背筋を伸ばして毅然とした態度で過ごす
そんな事を思いながら歩いていると、目の前に見知った顔を見つけた為緊張しながらも話しかける事にする。
「ご、ごきげんよう。リリアナさん」
彼女リリアナは同じ公爵家の娘であり同い年とあって幼い頃からの顔見知り、所謂幼馴染というものであり、そして幼いこ頃からわたくしの一番の親友でもあった。
そんな彼女ならばという期待を胸にわたくしはリリアナへ挨拶をすると、リリアナと同様に周りに集まっていた貴族令嬢達も一斉にわたくしの方へと顔を向けてくる。
昨日までは、わたくしはあの集団の中心にいたいたのだけれども、彼女達はわたくしを一瞬だけわたくしを見た後不機嫌な表情を隠す素振りもせずそのまま挨拶を誰一人返す事もせずこの場を離れていく。
そして気が付くとわたくし一人だけがぽつんと立ち尽くしていた。
しかしながらそんな事等予め予期してた事であるとわたくしは泣きそうになる自分にかぶりを振って、悲しいという感情を霧散させる。
「この様な事で傷ついていたらキリがないですわ。早くこの状況に慣れてしまわないといけませんわね」
そう口にする事によりわたくしは決意を新たに刻み込むと歩き始める。
そしてわたくしは教室に着くと指定されているわたくしの席へと向かい座る。
予想ではわたくしのロッカーや机などに悪質な悪戯をされているのでは?と身構えていたのですけれども、そんな想像していた最悪の事態は無くて少しだけホットしてしまう。
しかしながら周囲の反応は昨日とは全く違い、挨拶の時同様に皆わたくしから離れてリリアナを中心に集まり話に花を咲かせていた。
まるでこの世界でわたくしだけが居なくなったような、そんな感覚に陥ってしまう。
こんな事であるのならばむしろ悪戯をされた方が『わたくしという存在』を見てくれている分だけマシなのかもしれないし、悪意を向けられた方がむしろキツイのかもしれない。
しかしながらどちらの方がキツイ等どうでも良く、今わたくしの心が悲鳴を上げている事には変わりない。
でもそれがどうだというのだ。
わたくしは爵位は公爵である由緒正しいランゲージ家の娘なのだ。
この程度の逆境などランゲージ家の名前に更に汚点が付く事と比べれば全然マシである。
そしてわたくしはこのわたくしを取り巻く環境に負けじと背筋を伸ばして毅然とした態度で過ごすのであった。
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時間は流れ、無視されるといったこと以外は至って平和に学業に努める事ができた。
そして今現在の時刻は十二時、お昼時である。
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