勇者と聖女量産の過程とその果て
量産型勇者および量産型聖女製造工房を抜けると再び研究室が並ぶ廊下に出る、と思ったら、どうやら資料室が間に位置していたようだ。
資料室にはわたしが背伸びしても手が届かないぐらい高い本棚が並べられていた。ただし機能性のみ考えて設計された無骨な造りの本棚は製本された書物ではなく紐が通された羊皮紙の束ばかりだ。日付と表題が記された背表紙が糊付けされていて整理整頓が行き届いているようだ。
イヴは本棚の縁を指で撫でる。わずかな埃だまりが指に付いたのを彼女は軽く息を吹きかけて飛ばした。それほど埃が溜まっていないので定期的に掃除や手入れがされているのだろう。
「随分と多くの記録を残しているのね」
「例え結果が失敗でも後で見返したら次行う研究の判断材料になるかもしれませんからね。こうして整理された情報は最大の武器になります」
「燃やしてやったらさぞ爽快でしょうけれど、丸ごと押収して帝国魔導協会に寄贈した方がいいのかしら?」
「貴重な研究内容は多くの魔導師が喉から手が出るほど欲しがると思いますよ」
何せここは西方諸国から湯水のごとく資金を募って研究に励んできたのだ。経済面で探求を断念した魔導師は数知れずいるぐらいなんだし。更にはその成果は光の担い手の量産なのだから、公開されれば我先へと群がってくるとは想像に難くない。
工房と研究室を結ぶ通路に面した列には書類が所狭しと並べられていたけれど、列を一つ移すと箱詰めや瓶詰めされた資料も保管されているようだ。どの資料も腐敗しておらず入れたままの鮮度を保っているようなので、腕のいい技術者が在籍しているのだろう。
「……目が良すぎるのも考え物ですわね。おぞましい」
「魔導をもって生命を探求する魔導生物学は確かに嫌悪感を抱かれる人も少なくないですね」
プリシラは気分を悪くしたようで吐き捨てつつも口元を押さえている。わたしは棚に自然と目を滑らせていくけれど、他の魔導師が食いつくだろう資料もわたしからすれば専門外でしかない。魔導の歴史に刻まれるべき偉業も所詮無用の長物のようだ。
そんな中、容器の中に浸かった一つの資料が目に付いた。そしてわたしはそれに目をくぎ付けにされてしまった。無言で立ち止まってしまったわたしを怪訝な顔をさせながらイヴが覗き込み、そしてわたしの視線の先を見つめ、僅かに眉をひそめた。
「……へえ、こんなのまで残しているなんてね」
容器に入れられていたのは肉塊だった。それも人の形に成り損ねた物体だ。資料の陳列はこの部屋の奥に続いているようで、吐き気を催す光景に思わず目の前が真っ白になってしまう。チラが心配になり思わず振り返ると、プリシラが顔を青ざめさせながらチラの目元を手で覆おうとして、彼女がその手を阻む様子が目に飛び込んできた。
「見てはなりませんチラ様……! ここには……罪深き人の業が蠢いておりますわ」
「そ……それでも私は受け止めなきゃあ駄目なんです……っ」
チラは気丈に振る舞うものの身体をわずかに震わせていて、プリシラへと身体を寄せていた。
分かってはいた事だ。あれほど完成度の高い勇者や聖女の複製がある日突然完成となった筈がない。わたし達は今までただ最終結果を見せつけられていただけに過ぎない。過程で踏んだだろう無数の失敗が今このように資料として保管されているのだろう。
バラクはエヴァを先行試作型と称していた。彼の口ぶりからしてチラもおそらく似たような境遇と思われる。言うなればこれらはチラが巡るかもしれなかった成れの果てであり、これらの積み重ねが彼女の誕生をもたらした事となる。その現実に彼女は意を決して向き合っているのだろう。
よく観察するとどうやら容器には番号が記されているようで、数を重ねていくごとに肉塊は人の形へと近づいていく。神は己の像と肖で人を創ったとは教典の最初の方にも記されているけれど、これではまるで神の御業の再現を試みているような気がしてならない。
そしてさらに奥に進み、わたし達は彼女達と遭遇した。
「ひ、ぃ……っ!!?」
「な……何ですの、これは……!?」
声にもならない悲鳴を上げたのはわたしだったかチラだったか。口に手を当てて体が自然と後ろに下がろうとした所でイヴにぶつかってしまった。イヴは何の遠慮も無く彼女達へと近寄っていき、両手で横たわる彼女達の一人に触れた。
「生きている……と言うよりまだ生かされているわね」
彼女達はエヴァとチラ……いや、量産型勇者と聖女達だった。決定的に違うのはまだどこかしらの部位が人型となっていなかったり、決して一人では生きていけない程衰弱している点だろうか。
そんな彼女達は口を始め全身に管を通された状態で生命活動を続けさせられていた。中には肌も露出しないぐらいベッドに完全に固定された者もいるようだ。大小様々ではあるけれど、誰もが例外なく苦しみが混じるうめき声をあげている。
彼女達は……いわば完成前の最終段階か。生かされているのはその方が追加の実験がしやすいからか? それともまだ情報を取りきれていないからか? 魔導師として理屈では理解できるけれど、人としてこの光景には憤りしか覚えなかった。
「マリア、彼女達は治せる?」
「……無理です。子供を治療しても子供のままなのと同じで、彼女達を治しても彼女達のままでしょう。わたしには彼女達を直す技術は無い」
「私がやると人ではなくなってしまうし……。それなら私が罪を被ってでも安らかな眠りを与える他無いわね」
「イヴ、それは……!」
イヴが徐に背中の光の剣を抜き放とうとしてすぐにその手を止めた。チラが比較的人の形を保った量産型聖女の一人に近寄っていったからだ。チラはとめどなく涙をこぼしていたもののその瞳からは強い意志を感じ取れた。
チラは優しく彼女の骨と皮だけの痩せ細った手を握る。そんな彼女はチラへと視線を向けて何か言葉に出そうと口を動かすけれど、それは声にならずに空気だけが口から漏れるばかりだった。チラは静かに顔を横に振る。
「ごめんなさい。私では貴女方を治せません。私に出来るのは安らかな眠りを与えられるだけですぅ……」
「……――」
震えるチラの手を彼女は優しく両手で包み、か弱いながらも頷いてみせた。こちらからはその顔色は窺えなかったけれど、チラに決心させるには十分な想いが込められていたようだ。
チラは司祭杖を高く掲げると、淡く光を発して薄暗いこの部屋を明るく照らした。
「主よ、迷える子羊に安らかな眠りを与えたまえ」
淡い光は量産型聖女と勇者達を優しく包むようにして広がっていき、やがて彼女達のうめき声が収まってくる。痙攣させたり悶えさせていた身体も次第に落ち着いていく。苦痛を通り過ぎて感情を失わせた顔は安心したのか微笑みが戻っていく。
やがて彼女達のまぶたが閉じていき、二度と開かれる事は無かった。
それは呪いでの衰弱を起こす呪殺魔法や心の臓を停止させる即死魔法とは全く異なる効果だった。そして眠れるままに息を引き取らせる安楽死の技術ともまた違った。あえて観察したままを述べるなら、彼女達から生命活動を行う力が抜けていった、が適切だろうか。
きっと修道士達は苦しむ子が肉体の枷から解き放たれ、魂は神の下へと旅立っていった、と聖女の奇蹟を讃えるだろう。わたしはそれを証明する技能を全く持ち合わせていないが、それでも今回ばかりは彼女達に救いあれ、と願わずにはいられなかった。
この薄暗い空間しか知る世界の無かった彼女達に救いをもたらしたチラは腕を下ろすと俯いたまま全く動かなかった。わずかに震える肩をプリシラがそっと抱きかかえる。
「……申し訳ありませんチラ様。私共が不甲斐ないばかりに辛い選択をさせてしまいまして」
「彼女達は私です……私だったんです! 私がたまたま五体満足で主に光を授けられたからこうしているだけで、なのにわたしだけ今まで何も知らずに安穏と……!」
「主が貴女様へ彼女達とは別の運命を与えられたのは間違いございません。それを受け止め、前へと進む他ありませんわ」
「……神よ、私にこの試練を乗り越える強さをもたらしたまえ」
この奥にはもう何もない。バラク達の研究課程の記録が残された資料室はただ静かに彼らの悲願の過程を眠らせるだけとなった。
……それで終われば外道に手を染めるバラク達への憤りを改めて募らせる場面だったのだが、わたしは肝心な点を失念していた。バラク達の望む勇者と聖女が何たるかを。
チラが昇天させた子羊達は実験段階でチラやエヴァが成功例だが、それは前段階だ。今朝魔王軍の処理をさせるべく戦争に投入された者達が次の段階なのだろうが、さっきは城壁の上から遠目で見ていただけなのでその本質には全く触れられなかった。
「成程。これがエヴァ達の先、人類にとっての理想の勇者と聖女……か」
「なんて、ことを……」
資料室を出たわたし達の前に立ちはだかったのは先ほどの子羊達とは違って五体満足な身体で剣と杖を構える量産型勇者と聖女だった。既に遭遇した相手なので進路に立ち塞がるのは予測出来ていたけれど、彼女達の在り方は全く頭の中には無かった。
少なくとも先ほどチラが救った彼女達には苦しみや優しさがあった。けれど目の前の者達には一切の感情が欠落していた。その目はただ眼前の映像を処理するだけで、その手はただ物を持って動かすだけ、そしてその胸はただ呼吸と脈動等の生命活動の動力となる機能しか備えていないようだった。
「ただ魔を払い人を治す役割を果たすだけなら意思無き人形でも事足りる。そこに人の愛や情は不要、か。いかにもアイツらしい考えだと思わない?」
「彼らしいかはさておき、人の想いを不純物扱いするのは賛同出来ませんね」
きっとエヴァとチラで勇者と聖女の再現を果たしたから、次はその役割のみに特化させるべく調整を施したのだろう。これはもはや勇者や聖女などとは呼べない、その力を有するだけで合成獣や使い魔と何ら変わりない、ただの生物兵器でしかなかった。
もしかして魔導生命を研究するこの施設に西方諸国が資金援助をするのは勇者や聖女と言ったこれ以上無い兵器を手元に置きたいからか? それとも人類が神に選ばれし救世主ではなく単なる抑止力を望んでいるのか? だとしたら人とはわたしが思う以上に罪深いかもしれない……。
「念の為に聞くけれど、やっぱり彼らもマリアには治せないのよね?」
「そう創られてしまっては治しようがありません。感情と言う機能追加はわたしの腕では……」
「なら遠慮はいらないわね。邪魔をするなら切り伏せるまでよ」
イヴは光の剣を構え、立ち塞がる量産型勇者達へと飛び込んだ。
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「来た、か。思っていたより早かったものだ」
「良く言うわね。あんただってあの程度の連中で私達を排除出来るなんて思っていないでしょう」
「ははっ、違いないねえ」
結局のところ立ち塞がってきた量産型勇者と聖女の集団には苦戦しなかった。何せ実戦経験を積んでいない量産型勇者の実力は午前中でも十分に明らかになっている。数多くの死闘を繰り広げ、死の淵を潜り抜けてきたイヴの敵ではなかった。更にわたしやプリシラが援護するのだから、負ける要素なんて皆無だろう。
……結局、わたし達は立ちはだかった人造勇者と聖女の命を散らす形でしか救えなかったが。
投擲手バラクは研究所施設は資料室から更に奥の地下二階にいた。彼の研究室と思われる部屋を抜けた場所、広い空間の中央やや手前でわたし達を待ち受けていたかのように立っていた。
「それでどうだった? 自分と同じ顔をさせた者を切り伏せた感想を聞きたいものだねえ」
「アレを同じ容姿って言えるほど濁った眼をさせたアンタに所感を言ったって無駄でしょうよ」
「はっ成長過程での誤差はどうでもいい! すかしていた勇者とすましていた聖女なんて選ばれし者でも何でもない。私でも造れる存在に過ぎないと披露できただけでも十分だよ」
「それはそれは、お披露目が醜態……いえ、喜劇になってしまって残念ねえ」
この期に及んで無意味にも思える言葉の応酬の間もイヴはバラクとの間合いを詰めていく。イヴの罠も何も気にしない堂々とした歩みは頼もしいと思う反面わずかに心配の念を抱く。それでもわたし達は三人共彼女に続いてバラクへと近寄っていく。
そんな彼はわたし達へと身体を向けながらも背中に回した手で何か作業を行っているようだ。おそらくは彼の背後、この空間の中央に配置されている円柱が鍵を握っているんだろうけれど、分厚いカーテンで覆われていて中は見えなかった。
「アンタの目的って勇者と聖女を自分の手で造り上げる事?」
「マリアには言ったが私は人の境地が見たいのさ。勇者と聖女の精錬は必要な手段に過ぎないね」
「ふうん、じゃあ量産型勇者と聖女は単にアンタに投資した国への義理ってだけなのね」
「ああ、連中は私の崇高なる真意には気付いていないな。説明した所で理解も出来んだろうが」
生粋の魔導師たるバラクがイヴの接近をこうも許すのはどうも引っかかるな。護身程度の近接戦闘術は習得しているかもしれないけれどイヴに敵うとは到底思えないし。それにしては妙に落ち着いている。それどころか妙に上機嫌なようだった。今にも歌でも歌いだしそうなぐらいに。
魔導師が慢心で状況を把握出来ないのは良くある話だが、勇者一行として旅をしたバラクに限ってそれはあるまい。よほど円筒の容器に入った作品に自信があるのだろうか? けれど勇者や聖女は相手にならないと散々証明されているし。
そこでわたしはようやく気付いた。この広大な空間の中に何故その円柱しか無いのかに。この空間もまた円柱の形をしていて床一面には円柱を中心とした紋様が描かれているのだ。つまりこの空間自体が魔法陣で、中央の何かの精錬の為に設けられた設備だとしたら――。
「勇者と聖女を踏み台にして何を創造するつもりなんですか?」
「ふうん、じゃあつまらない質問をするが、人はどうやって生まれてきたのかな?」
「どんな意図での質問下で答えが変わりますけれど、神の手で創生の六日目に、とか如何です?」
「そう、人は神がその像に似せて創られた、とは経典にも記されているなあ。では神の肖像とは一体どんなものだ? 人は血を分けた親子ですら異なるのに」
そんなの答えられる者は誰一人としていないだろう。天使に会った者はいるかもしれない、神のお告げを聞いた者はいるかもしれない。けれど今を生きる人々は誰一人として神に会った事など無いとは断言していいだろう。でなければ今頃新たな救世主が生まれているだろうから。
「もはや神の子たる最初人から人類は細分化してしまっている。神の頂から離れていると言い換えてもいい。そんな俗物まみれの不条理な世界にも救いは残されている」
「そ、それが聖女や勇者って言いたいんですかぁ……?」
「神の奇蹟の片鱗をこの世界にもたらす勇者や聖女は今や神に最も近い、かつ身近な存在だろう。何故楽園を追放された人類の中から神の遣いがなおも現れるのか、私はそれを人類の可能性だと解釈したのさ」
「成程、見えてきましたわよ。勇者と聖女を複製したのはその存在を解析する事で……」
バラクは口を三日月にして目を狂気で輝かせると、円柱にかかったカーテンを思いっきり引っ張った。
「そうさ。人が神に似せて創られたならその構造を解き明かせばその果てには見えてくるだろう、神の肖像が! 勇者と聖女が神への頂へと我らを導く!」
その円柱、円筒形の容器の中にいたのは幼い少女だった。固さは残るものの女としての性徴が始まっているぐらいの年だろうか。そんな彼女はイヴのように見え、チラのようにも見え、そしてそのどちらでもない風にも見えた。
途端、この空間全体が唸りをあげた。床一面に施された魔法陣が光を放ち、脈動するように中央へと光の強さが波打っている。
「お前が生きていたのは驚いたがこうなってはむしろ好都合だ。試させてもらうぞ勇者イヴ! この私が人類を革新へと導けるかどうかをな!」
半透明の液体に浸された少女が目を見開かれた。透き通るようで深い色を湛えたその瞳がわたし達を映すと、次には間で遮っていた容器が音を立てて粉々に砕け散る。液体と容器の破片が辺り一面に散乱する中、少女は素足でわたし達の方へと歩み寄ってくる。その足取りはおぼつかないけれどしっかりと二足歩行は出来ている。
そんな無垢な、しかし得体の知れない少女に向けてイヴは飛び込んだ。瞬く間に間合いを詰めると彼女は一切の容赦もなく光の剣で切りかかる。
「……!!?」
「えっ!?」
「嘘……!」
この場にいたわたし達三人は誰もが驚きの声をあげた。イヴすら驚愕を露わにしているようだ。
彼女の剣は少女の頭の上で止まっていた。正確には少女が発する光がイヴの剣を受け止めているようにしか見えなかった。弾いたのではなく、優しく抱くように、だ。
少女は徐に光の剣の刀身を手で掴むと、イヴの手からあっけなく剣が離された。そして次には少女は柄を手にかけ、イヴに向けて剣を一閃させる。鮮やかなまでの一振りはまるで閃光を思わせた。
「……驚いた。そんな芸当も出来るなんてね」
わたし達の手前まで後退したイヴは感心しながらも左手首を押さえていた。いや、左手首があった場所を、だ。剣を手にしていた左手が失われているのだ。良く見ると少女の足元には切り落とされただろうイヴの左手が転がっているではないか。
少女はしゃがんでそれを拾い上げると、自分の手元付近でそれを放り投げて剣を走らせた。剣に捉えられた左手首はあっけなく両断――、
「させるわけがないでしょう……!」
わたしはとっさに少女がイヴの左手首を放った直後に素早く魔法で糸を紡ぎ、左手首へと突き刺したと同時にそれを思いっきり引っ張りこんだ。少女の剣がイヴの手を掠めたもののほぼ無傷で回収できた。
「イヴ、縫い付けますので切断口をこちらに」
「ええ、これでいいかしら?」
「ネクロマリオネット!」
思い描くのは糸繰り人形。わたしは紡ぎだした魔法の糸で切断された左手首を縫い合わせていく。丁度剣士サウルに両断された腕を繋げた際と同じ技法だ。あの頃より熟練したからか、より良い精度で骨、神経、肉、皮と糸を通せたようだ。
最後に糸を切って終了。確かにイヴの今の左腕は元は未だ名も知らぬ女騎士のものだ。けれどあれから回復魔法で治療を続けてもう血が通う彼女の物となっている。切断面からは夥しい量の血が流れ落ちていたけれど、イヴは苦悶の表情一つも浮かべなかった。
強いんだな、と感心しそうになったが、むしろ彼女は今の状況を楽しんでいるんだと気付いた。
「勇者と聖女の光を備えた神の子、か。一筋縄ではいかなそうね」
神の子、か。
イヴの何気ない感想は勇者と聖女を超えた未知なる存在を的確に言い表していた。
お読みくださりありがとうございました。