第20主義「六つの旗と選択」
「やったぜー!」
「うむ、それに楽勝であったな」
アッハッハッと笑いながら俺達はクラス席へ移動中である。
つまり、リレーで一位を取り笑顔での凱旋だ。
期待通りながら、圧倒的な力を誇った精鋭達は皆誇らしい顔をしている。
「俺、モテモテになっちまいそうだぜ」
いや、心太だけはニヤケタ顔をしているが…。
「ハッハッハッ、それで性格がもう少しマシならばな」
「んだと翔!!!」
「ほれ、冷静になれ女子が注目しているぞ〜」
「え、マジカ!?」
心太は、いきなり背筋をビシッと正し、表情を固め、軍隊風に行進し始めた。
しかし心太は、どんな表情をしていても滑稽に見えるから不思議なものである。
「一位取ってきたぜー!」
クラスに戻りすぐ心太が叫んだ。
褒めて欲しいのだろうか?
「あっそ」
「それは、良かったですね」
「ふ〜ん」
「だから?」
冷たく返す我がクラスメート達。
………な、何ゆえ?、いや俺は褒めて欲しかったわけじゃないが流石にこれは寂しいぞ!
「翔ー、心太ー、お疲れ様」
声を掛けてきてくれたのは、我が親友である。
凛……お前だけだぞ労を労ってくれたのは!
「ちょい白瀬ー、何か周りが異常に冷じゃないKA!」
「ん?それは当たり前だよ」
「なんでだYO!」
「だって一位取るのが当然だからじゃないのかな?」
「いや、それでもさ………」
「んー、皆、正直者なんだろうね、僕みたいに社交辞令とか使わないみたいだし」
凛は心太に現実をつきつけた。
我が親友は正直に答えてるつもりだろうが、凛の言葉は地味にきついな!
……って、というか凛!
最初に掛けてくれた言葉は社交辞令だったのかよ!!!
「うあああああ、誰か俺を褒めてくれYO!!!」
とうとう心太は発狂しだした。
気持ちは分かるが落ち着け心太、周りの人がひいているぞ!
「そんなことより、そろそろ僕達も旗取り合戦の召集場所いこうよ」
我が親友は、心太を完全にスルーしたな……。
まぁ、俺も発狂している馬鹿と同類にされたくないしスルーしとくか
「そうだな、じゃ行くか凛よ」
「うん、行こう行こうー」
「うわああああ、待ってくれYO!俺を置いていくなYO!」
校庭には、赤、青、黄、緑、白、黒、の六色の旗が風を受けてなびいている。
そして、その旗は校庭を正六角形を描くような形で配置され、
その旗の下には、色事の1〜3年の代表選手が集まっていた。
我が赤色の旗の下に集まった戦士は
【松葉翔、白瀬凛、進藤心太、委員長、長谷川先輩、とその他の2年や3年の先輩方】
この戦士達により、【国一高校第30回体育祭】の最後の競技が行われるわけである。
「皆さん、生意気かと思いますが私の話を聞いてください」
委員長の声だ。
確かに、2年や3年の先輩がいる中で、1年の委員長が話すのは少し生意気に聞こえるかも知れないが、
だが、ここに集まった戦士は本気で勝つ気であり、くだらないプライドなど持ち出したりはしないだろう。
「委員長、大事な事であれば是非話しておいて欲しいものだ、続けてくれ」
2年の長谷川先輩が普通モードで続きを促した。
というか、先輩達も委員長を委員長って呼ぶのか、なんか意外だ!
いや、そんな事はどうでもよかったか………。
「はい、分かりました、旗取り合戦は最後の競技であり、
又、唯一の他学年混合競技で、配点がかなり大きい競技なのです、
しかしながら私達赤組は今までの所、他のクラスより大幅に得点を得ているので
ビリにさえならなければ優勝が確定されるポジションにあります」
委員長はスゥっと息を吸い込んでから話を続けた。
「で、ですが、ココで旗だけを守る事に徹すれば最初にリタイアする事は無いと思われます、
つまり優勝が確定します、皆さん、どういたしますか?」
・ この競技を守りだけに徹し優勝を確定するか
・ ……それとも、最後も真剣勝負で戦うか
この二点での選択か、……俺等は優勝しにきた。
だが、正直な所、俺は最後の競技も楽しみたい!
皆はどう思っているんだ?




