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童話

魔女

作者: 村上有リ

神父さま

地獄がどんな所が知ってる?

私の知ってる地獄はね

とても気持いい所だよ

気持がよくて

悲しいの

女は笑いました

白い顔でベッドに寝ています

いろんな人の相手をしたんだよ

病気になって

裁判にかかったの

病気をうつした

魔女だからって

女は笑いました

弄ばれるために生まれてきたのかと思えるくらい

小さな体をしていました

私もうすぐ死んじゃうね

地獄行きだね

女は笑いました

男は言いました

地獄なんてないんだよ

天国もない

死んだらみんな

無に帰るんだ

女は少し驚きました

きいていた未来と違うからです

お前なんて人間は

初めからいなかったかのように

何もなくなるんだよ

痛みも忘れて

永遠に眠れる

ありがとう

女は少し笑いました

ありがとう神父さま

女はやがて死にました


男はたくさんの女をかくまって

最期を看取ってやりました

主よ

私を罰してください

男は魔女と通じた罪人として

破門され

処刑されました

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― 新着の感想 ―
[一言] 魔女狩りの時代を想定されて描かれているのなら 悲しいお話で、 でも少しだけ救いがあるお話ですね 魔女でもなんでもないのに 魔女とされて 苦しみの先に、 神にも救われることない そう言われて…
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