#2_over clocker_η
「身体能力が劣っている。ならそもそも、"ここ"へ入れるべきでは無い。とは思わないかい?」
今まで静かに会話を見守っていただけの蒼井先生が口を開き出した。
確かにどうであれ、身体に異常があったり、比べて弱いなど戦闘を行う上で不向きな事があれば、当然そんな所から遠ざけるであろう。
こんなに人口が以前より減っているとはいえ、人一人の権利は変わりない。なんならこの世の中、余計に強引でも人一人の命を大切にするのである。
その事を踏まえると自分のような人間は学園に入れるような資格は無いだろう。どんなに硬い意志であっても。
「だが君には"才能"がある。そうだろう?枕木君。」
そう先生が振ると枕木さんは冷静になって、
「そうッス。繭遠さんには最強ともいえる武器、その"能力"があるッス。根源元素ミシティアをそのまま放出する、今までにみた事も無いぶっ飛んだ能力ッス。」
鋼鉄の身体を撃ち抜いた光線、確かに強力なものに見えるが…才能?ぶっ飛んだ?自分にはそんな大した事は分からないが…やっぱり安心した。自分にも戦える力がある事に。
「奴らに対抗する強力な力になるッスし、なにより、私の研究が増えるのでこれから忙しくなッスよ~」
強力な力…そんな物まで持ってる自分が余計不思議に見えてきた。今現在、記憶を取り戻す事に関しては何も手を打っていない。
取り戻したい、と思うのが普通の考えだろう。
だが…この気持ちはなんだろうか…
"記憶を取り戻すのが怖い"
何故かそう感じるのである。理由を考えても出て来ない。ただ、謎の緊張感が身体中を駆け巡る。
「あ、繭遠さん、あとこれを…」
そう、枕木さんから"それ"を手渡された。
先の剣…いやブラストブレードに続いて何を渡されるのかと思ったが…
「これは…」
それは、ただの腕時計であった。
五つの校舎棟、三つもある運動用のグランドがあり、学生寮2つからなる神工学園。その敷地面積は言わずもがなかなりの物であり、それ相応に内部の広さもあるだろう。
だが、それだけでは無かった。
学園の地下。そこには学園を中心とする超巨大ジオフロント、言い換えればシェルターがあった。
東西南北、目の届かない程の長さまで伸びるの"街"は地上と変わらないものであった。それどころか地上よりも発展しているようにも見えた。特筆する部分は
「空…?」
青々とした水色の綺麗な空が奥まで続いていた。
リアルタイムで地上の空を投影する、その技術は計り知れないものだろう。
例えどんなに機械兵の侵略が続こうと、人類の技術の進歩は止まらない、という事だろう。
そんな学園の地下、文字通り天まで届く高さビルの中。
大きな扉がそこにはあった。
ゲームでしか見た事ないようなこの異様な地下の光景に、まるで別世界にでも来たような不思議な感覚と思いながらも、その扉の前に立った。
音もなく空いた鉄の板。
その中には先程教室で見た"皆"がいた。
薄暗い部屋には照明がなく、ただ中央にある円卓状の特大モニターが唯一明かりであり、辺りを優しく照らしていた。
その周りを囲うようにして、生徒達はじーっと静かにモニターを見つめていた。
そのモニターには地図が映っていた。ただの地図ではなく3D、ホログラムであり、地形が分かりやすく捉えられるようになっていた。
これを真剣に見つめているのは、恐らくここの地形を把握し記憶する為であろう。
「全員集まったようだね。これから作戦会議を始める」
奥の扉から出てきたのは先程別れたばかりの蒼井先生だった。
そして中央のホログラムマップが動き出し拡大。ある1箇所が大きくズームされた。
「今回の任務内容は列車護衛。港より運ばれる貨物列車の護衛だ。」
ズームされたのはとある路線であった。
この街から、港地区の街を結ぶ南北を横断する1本の道である
この二つの街の間の空間は現在、開拓が特に進められている地帯であり、先に物資輸送用の線路だけ引いた、との事らしい。
だが度々機械兵の目撃があり、まだまだ人の住める土地ではないというため、今回の事に至ったそうだ。
「中央と上下、3小隊に別れそれぞれのポイントで行動する。路線から西地点の危険区域からの防衛を主に、列車の移動地点の報告も任務の内容だ。」
初めての任務だ。初めての事はワクワクするという気持ちが弾む事であったりするだろう。
だが今はそれらではなく、ただ先の見えない展開に不安を感じるだけ。夜な夜な感じていた、あの感覚に。
だが今は多少安心している。今回の任務、The戦闘、のような危険で身の毛がよだつようなものではないようなで不安もそこまででは無かった。
「繭遠君は第二小隊に所属、北地点のポイントなら街の近くだから比較的安全だろう、後は祓宮君、任せたよ。」
隊、と分けても周りを見る限り先生を含めず自分を含め12人。四人一組の隊となるため三小隊。
よく考えてみれば教室の席を見た時に既に違和感を感じていたが、やはり人数が少ない気がする。
決してこの特殊なこの学園が、普通の学校のクラスと同等の人数になる訳でもないが、何か寂しい気持ちがする。
「了解です!先生!じゃあ行こうか、彩奈ちゃん」
そう言って自分含め、第二小隊の4人が一足早くその場を離れた。
他のメンバーはその後も先生と話を続けている様子だった。
何やら中央、北のポイントは危険地帯であり機械兵の拠点…巣とも呼ばれるような場所が付近に存在するらしい。
こんばんは、川風です
今回かなり短くて全然進んでいないのですが、これ以上投稿間隔空けるのはどうかと思いまして、
て感じです
…次回こそはしっかりと完成させたいです
ではでは




