#2_over clocker_ρ
「ぐっ…………っ!」
その時一瞬体がふらっと倒れかけ、激しい酔いを感じた。
そのような仕組み、あるいは副作用か何かなのか
あまりにも気分が悪くなった為、思わず逆流しかけたがどうにか持ちこたえた。
そして、気づいた時にはそれは既に治っていた。
「よし、行ける…っ!」
体を立て直しながらゆっくりと扉を開く。
…
前方を確認するよりも先に、そう無意識的に逆側、背後に視線を変えていた。
真横でプロ選手が投げた野球ボールでも通ったかのような感覚。
ただ、そんなボールのような生易しいものでは無く、この暗がりの中でもはっきりと見えたそれは光の球体だった。
後方では車両に風穴が空く爆発が起き、先ほどまで視界を確認することができなかった場所は陽の光に照らされていた。
まさに神回避。それこそこの反応速度で避けられたのはやはり'これ'のおかげだろう。こんなにも早く役に立つとは。
さて、肝心の出どころだが…
「ッ!???」
思わず驚いてしまい、1歩、また1歩と後方に進んでしまっていた。
トラウマだろうか、神経を逆撫でする気色の悪い感触が全身を駆け巡る。
何を隠そう、目の先にいたのは学園の電気室にいた例のカニ型の機械兵なのだから。
だが、それでも迷わず。
あのような光線…いや球を連発できるとも考えにくい。行くなら今相手が次の行動に移る前に、…走り出す!
ゆっくりと流れる時の中で床を、壁をも蹴り走り、僅か数秒もしない内に敵の胴体。背後へと回り込む。
今度こそは転ばないように、そして勢い余って剣を投げ飛ばさないようにしっかりと足を踏み込み。
両手でその長剣を握りしめ、バットを振りかざすように。
「もらったっ!」
完璧な手立てであっただろう。そう誰もが確信していた。
ガゴン、と金属同士がぶつかる鈍い衝撃音。
その攻撃はいとも容易く鋼鉄の身体に弾かれたのだった。
っ…
訳が違う。誰か説明してくれ。そのような類の字面しか頭に浮かんでこなかった。
数日ぶりに食らった鋼鉄の腕の打撃攻撃。
あの時バールが吹っ飛んでいったように、今回も不運なことに持ち前の武器は飛んでいたのだ。
近くに落ちているなら拾えるだろう。だが今は訳が違う。
かろうじて剣身で受け止めた打撃は辺りに強力な衝撃波を発せさせ、またもや車両は風穴だらけ。
非常に速い速度で進む列車であるので強風が車内に渦巻いていた。
ついでにと言わんばかりに新品の制服も穴だらけ。
だがこれを着ていなければ今頃自分は肉の塊にでもなっていただろう。
絶体絶命。その一言に限る。武器は失われ、このタイミングで時間切れとなった腕時計はただのアクセサリーとなっていた。
更にだが衝撃波の音は凄まじかったようで何故か耳が4つもある自分は聴力を失っているようだった。
「考えろ考えろ。この状況を切り抜ける方法を!」
八方塞がり。だがそれでも周りの状況を確認する。
壁に大穴が空いている。全体が崩れかけているので天井が落ちてきそうである。
周りに置いてあるものは…ダンボール箱等で積み上げられ形成された荷物の山。それと機械兵。それくらいしか無い。
そこである違和感に気づいた。
さっきまで、というか元々存在するものだと思っていたのが見当たらない。
人がいないのだ。
こんばんは、川風です。
今月中には終われなかった;;
あと2話で終わる程度のはずなので3月中ですかね。
そしたらちょうど1年くらいか?
てことで、ではでは




