青く煌き始める魔法陣に、漏れ出す魔力
言いたい事だけ一方的に言うとカイザル殿下と聖女メアリーはわたくしから離れ、召喚術の担当講師の元へ去って行く。
そもそも聖女メアリーの契約している生物は確かにドラゴンではあるもののワイバーンと言えば良いのにと思うとそれを口にするとまた面倒臭い事になるので最後まで我慢できたわたくしを誰か褒めて欲しい。
「では、早速皆さんの契約した生物を順番に召喚していきましょう、と言いたいところではありますが今日は何と、あの聖女メアリーさんが来てくれてます。まずは皆様のお手本として召喚の実演をして頂きましょう」
講師がそう言うと、周りから歓声に上がり聖女メアリーが前へ出ると可愛らしくペコリとお辞儀をする。
そして何故かカイザル殿下はまるで自分の事のように誇らしげにしていた。
「では、聖女メアリーさん、お願いします」
「分かりました。では、行きます」
聖女メアリーは講師から召喚する様に促され、点高くに召喚術式の魔法陣を展開させて行く。
青く煌き始める魔法陣に、漏れ出す魔力。
その眩い程の輝きと魔力の濃度に今から召喚される生物が桁外れな存在であると言うのを告げている。
そして純白のワイバーンが召喚され、ホバリングした後舞い降りてくると、頭を聖女メアリーに撫でられてご機嫌そうに喉を鳴らしている姿が見える。
その雄々しいくも神々しいささえあるワイバーンをカイザル殿下が目を輝かせながら眺めていた。
「流石聖女メアリー。パーフェクトでした。そしていつ見ても美しいワイバーンですね。間違いなく歴代最高峰、歴代最強の召喚生物として何十年、何百年と魔術学園、いや王国で語り継がれて行く事でしょう」
「先生、褒めても何も出ませんよっ。ですが、それに恥じない様にこれからも精進して頑張って行きたいと思います」
そして、聖女メアリーの召喚が終わるといよいよわたくし達の番である。
聖女メアリーに続けとばかりに契約してきた様々な生物を皆召喚していき、気がつけばまだ召喚していない者はわたくしだけとなっていた。
因みにカイザル殿下は少しだけ大きな蜥蜴を召喚してレッサードラゴンと言い張っていた姿は流石に滑稽であった。
「では最後にシャルロットさん、お願いします」
「無理なら無理で良いんですよ?」
「最後に笑いのオチをつけるとは。恥ずかしいなら恥ずかしいと素直に言えないのか?」
何か聖女メアリーやカイザル殿下がわたくしに何か言っていたのだが、もうわたくしの耳には何も届かない。
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