書物のタイトルには『魔王召喚』と書かれていた
「お前は俺をっ!王族を騙したなっ!」
しかし、そんな事などどうでもいいとばかりにカイザル殿下が血相を変えて私に怒鳴り散らして来る。
今まで優しかったカイザル殿下は悪魔に取り憑かれてしまったかの様にまるで別人の様だ。
「違いますっ!騙してなどいませんっ!光魔術も扱える事は真実ですし、ワイバーンと契約出来ているのは本当ですっ!」
「そんなどうでもいい言い訳など聞きたくもないわっ!お前がこの俺を騙さなければシャルロットととの婚約も破棄しなかったっ!父上を怒らす事も無かったし王位継承権も弟如きに奪われる事はなかったっ!今父上はランゲージ家へ向かい謝罪の後に弟をシャルロットの婚約者へと紹介すると言っているのだぞっ!!」
全てそっちが勝手に聖女だと祭り上げて、そっちが勝手に婚約者として迎え入れ、そっちが勝手にシャルロットとの婚約を破棄したのではないか。
しかもあの様な形で。
私は何も悪くない。
悪いのは全てカイザル殿下ではないか。
それなのになぜ今私はこんなにも言われなければならないのか。
「………うるさい」
「あ?今お前、この俺に向かってなんて言った?嘘つきのお前がよう」
「うるさいと言ったのよ。聞こえなかったのなら医者にでもその使えない耳を見てもらった方が良いんじゃないの?」
「貴様ぁあぁ……………ぁあ?ちょ、やめっ」
そして私はただただうるさいだけのカイザル殿下の目の前にワイバーンを召喚する。
私が召喚したワイバーンを見て腰を抜かして地面へと崩れ落ちるカイザル殿下なのだが知った事か。
「何?カイザル殿下。カイザル殿下が言うには私はカイザル殿下の事を騙したんですよね?」
「そ、そそそそ、そうだっ!」
「じゃぁこの、いま召喚したワイバーンも嘘なのでしょう?私には本物にしか見えないんですけど嘘なら別に噛まれても問題ないですよね?」
私はワイバーンにカイザル殿下を噛むフリをさせたのだが、カイザル殿下は途中で気を失い、股間には黄色い水が広がり始めていた。
その光景を見て私は納得する。
王族であろうと公爵家であろうと人間には変わりないのだと言う事を。
なのにコイツらは平民だと言うだけで偉そうに見下していたのかと思うと悔しくて堪らない。
せめてあのいけ好かないシャルロットに、私から全てを奪って行ったあの女だけでも見返してやりたい。
そして私は気絶しているカイザル殿下を放置して学園にある書物を漁って行く。
すると一冊の書物が私の目の前に落ちてきた。
書物のタイトルには『魔王召喚』と書かれていた。
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