8話 隣の席の子はボクっ娘!?
8話 隣の席の子はボクっ娘!?
初々しく思っていた高校生活も、もう一週間が経とうとしていたころ、
花咲学園に通う朝峰拓人は、早くも多忙な毎日を送っていた。
まあ、無理もない。今日もまた、このような光景が、
毎日のように送られているのだから......
ベル「拓人さ~~ん! ごきげんよう!」
そう言ってベルはいつものように拓人に抱き着いた。
拓人「ベ、ベル! また抱き着いて!///」
ベル「当たり前ですわ! 愛し合う二人にとっては当然な行動ですわ!」
拓人「いつ俺らが愛し合ったことになってるんだ!」
夏美「それより、拓人いい加減慣れなさいよ、
毎日毎日ベルに抱き着かれたらさすがに慣れるでしょ?」
拓人「う、うるせーな!///」
茜「それに、抱き着かれたときも満更でもなさそうだし......」
ベル「あら! そうなんですの!? その、拓人さんがお望みならば、
もっと大胆なことも......」
拓人「お断りだ!」
真「おーっす!っと......お前らもほんと飽きないよな」
またくだらないことで盛り上がっていると、真が教室にやってきた。
真「拓人~高校になってから早くもモテモテじゃないの~」
拓人「モテモテ?」
真「いや~お前分かっていないのか? こいつら全員お前のことが
好きだっていうこと」
夏美「な!?///」
ベル「な!?///」
茜「な~~~~~!?///」
まさかの真のカミングアウトに3人はあっけにとられていた。
夏美「な、なにをいってるの真は!///
そんなことあるわけないでしょ!」
茜「私が拓人のこと好きになるわけないでしょ!//////
勝手なこと言わないでよね!」
......やってしまった。
夏美と茜は自分の言ったことを深く後悔した。
どうしても恋沙汰には素直になれないとは言え、この言葉を聞いて、
拓人がどう反応するか、もはや一目瞭然である。
拓人「ほら、あいつらもそういってるし、俺はモテモテなんかじゃないぞ。
あいつらにも好きな人がいるかもしれないから、そういうことはあんまり思い付きで
いうもんじゃねーぜ?」
真「あ~そうだったな、悪かった!
でもこれだけは言えるぜ? この3人は恋をしている!
理由なんてない! 彼女らの瞳がそう告げている!」
拓人「そうだったのかみんな!? 俺だったら応援するぜ?」
......拓人はどれだけ鈍感なんだ。
今の会話を聞いていたクラスメイトでさえそう思った。
ベル「拓人さん......少々お勉強が必要ですわね......?」
夏美「拓人は昔から鈍感すぎなのよ!」
茜「もう~~~! 拓人のバカ!」
拓人「なんでだ~~!?」
結局、拓人は朝の予鈴がなるまで夏美たちに説教されるのであった。
拓人「つ、つかれた......」
まだ1時間目が始まっていないというのに、
ゲッソリした顔の拓人に、普段聞き覚えのない声が拓人の耳に届いた。
??「大丈夫かい?」
拓人「あ、ああ......君は確か......」
その聞き覚えのない声の主は、拓人の隣の席の人だった。
??「ああ~、ボクは如月初音。
初音って呼んで?」
拓人「?......あ、ああ。俺のことも拓人でいいよ。」
少しこのクラスメイトの名前に違和感を覚えた。
こいつは男じゃないのか? 授業でも、一人称は”ボク”だったし......
いや、名前だけで性別なんてわからない。無駄な詮索はやめよう。
そうして拓人は、如月初音を”男”として認識してしまった......
初音「それで、拓人?次の授業の準備をしてないようだけど、持ち物はあるの?」
拓人「ん!? あ~そうだった、え~っと......
あ! ヤバッ! 教科書わすれた......」
初音「もう、仕方ないな。......はい!
今日はボクが見せてあげるから心配しないでいいよ!」
そういうと初音は、自分の机を拓人の机に重ねた。
拓人「お! ありがとう、初音! お前、いいやつだな!」
初音「それはどうも、さ、授業始まるよ?」
そうして1時間目が始まった。
初音「ねーねー拓人? ボク、ここがいまいちわからないんだけど、拓人はわかる?」
拓人「ん? あ~ここはこうやってああやって、こうするんだ」
初音「あ~なるほど! 拓人は頭がいいんだね!」
拓人「ま~これくらいはできて当然だぜ!」
初音「む~~~~そんなことないもん!
ボクももっともっと勉強して拓人に教えられるようになってみせるよ!」
そう言って頬を膨らませる初音にすこしだけかわいいと思ってしまった俺は、
よっぽどの重症だと、すこしは女子と接しないとという焦燥感に駆られた。
本当は初音が女だったと知るのは、今からそう遠くない未来である......
また新たにキャラが増えましたね~
これからの展開もお楽しみにしていてください!
応援よろしくお願いします!