表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
婚約破棄された悪役令嬢、使い魔を召喚したら魔王様でした  作者: Crosis


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/99

噛ませ犬の役の方が全然マシ

「そんなっ酷いですっ!私はシャルロットさんとお友達になりたいと思っていただけなのにっ!」

「ふん、それが貴様の悪い所だと何故分からない?そんなんだから貴様はこの俺に捨てられたのだと何故分からない?まぁ、婚約破棄をされた翌日から何事も無かったかの如くこの魔術学園に登校している程、人の痛みや気持ちには無関心だったという事なのだろう。だからお前は婚約破棄をされても平気なんだよ。普通であれば自分が至らない所があるからこそ婚約破棄されたのならばそこを直して婚約破棄されたこの俺にもう一度認めて貰おうと努力するのが当たり前なのではないのか?そんな事すら分からないから聖女メアリーの優しさにも気付けずにいるのだろう。このクズが」

「カイザル殿下、良いのです。悪いのはシャルロットさんの気持ちを慮る事が出来なかった私が悪いのですから。しかし、私の為にこうして怒ってくださるカイザル殿下も、そして婚約破棄をしたお相手であってもその過ちを指摘してカイザル殿下も、私は大好きですっ!」


わたくしは一体何を見せられているのだろう?


ただ、目の前の聖女メアリーとカイザル殿下が二人の世界に入り浸る為にわたくしを利用している事は理解出来た。


結局、この者達にとってわたくしという存在は二人の世界へと更に浸れる為のスパイスであってそれ以上でもそれ以下でも無い。


つまるところわたくしの気持ち等どうだって良いのだ。


わたくしが今の環境で自分の感情とは関係なく勝手に涙が急に出てきそうな程のストレスを感じている事も、悲しみで押し潰されそうになっている事も、お友達だと思っていたもの達は全てわたくしではなく公爵の娘だから使えそうだからと側にいただけであったと知り虚無感に襲われた事も、どれもこれもこの者達にはどうだって良いのだ。


むしろわたくしがこの者達の世界観にとっては悪役を演じる令嬢という方が都合の良いのだ。


悪役令嬢(ヒール役)がいれば、そしてその悪役令嬢(ヒール役)が目立てば目立つ程彼らの中の善だと思っている感情が輝くのだ。


だからこそ、この者達にとってわたくしの価値観が真っ当だとしてしまうと、ごく普通の娘だとしてしまうと世界がひっくり返ってしまい自分達が悪役になりかねない為この様に周囲には慈善活動よろしく悪い娘とそれに挫けず手を差し伸べようとする聖女メアリーにカイザル殿下というポーズを取っているのだ。


しかも本人達は気付いておらず、本気でそう思っている所がたちが悪い。


そんな事ならばまだ噛ませ犬の役の方が全然マシだと言えよう。

ブックマークありがとうございますっ!

評価ありがとうございますっ!

誤字脱字報告ありがとうございますっ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ