開示する嘘と詐欺師
詐欺師がいた。
人を騙して西へ東へ、
老若男女一切合切問わず、彼は騙し続けた。
あるものには壺を売り、
またあるものには貯金と称し、
またあるものからは土地の権利書まで奪った。
最近になって捕まった強盗の男は取り調べでこう言った。
あいつは俺を知ってるが俺はあいつを知らない。
手紙を一度寄こしてきた事がある。
まだ俺が連続強盗で捕まってない時の話だ。
奴は俺の犯行を知ってると、顔写真付きで手紙を送ってきた。
そして仲間になれと抜かしてきた。
そうすれば捕まることは無いと。
で、受けたのか?と人が聞くと
いやぁ受けるわけがない、詐欺師の言うことは聞いちゃァいけんわ。といった
まぁそうだな。しかしお前はその話を受けようと受けまいと捕まっていたがな。
刑事はニヤリと笑った。
詐欺師は未だ捕まっていない。