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7話  波乱の昼休み(ランチタイム)

7話  波乱の昼休み(ランチタイム)


キーンコーンカーンコーン


お、終わった......

憂鬱な4時間目の終わりを告げるチャイムが鳴り、やっとだ......と

ゆっくりと机にへたれこむ拓人。

拓人「さ、飯でも食うか......」

そうして、拓人がお弁当箱を取り出すと、

夏美「た、拓人!」

拓人「お~夏美か、どうしたんだ?」

もじもじ体を揺さぶりながら、夏美は頬を赤くしてこう告げた。

夏美「いや、その......一緒にお弁当食べたいなって......///」

拓人「ん? わるい、周りがうるさすぎて聞こえなかった、

もう一回言ってくれるか?」

夏美「だ、だから! その......一緒にお弁当......」

その時、夏美が拓人に話しかけている言葉をかき消すように、ものすごい勢いで、

可憐な金髪が、風で拓人の前をなびかせた。

その金髪の持ち主は、もしかしなくてもわかる。

拓人「ベル!? どうしたんだ? そんな慌てて」

ベル「そんなの、拓人さんに会いたかったからに決まってますわ!」

拓人「会いたかったって......同じクラスじゃねーか......」

ベル「授業開始の20分くらいは、拓人さんの姿を見るだけで満足ですのに、

後の30分くらいは拓人さんと話したくて悶々としていますのよ!」

拓人「いやそんなこと言われても......」

赤裸々すぎるベルの告白に戸惑う拓人であったが、

数秒後に夏美が口を開いた。

夏美「ベル、私は拓人に話があるのでちょっといい?」

ベル「あら? 奇遇ですわね。私も拓人さんと話したいことがありますの」

夏美「私のほうが先よ!」

ベル「いいえ! わたくしのほうが先に言いますの!」

そう言い、お互い腰に手をやって頭をくっつかせて睨めあってるところに、

がらがらがらっと教室のドアが開いた。


茜「おじゃましま~す......あ、拓人!」

拓人「おお、茜か」

教室に入ってきたのは茜だった。

茜は俺たちとは違う1年3組なので、普段は一緒にいない。

しかし、最近よくこっちのクラスに来るので、ほぼ2組のようなものだが......

茜「何よその反応? 来てほしくなったわけ?」

拓人「べ、べつにそんなこと思ってねーよ!」

茜「ホント?」

拓人「あ、ああ。ホントのホントだ!」

茜「そ、そう......なら別にいいんだけど///」


拓人「(あと、最近変わったことといえば、茜がこうやって言ってくることだ。

最初はきつく言ってくるのだけれど、後からどんどん顔が赤くなって

言葉も甘くなる。

それを真に相談してみたら、どうやら”ツンデレ”というらしい。

俺はその”ツンデレ”というものを知らないので未だ謎のままなのだが、

真曰く、ツンデレは好意を寄せている者しかならないらしく、

ひとまずは俺は嫌われてはいないと分かったのだが......)」


茜「そ、それでね......拓人? その......一緒に食べない?」

拓人「ん? あ~弁当か。いいぜ」

茜はお弁当箱を持っていたので、きっとこのことだろうと、拓人はすぐに理解できた。

夏美「な!? ずるい茜! それは私が最初に......」

ベル「そうですわ! 拓人さんと一緒にランチタイムを過ごすのは 

このわたくしですわ!」

茜「一足遅かったわね、夏美、ベル!」

そういう茜は勝ち誇らしげに夏美とベルを見下し、

夏美とベルはぐぬぬぬとうめき声をあげた。

ベル「拓人さん? あのツインテ-ル娘でなく、わたくしと

ランチタイムを過ごしませんか?」

茜「ツインテール娘って何よ!」

言っていなかったが茜は髪をツインテールに結んでいる。

容姿は身長が低くて、何より胸がぺったんこな幼児体形だ。

まーそれを拓人は全然気にしていないみたいだが、本人である

茜はかなり気にしているようだ。

ベル「それに、わたくしのほうが魅力はあると思いますが?」

そう言ってベルは立派に育った胸を拓人の腕に押し付け、拓人を誘惑した。

拓人「み、みえるから早く離れろ//////」

ベル「ま~、拓人さんはハレンチなこともお考えですのね?

でも、わたくしは別に拓人さんに見られたって構いませんわよ?」

そう言ってベルは、さらに自分の胸を拓人の腕に押し付けた。

夏美「こ、こら! 拓人! 早く離れろ!」

拓人「それができてたらとっくに離れてるよ!」

そういう拓人を横目に、夏美はベルと拓人を強引に離した。

夏美「そ、それで、拓人......

その、昔みたいにまた一緒に食べよ?」

拓人「夏美......」

確かに夏美とは中学のときもずっと一緒に食べていた。

まーかといってそこでなにか起こったわけでもないが......

茜「む、昔みたいに!?」

夏美「そうよ? 私たちは幼なじみだったからね!」

形勢逆転と言わんばかりに、今度は夏美が茜のことを見下した。

茜は拓人と夏美が幼なじみだったことを知らなかったようで、

だいぶ精神的ダメージを受けている。

ベル「それで、拓人さん!」

拓人「は、はい!」

ベルがいきなり大きな声で拓人の名前を呼んだため、

拓人もかなり驚いたみたいで、返事をするときに声が裏返っていた。

ベル「そろそろ誰と一緒にランチタイムを過ごすのか、

はっきりさせてもらいますわ!」

拓人「え~~!?」

ベルの言葉を機に、夏美と茜は黙って拓人の答えを待っていた。

ベルも同様に、拓人の顔をじっと見つめて、自分を選んでくれることを視線で送った。

拓人は迷いに迷った末、これだ! と思う答えを導いた。


拓人「その、なんていうか、みんなで一緒に食わないか?

ほら、そのほうが面白くて楽しいだろ」

拓人の答えを聞き、3人はみな笑った。

拓人「な、なんで笑うんだよ!」

夏美「ふふふふ、拓人らしいな~って思っただけよ」

ベル「ええ、わたくしたちが考えていたことがバカバカしく思ってきましたわ」

茜「まー、今回はこれでいっか......

じゃあ拓人、ここじゃあみんなで食べられないから、屋上行こ?」

拓人「それもそうだな。よし、じゃあ屋上に行くか!」

その言葉を聞いて夏美もベルも快諾したので、かくして4人は

屋上に行ってさぞかし楽しいランチタイムを送っているのかと思いきや......

ベル「拓人さん! このハンバーグ、私が拓人さんに食べてほしいと思いまして

自分で作りましたの! ぜひ、食べてくださいな!」

夏美「拓人、拓人って昔から唐揚げが好きだったよね?

そう思って私、今日唐揚げ作ってきたの! だから食べて食べて!」

茜「わ、私だって! 拓人? 私が今日朝早く起きて作った

このたまごやき、食べるわよね?」

そういって彼女らは俺に迫ってきて言ってきた。

「「「あ~~~~~ん!」」」

拓人「か、勘弁してくれ~~~!」


昼休みぐらいはゆっくり過ごしたいと思う、拓人であった。



















今回はただの日常回でしたね

次話からまた新しいキャラを登場させていきます!

そして、ブクマ、感想、ありがとうございます!

これからも応援よろしくお願いします!

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