以外居ないという不思議な感覚を味わっていた。
その校門前から見る街の景色はごく普通のものだった
記憶喪失…だが昨日の校内のようにこの景色が普通の、町のだと分かる。
周りには民家やコンビニ、コインパーキング等がある。昨日目覚めた場所のような、荒廃した雰囲気は何一つ無い。
駐車場、また道路には車は見当たらないが、一昨日の蒼井先生の物で車が存在している事は分かっている。
こんな世界だがそのくらいの技術力はまだ残っているのだろう。
突然 どんっ と体当たりの様なものを後ろから食らった。
幸い食らった所で自分は転倒はしなかったが、
後ろからぶつかってきた正体、その女の子は倒れていた。
「いてて…あっごめんなさい!じゃ。じゃあ!」
そう起き上がり、謝りの礼をぺこぺこと何回かすると、すぐにどこかへ言ってしまった。
すぐに行ってしまったので、容姿はあまり確認出来なかったが、自分と同じくらいの身長で制服では無く私服の、帽子を被っていたので顔も見えなかったが、暗い、夜空のような色の髪。
大人には見えなかったのでここの生徒だろう。
ところで、待ち合わせの時間を細かくは決められていなかった。
検査が終わり次第、と言ってここに来て10分程経つ。
いつ霧ちゃん達が来るのか、それは分かるはずも無いが、
その時来た。
丁度いいタイミングでその少女、その少女達は来た。
校門前で合流した後は「時間があまりないから」と言ってすぐに歩き出してしまった。
集合したメンバーは全員"A組"の皆であった。
この学園は少々特殊であり、人が少ないせいか、学年というものが無い。組み分けのみであり、15~18の歳のくらいの、一般的にいう高校生の代が集められる学校である。小学校や中学校は別にあるらしい。
1、2、3、4組が普通科。あくまで"普通"の勉強をする科目である。
そして、A、B、C、Dのクラスが"主に戦闘を担当する"特別科。
それぞれ人クラス10数人程度。
特別科でも多少は普通科と同じ勉強をするが、主な内容は戦闘、そしてその訓練に当たる。
さて、街案内だがその最初の目的地は…
「彩奈ちゃん、まず初めに行く場所だけど…この近くに新しくカフェがオープンしたの!でも人気で12時過ぎるとすっごい混んじゃうから、早めに行こう!」
だ、そうだ。
霧ちゃんは凄く元気のいい声で、いきなり大きな声を出されるものだから少しびっくりしてしまった。
そんな所で街案内は始まった。
立ち話もあれ、との事なので歩きながら自己紹介をしあいだした。
まずは霧ちゃんから。
言わずもがな一応は自分が"今"1番親しい仲の子である。
明るく元気な子でどんな事にも積極的な、なんというか…良い人だ。
家族の祖父が神社の神主らしく、近いうちに祭りがあるらしい。
今日の早朝からその準備を手伝っていたそうだ。
そして、初対面の2人
どちらも気軽に接しやすく、話しやすそうな人柄の人物であった。
片方は「天飛夏弥」
年齢は17、紺色の髪でその見た目はというと
男性アイドルグループにでもいそうな、やや身長が高めの、かなり良い外見の持ち主であった。
だがそのクールな見た目とは真逆に、性格は熱血…という程でもないが、少しチャラい雰囲気もだしている人だった。
もう1人は「紅葉原麗奈」
薄いピンク色の髪にポニーテールが特徴の、性格は少しギャル…というものだろうか、色々と発言がそれっぽかったのだが。また、ギャルっぽい性格ではあったが、容姿、その服はかなり落ち着いた感じのものだった。
これらが、人は見かけによらない、という事なのだろうか
なんやかんや、2章2話です。
GW中に2話ぐらい投稿したいかなーと思ってたのですが、全然かけてませんでした。()
せめて10日に1回、月に3回は投稿できるようにしたいです。
さて、
青い髪のキャラだけ異様に出てきましたね(())
なんか分かりずらいですが許して下さい()
知り合いから指摘を貰ったのですが
所々の解説みたいなものですが、
あれはそのまま彩奈の心の中のつぶやき、またはもう一人の彩奈がその場面を見て説明してる、という感じで読んでみるとわかりやすいかも知れません。それかナレーションみたいな?
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ではでは