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麻雀千夜一夜〜氷の男・N〜

作者: 山高義浩

Nちゃんを

紹介しましょう。


初めて打った時の

強烈なインパクトが

忘れられない。


Nちゃんは

半荘4回しか

打たない。


勝ち負け

関係なしに

4回である。


麻雀は

熱くなる

ゲームの王様。


最初は

軽く2〜3時間と

思っても、

気が付けば

雀が鳴きだす始末。


でも

Nちゃんは

熱くならない。


私とは

別世界の

雀士である。


初めて打った時が

何故忘れられないかというと


バラン、

バランの

捨て牌で

Nちゃんが

リーチときた。


初対面だし

相手の雀力を計ろうか…


私が

2枚切れの


 「北」


を打ったら


「ロン」


ん?


七対子か?


Nちゃんが

手牌を倒した。


なんと!


なんと!


国士無双!


東1局で

ドボン!


全身の血が

逆流した…


(私、

後にも先にも

リーチ国士無双に

打ったのはこれだけです)


さすがに

この時ばかりは

顔面を2,3回引っ叩き、


落ち着きを

取り戻すのに

煙草を2,3本

一気に吸った

記憶があります。


ところがですね、


アガッタ

Nちゃんは

無表情なんですな。


直ぐに

サイコロを

振って

次のゲームへ…


これがまた

何とも言えない

不気味さを醸し出す。


容量が計れない…


普通、

役満アガッたら

興奮するでしょ!


普通は…


でも

Nちゃんは

何事も

無かった様に

サイコロを振る。


私も

心の整理が

つかないまま次局へ…


勝負事は

ポーカーフェースが

有利と巷で

よく言われますが


Nちゃんは

一流の勝負師ですな。


これ、

本当…


そんな、

麻雀では

氷の男Nちゃんも

プライベートは

唯の男に成り下がる。


国士無双の

一件以来、

よく麻雀談義で

一緒に飲みに行き

語り合いました。


まぁ大体、

月に2,3回の

ペースが

週に2,3回に

なったんです。


答えは簡単。


Nちゃん、

よく行く

スナックの

女の子に

惚れてしまったw


「Nちゃん、

S美ちゃんのこと

好きやろ?」


「何言ってるんですか?

そんなことないですよ」


「アホ言え、

見てたら分かるわ。

今度ご飯誘ったら?」


「だから、

全然そんな気

ないですから・・」


でも

S美ちゃんの前で

唄うのはラブソングばかり・・


分かり易すぎるw


「なぁ、

やっぱり

好きなんやろ。

ご飯誘えって!」


「だから、

全然そんな気

ないですから…」


で、


また


ラブソングの


オンパレードw


このときの

Nちゃんは

氷の男を

かけらも

感じさせない

純な一人の

男であった。


此処だ!


国士無双の

仕返しは

此処だ!


「おっ、

S美ちゃん

Nちゃんの

顔ばかり

見てるで~w」


「さっき

Nちゃんが

トイレ行ってる時に

格好いいいって

誉めとったでw」


「好きな

食べ物は

お寿司やって…」


S美ちゃんの

話題をすれば

アイスマンの顔が

赤くなったり

青くなったり…


ヒャッハッハッ!


愉快、愉快w


でも

国士無双を

無表情で

アガッた

Nちゃんが

悪いのだ。


坊主憎けりゃ

袈裟まで憎い。


うん、

こんなときに

使うのかw


で、

この恋の結末は

突然訪れました。


Nちゃん、

思い切って

S美ちゃんを

食事に誘った。


勿論、


お寿司屋さんである。


その後

S美ちゃんに

言われた一言、


「Nちゃんと

ご飯食べに行っても

全然面白くない!」


「全然喋らへんし、

無表情やもん。

気持ち悪い!」


どうだ!


Nちゃん!


分かるか!


全身の血が

逆流したときの気分w


氷の男Nちゃんと

初めて朝まで

飲んだ日の物語…


メデタシ、メデタシw

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