表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/43

27話  お嬢様同士の拓人争奪戦!?

27話  お嬢様同士の拓人争奪戦!?



かきかきかき............

拓人「......ふぅ~、終わった~......!」

溜まっていた明後日までの宿題を一気に終わらせて、少しだけ優越感に浸る拓人。

拓人は席から立ち上がって「う~」っと伸びをすると、ベッドに放り投げていた携帯を手に取った。

拓人「ん? 誰からのメールだ?......」

携帯を開くや否や、携帯にあったメールの受信を確認してすぐさまメールの画面にたどり着く。

そのメールの送信人は......

拓人「ベルか、なんだろう?」

ベルからのメールだと気づいて、また他愛もないことかと思って軽く未開封のメールを開封する拓人。


”拓人さんへ、

 こんばんは、急な話で申し訳ないのですけれど、明日一緒にショッピングモールに行きませんか?

用事があるのでしたら正直に言ってくださって結構ですわ。 それではお返事待っていますわ!

              ベルより”


拓人「ショッピングモールか......確かこの花咲町に新しくできたんだよな」

ベルのメールを読み終わった後、そう呟く拓人。

拓人たちが住むこの花咲町では最近駅近くに大きなショッピングモールができたばかりだった。

拓人「(あのショッピングモールってまだ行ったことなかったんだよな~

それに明日は特に用事もないし、ベルも何か買いたいから誘ってるんだろうから、行ってみるか)」

頭の中で考えを固めた拓人はベルのメールに返信するメールを打ち始めた。

拓人「よし、これでいいだろう!」

メールを打ち終わり、そう言うと、拓人はメールを送信するボタンを押した。



プルプルプルプル............

ベル「あら? まさか拓人さんからのメールの返事が?!」

携帯の「プルルル」という受信音に即座に反応するベル。

実は、メールを送る際にも散々そわそわしていたのだが、返事を待ってる時の方がそわそわしていた。

そんなベルは、携帯の画面を開くと、ものの数秒で拓人からのメール画面にたどり着いた。


”ベルへ

 こんばんは、今さっきのメールの件だけど、俺もぜひ行かせてくれ。

待ち合わせ場所とか時間を決めたいので、返事よろしくな

               拓人より”


ベル「た、た、拓人さーーーーーーん!」

拓人が送ったメールの内容を見た途端、ベルは大声で拓人の名前を叫んだ。

ベル「で、で、デートのお誘いに、成功しましたわ~~!」

ベルはそう言うと、携帯の画面に視線を移し、これまた物凄い速さで文字を打ち始めた。

そして、送信ボタンを押して送信できたのを確認すると、ベルは緩み切った顔をでこう呟いた。

ベル「拓人さんと......デ~ト......うふ、うふふふふふ......」

拓人がデートと思っているどうかはともかく、ベルはひたすらデレ笑いするのであった。



拓人「えっと、ここでいいんだよな?」

雲一つない青空が広がる空の下、ショッピングモールの手前の時計台で拓人がぽつんと立っていた。

拓人「......にしても、この辺カップルばかりだな......」

時計台の前でベルを待っている間、拓人は拓人の前を行きかうカップルたちに嫌でも目が留まった。

まあ、このショッピングモールをデート場にするのは分からなくもないのだが......

そんなことをぼんやりと考えていると、間もなくして拓人を呼ぶ声が甲高い声が聞こえてきた。

ベル「拓人さ~~~~~ん!」

拓人「ん? あぁベル......って!///」

拓人はその声で瞬時にベルだと確信して、その声の聞こえた方に顔を向けたのだが、

その視線の先には、純白のワンピースを着たまるでどこかのお姫様のようなベルが手を振っていた。

そのベルの美貌に、拓人は自分の顔がみるみる赤くなっていくのを自分でも実感した。

ベル「遅れてすみませんわ、わたくしとしたことが......」

拓人「い、いや......俺も今来たとことだし......」

ベル「そうですの? では行きましょうか!」

拓人「お、おい!///」

ベルは早速ショッピングモールに足を踏み入れようとすると同時に、拓人の腕をと自分腕を絡ませた。

そして拓人は、その腕のどこらかに、どことない柔らかい弾力のある感覚が走り、

さらに顔を赤くしながらも、ベルと一緒にショッピングモールに足を運ぶのであった。



ベル「わたくし、まずは服を買いたいのですけれど......よろしいですか?」

拓人「あ、ああいいよ、よし......じゃああそこの服屋に行こう」

ベル「はい!」

拓人は、ベルに上目遣いでそうお願いされたので、断る理由もなくぎこちない返事をして

服屋に行くことになったのだが、拓人にはあることが気がかりになっていた。

拓人「あの......ベルさん?」

ベル「なんですか、拓人さん?」

拓人「俺の腕にずっとベルの腕をその......密着させてるのはいつ離してくれるのかな?」

ベル「何を言っているのですか? 今日はずっとこの状態で行きますわ!」

拓人「なに!?///」

ベル「では行きましょうか?」

拓人「......分かったよ、行くよ、行きますよ......この状態で」

拓人が危惧していたのが当たったのか、ベルはお互いの腕を絡ませたまま、

離す素振りを見せずにいた。

そして拓人は、ベルに引っ張られながら、脳内でふわっと今のこの状況を考えながら思った。

拓人「......これ、俺らもカップルに見られてるよな......」

周りから見られている視線を、拓人は顔を赤くしながらまじまじと意識していたが、

ベルはそんな視線に目もくれず、ただ拓人と一緒に歩いていることに幸せを噛み締めているのであった。


ベル「う~~~ん、どの服が良いでしょうか......?」

拓人「うわ~新装って感じがするな~」

拓人とベルは、お互いに目指していた服屋に着くと、それぞれ心で思ったことを口に出した。

ベル「では、早速見ていきましょうか!」

拓人「そうだな、ベルはどんな服が欲しいんだ?」

ベル「そうですわね......特には決まってなかったですわ」

拓人「そっか......今来てる服も十分似合っていてるから、ベルはどんな服でも似合うのかもな!」

ベル「なっ!?////拓人さぁ~ん......」

ベルは拓人の発言を聞いた瞬間に物凄い速さで顔を赤く染めた。

そしてその拓人も、赤くなるベルの様子を見て、不覚にもドキッとしてしまったことは言うまでもない。

ベル「で、では! 気を取り直して! どの服がいいと思いますか?」

本当に気を取り直すようにベルが声大きく言うと、拓人もその意思に同意して「うんうん」と頷いた。

拓人「じゃ、じゃあこの服なんかはどうだ?」

そう言うと、拓人は二つの服をベルの前に出した。

片方のはパステルカラーのブラウスとロングスカートのセットを、

もう片方は大きめのT-シャツとミニスカートのセットだった。

ベル「まあ! とてもいいではありませんか!」

拓人「い、いやぁ~俺全然ファッションとかわかんないから、とりあえずベルに似合いそうな

服の色とか、そういうので探してみたんだ」

ベル「拓人さんがわたくしのために......ありがとうございますわ!」

拓人「いやいや......それで、どっちを買うんだ?」

ベル「どっちもに決まってますわ!」

拓人「どっちも!? そうしたらかなりの額になるぞ?」

ベル「かまいませんわ! 一応わたくしも”令嬢”なのですよ?」

その言葉を聞いて「あっ」と思い出す拓人。

ベルはオーランド財閥の令嬢なので、それなりにはお金持ちいや、相当なお金持ちのはずだ。

拓人「じゃあ試着はどうするんだ?」

ベル「拓人さんが選んでくださるのなら、似合っているに決まってますわ!」

拓人「なんて強引な......」

ベル「ふふふ......では買ってきますね?」

そう言うと、ベルはリズムよくスキップしながらお会計に向かった。

そして、ベルがお会計に向かったのを確認すると、拓人は「ふぅ」と一呼吸して呟いた。

拓人「言えないよな......似合ってたのは事実でもカタログから選んだってのは......」

そう呟いてびくびくと震える拓人を横目に、ベルはご満悦そうにお会計を済ますのであった。



ベル「では、次はあそこのAHNというお店に行きましょう?」

拓人「ん? AHN......」

ベル「どうかしたのですか?」

拓人「ああいや、なんでもない......どこかで聞いたことあるような......」

拓人は次行くところの名前に、どこかつっかかりを憶えながらも、ベルと共に店に行った。

ベル「ここはファッション用品だけを取り扱ってるのですよ?」

拓人「へ~、というかこの会社って結構有名だよな?」

ベル「え~、今頃の高校生たちにはうってつけの会社ですもの」

拓人「ああ、そうだな」

店に入るや否や、仲睦まじげにそんなやり取りをしている拓人とベル。

その様子を見て、ベージュ色の髪をなびかせ、拓人のもとにゆっくりと落ち着いた足取りで

歩いてくる美少女に、拓人は「あぁ!」と思わず声を上げた。

拓人「アリス!」

アリス「ごきげんよう、拓人様?」

拓人はアリスの名前を挙げると、「思い出した~!」と言わんばかりの顔をした。

ベル「......拓人さん、どなたですのこの方は?」

アリス「アリスもこの方との関係性を知りたいですわ」

二人の美少女に問い詰められる拓人は、二人の間に入ってお互いを紹介した。

拓人「えっと、こちらは俺と同じ学校に通っているオーランド・ベルで......

こちらが、この会社の令嬢で友達の、朝比奈=フリード=アリスだ」

ベル「......よろしくお願いしますわ」

アリス「......こちらこそよろしくお願いします」

拓人がそれぞれの紹介を終えると、二人は少し不機嫌げにお互いに会釈した。

ベル「じゃあ行きましょう、拓人さん!」

拓人「えっ? まだ店内見てないんじゃないか?」

ベル「いいんですの! では行きましょう?」

拓人「お、おい!」

ベルが俺の腕を強引に引いて店を出て行こうとすると、

アリス「待ってください!」

アリスが拓人と、拓人の腕を引いて出て行こうとするベルに少し大き目な声で足を止まらせた。

ベル「なにか用ですの?」

アリス「その......アリスも連れて行ってください!」

ベル「なっ!?」

アリスのまさかの懇願に思わず動揺するベル。

ベル「な、な、なにを言っているんですのあなたは!」

アリス「アリスも一緒にショッピングモールを回りたいと言っているのです!」

ベル「わたくしと拓人さんは今デート中ですの、お邪魔しないでくれるかしら?」

アリス「でも、ベル様と拓人様は”クラスメイト”なんですよね?」

そのアリスの質問に、言葉が出なくなってしまうベル。

確かにこれはデートだ、だけどそれは恋人同士ではなく、ただのクラスメイト同士の。

それはベルも重々承知だったのだが、いざ言われるとさすがのベルでも少しばかりへこんだ。

その様子を察したのか、拓人はベルの顔を覗かせてからこう言った。

拓人「まあ、アリスもああ言ってるし、一緒に回ってもいいんじゃないか?」

ベル「......そうですわね、分かりましたわ」

拓人の言葉を聞いてから、ベルは少し寂しそうに頷くと、いつもの調子を戻してアリスにこう告げた。

ベル「アリスと言ったかしら? 今回は特別にご一緒してもよろしくてよ?」

アリス「本当ですか?! ありがとうございます!」

ベルの返事に元気よく嬉しがると、アリスは拓人の腕をめがけて自分の腕を絡ませてきた。

拓人「うぁ!/// ア、アリス......」

アリス「ベル様だけではずるいですわ!」

ベル「なっーーーー! 拓人さんはわたくしのですわ!」

アリス「いいえ、拓人様はアリスとだけ腕を組んでいればいいのです!」

ベル「拓人さん!」

アリス「拓人様!」

拓人「お、お、お前ら場所考えろーーー!//////」

AHNの店の入り口で、そんなやり取りをして視線を集められていることに堪えられず、

拓人は顔を赤くしながら大声で言うと、ベルとアリスの手を引いて大急ぎでこの場から去るのであった。



拓人「つ、疲れた......」

空はもう橙色の夕暮れになり、拓人は朝ベルと会った時計台の前のベンチにぐったりと座っていた。

拓人「あぁ......色々あったな......」

空を見上げながらそう呟くと、拓人はアリスが一緒に回り始めた後のことを思い出した。


~~ベルとアリス in ファミレス~~

ベル「はい拓人さん、あ~ん!」

アリス「ずるいですよベル様! 拓人様、口をお開けください?」

拓人「お、お、お、お前ら!/// 場所を考えろ場所を!///」

ベル「あら、”あ~ん”はこういうところしかできませんわよ?」

拓人「あ~確かに......ってそういうことじゃなくて!」

アリス「隙ありです!」

拓人「ふぐっ!?」

ベル「アリスさん?! 抜け駆けはいけませんわ! わたくしも!」

拓人「ふぐぐっ!?」

ベル「どうですか?」

アリス「おいしいですか?」

拓人「殺す気か!」

こんなのだったり............


~~ベルとアリス in 本屋~~

ベル「この本、面白そうですわ!」

アリス「なんという本ですか......”恋愛完全攻略法!”?」

ベル「これを買えば、拓人さんの心は鷲掴みですわ!」

アリス「本当ですか!? だったらアリスはこれです!」

ベル「んーーーー......”君はこれで恋愛マスター!”?」

アリス「これで拓人様はベル様の思うようにはいかなくなりました!」

ベル「くぬぬ......だったらわたくしはこれも買いますわ!」

アリス「えっと......”御曹司を射止める方法100選”?」

ベル「勝ちましたわね!」

アリス「むぅ......だったらアリスは......!」

拓人「大声でそんな本を紹介しあうな!///」

こんなのだったり............



とにかく、そんなこんなで拓人は体力的にも精神的にも疲れ切っていた。

拓人がベンチでうなだれている中、ベルとアリスは......

ベル「今回はなかなか面白かったですわ」

アリス「アリスも同じです、ありがとうございました」

ベル「礼を言われることではありませんわ」

アリス「そうですね!」

そう言うと、二人は「くしゃっ」ときれいな顔をくずさせて笑った。

その笑い顔もまたきれいなのは、言うまでもない。

拓人「(でも、ベルたちがあんなに楽しくなったんだったら、それでいいか。

なんだかんだ、俺も楽しかったし......)」

二人の笑いあう様子を見て、自分まで笑顔になる拓人。

そして、その二人は駆け足で拓人のもとに近づくと、それぞれの手を取り合った。

ベルは拓人の片方の手を、アリスは拓人のもう片方の手を。

拓人「ど、どうしたんだ?」


ベル&アリス「またデート、しましょうね!」


その言葉に、拓人は少し驚いてからいつもの優しい顔つきになってから、こう答えた。

拓人「また行くか、デート」

その返事を聞くと、今度は三人で一緒に笑いあった。

















今回はベルとアリス回でした!

これからも応援よろしくおねがいします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ