心の中で『ざまーみろっ!』と思う
「では、もうわたくしは用がない様ですので失礼致しますわね、それではご機嫌様。聖女メアリー様にカイザル殿下様」
これ以上この場にいれば頭がおかしくなってしまいそうだと思ったわたくしはキリがいい所ですかさず割り込んで言葉を発し、この場から離れる事を告げるのだが、それを聞いたカイザル殿下の顔がみるみる真っ赤になっていくと怒りの表情へと変わっていくのが見て取れる。
「あっ、おいっ!!話はまだ終わってないぞっ!それに聖女メアリーが一緒に食事をしたいと言っているにも関わらずそれを拒否するとは何事だっ!?シャルロットっ!聖女メアリーであり我が婚約者となるものの誘いを無下にした事は我が父上であるヘルカイ国王陛下へ告げ口させて貰うからなっ!」
「カイザル殿下、私は大丈夫ですわ。きっとまだカイザル殿下に婚約破棄された事が受け入れられないのでしょう。何と言ってもカイザル殿下はとても魅力的な異性ですもの。今回の事は悲しくはありますが諦めます。それにまた誘えば良いだけですしね」
「何て健気で優しい娘なんだっ!!聖女メアリーはっ!しかしそうだな。この俺が魅力的過ぎるのも関係しているとあれば今回はお咎めなしにしてやろうか。聖女メアリーに感謝するんだなっ!」
「流石カイザル殿下ですわ。婚約破棄され元婚約者という身となり最早カイザル殿下にとって関係の無い者にまでお慈悲を与えるなんてっ!」
そしてわたくしは未だに自分達の世界に入り浸る二人を無視してその場を離れるのであった。
◆
あれからわたくしは魔術学園の図書室へ行き召喚魔術の事が書かれている書物を入門編から上級者向けまでその全てを借りて行く。
公爵家の娘であるわたくし一人で何冊もの書物を抱えて歩くわたくしの姿を見て周りの男性生徒達が手伝うべきか手伝わないべきか、貴族のルールか今現在触れては行けない人という考えとの間でどうすれば良いのかとオロオロしている姿がなんとも滑稽に見えてほんの少しだけ心の中で『ざまーみろっ!』と思う。
「シャルロットお嬢様っ!危のう御座いますっ!」
そしてこのまま外に出て馬車へと向かおうとしたその時、遠くの方からわたくしの姿を見つけたのであろうセバスが叫びながらやってくると抱えていた書物をひょいっと軽々待つではないか。
「こういう場合は事前に私へ報告してくださいっ、手伝いますのでっ!これで何かあった場合私は自分で自分が許せそうに無いくらい後悔してしまいますからっ!」
誤字脱字報告ありがとうございますっ!
ブックマークありがとうございますっ!
評価ありがとうございますっ!
こちらの作品がカクヨムコン6恋愛ランキング週間6位となりました。
新しく書き始めました作品も二日で23位と非常にいい感じでございます。
やったー\(^o^)/ありがとうございますっ!




