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15話  部活の内容は特にないけど問題ないよねっ!

15話  部活の内容は特にないけど問題ないよねっ!



拓人「ふ~~~今日も疲れた~」

ベル「お疲れ様です、拓人さん」

夫が仕事から帰って来て嫁と話しそうな会話を、今拓人とベルは部室で話している。

何の部活かというと、昨日新しくできた”会話コミュニケーション部”だ。

昨日はこの部を創部するだけで終わったので、本格的な部活動は今日が初めてである。

そして、今全部員6人のうち、真を除いた5人がこの部室に集まった。

さー、今から部活動が始まる!......と思いきや、拓人はある疑問を夏美に投げかけた。


拓人「ところで、この部活動の内容って、具体的に何をするんだ?」

夏美「う~~ん......まだ決めてない」

その疑問に、夏美は俯きながら苦しく答える。

茜「まあ、とりあえず会話コミュニケーション部っていうんだし、

ここで駄弁ってたらいいんじゃない?」

拓人「さすがにそれは部活動とは言えないだろ」

茜「じゃあ例えばどんなのがあるのよ?」

その茜の質問に拓人は散々考えた上で、分からんとお手上げのポーズを茜に見せた。

そんな拓人をみて、初音は何かいいこと思いついたように体を前のめりにして言った。

初音「それじゃあ、まずはこの部活の部活動を決めることから始めよう?」

夏美「そうね、そうじゃなきゃこれからの部活にも影響してくるし」

初音の提案に夏美が即座に賛成して、ベルと茜と拓人もその提案に賛成した。

初音「う~~ん、じゃあまず拓人からこの部の活動内容をどうするべきか知りたいな」

拓人「え、俺から?」

正直あまり深く考えていなかったので、少しばかり動揺する拓人。

拓人「え~っと、まあとりあえずは、この部活のコンセプトは

”友達を作りたい”とか”もっと話すのをうまくなりたい”って人のための部活だから、

積極的に部員を増やしていって、お互いに話あってコミュ力を上げるっていうのはどうだ?」

拓人ながら良い考えだったのではないか。

言い終わった後、拓人は完璧だ、とこの考えに胸を張っていたが、聞いていた四人の反応は

想像していたものとは違っていた。

夏美「ボツ」

ベル「ないですわ」

茜「ない」

初音「う~ん、ボクもちょっとないかな」

拓人「なんでみんな即答なんだよ!」


四人からの評価は酷評だった。

そんなに俺の考えはダメだったのかと、すこしばかりへこんだ。

そんな拓人を置いておいて、夏美たちは次誰が言うかの順番決めを始めていた。

夏美「じゃあ、じゃんけんでもして早く順番決めましょ?」

ベル「ちょっと待ったですわ!」

夏美「ん? 何よベル」

ベル「じゃんけんで決めるより、もっと簡単に順番が決められる方がいいと思いますの」

初音「......というと?」

その初音の言葉を待っていましたと言わんばかりに、ベルは大きい胸を揺らしてこう告げた。

ベル「胸の大きさ順ですわ!」


夏美・茜・初音・拓人「「「「な~~~!//////」」」」」


まさかのベルの提案に拓人たちは度肝を抜かれた。

ベル「そうすると自ずと順位は決まってきますわ!」

そう言うと、俺は四人の胸の方に目を向けた。

ゴクリ............

本当だ、見事なまでに順位がはっきりしてる。

大きい順から言うと、ベル、夏美、初音で最後が茜である。

俺がまじまじと胸を見ていると、夏美たちから非難の嵐を食らった。

夏美「拓人! そんなに胸を見るな!///」

茜「な、なにか言いたきゃ言えばいいじゃない!」

初音「う~ん......さすがにベルには敵わないな......でも夏美まではあともう少しだな」

それぞれ思うことが違うけれど、結局この胸の大きさ順で言っていくことが決まった。

そこで、ベルはさらに追い打ちをかけるように、ある提案をした。

ベル「まあ、胸が大きい方から始めますと、最後に見るものがなくなりますから、

最初は胸の小さいほうから行きません?」

夏美「まあ、確かにそれも言えてる......それじゃあ茜からどうぞ!」

茜「見るものがなくなるってどういうことよ!」

初音「そうだよ! いくらなんでも胸を大きさを比較するのは卑怯だよ!」

また始まってしまった。

この四人はこういうとても些細なことですぐに言い争いになる。

まあ、それだけ仲がいいってことなんだが......


「「「「それで、拓人はどっちがいいと思う!?」」」」


拓人「じ、自分たちで決めろ!///」

結局拓人に最終的な判断をさせるのも、また酷なのであるのだが......



話し合いの結果、言う順番は胸の小さい順からに決まった。

拓人の意見はじゃんけんだったのだが、優柔不断とみなされ、二度目のボツを受けた。

一体拓人の決定権はどうなっているんだろうか......

まあ、そんなことは置いておいて、今は茜の考えを聞こう。

そう思い、体を茜の方に向けた。


茜「私が最初に言うのはとても立腹してるけど、今はとりあえず考えをいうわ」

ぞっと思い前置きをし、茜は自分の考えを述べ始めた。

茜「えっと、この部活は会話コミュニケーション部なんでしょ?

だから、その部活の名前の通りただひたすら話すだけでいいと思うの。

この部活の裏のコンセプトもしっているけど......

そうやって話していても、拓人の女嫌いは治ると思う......

だから部活動の内容は、”普通に話すだけでいい”でいいと思うわ!」

茜の考えに、みな一度頭の中で考えた。

しばらくの沈黙の中、初音がそっと立ち上がり声を上げた。

初音「確かにその考えも悪くないけど、それだったらこの部活でしなくても、

普段の学校生活でもできるんじゃないかな?」

茜「う......確かに......」

初音のよく的を射た意見に俺も感心していた。

ベル「では、次は初音さんですわね」


初音「うん、ではボクの考えを言っていくよ、

ボクは裏のコンセプトである、拓人の女子嫌いを治す方を優先した方がいいと思うんだ。

だから、その女子嫌いをなくすためには、カップルぽい事を拓人にし続けるのがいいと思う!

具体的には、はいア~~ンとか、膝枕とか! けど、もちろんそれをするのはボクだけどね!」

拓人「え、さすがにそれはちょっと......」

俺は初音の考えに即座に反論した。

俺の女子嫌いを治すのを優先するというのはまあいいとして、

カップルみたいなことを俺がされ続けられると、俺の理性がもたないと思う......

そんな俺の反論に加えて、夏美も初音の考えに反対した。

夏美「まあ、私も拓人の女子嫌いを治すのを優先するのは賛成だけど......

そのカップルぽい事を初音だけがするのは大反対よ!」

その言葉に、ベルと茜もうんうんと頷く。

ベル「それでは、次、夏美さん」


夏美「はい、私は初音と同じく拓人の女子嫌いを治すのを活動の目標にしたいのだけれど、

そのために、拓人に女の子をもっと知ってもらおうと思うの!」

初音「それはつまり、衣服などは羽織らずにありのままの姿を拓人に見せるということか!」

茜「な、ななな夏美! そんなこと、私絶対しないんだから!///」

夏美「だれがそんなことするって言ったのよ!

私はただ、私たちが女の子の基本になって、拓人にどうやって話しかければいいかとか、

そういうことをした方がいいって思ったのよ!///」

拓人「ダメだ、全く夏美の意見が分からなくなった......」

ベル「わたくしもですわ......」

夏美「そんな~......」

夏美はぐったりとうなだれて、自分の考えが通らなかったことを悔しんだ。

ベル「では、そろそろわたくしの番ですわね!」

そう言うと、ベルは自分の席から立ち、大きい胸をぷるんと揺らして、

自分の考えを言い始めた。


ベル「わたくしは、拓人さんに献身的にご奉仕するのがいいと思いますの!

そうすることで女子に愛着が湧き、晴れて女子嫌いが解消されますわ!」

ベルはこれこそは! というような勝ち誇った顔を覗かせた。

しかし、ベルの考えにはある重大な欠陥があった。

それは......

拓人「なー......その”ご奉仕”って何をするんだ?」

ベル「もちろん、あんなことや、こんなことを......!」

ベルはそう言うと顔をにやにやさせて、あらぬ想像に花を咲かせた。

夏美「そ、そんなのは絶対にダメ!」

茜「そ、そうよ! まだ、まだそんなことしちゃダメ!」

初音「良い案だと思うけどな......」

一人、ベルの考えに賛成派がいたそうだが、夏美と茜はそれを強引に無視して

ベルの考えをボツにした。



拓人「というわけで......」

夏美「結局部活動の内容は決まらなかったわね......」

茜「そうね......」

1時間近く話し合った結果、拓人たちは何の結論にも至れず、部活の内容は決められなかった。

拓人「まあ、そんなに焦らなくてもいいか、今のうちは。

いずれ部活動の内容も決まってくるだろうし」

その言葉に、四人はそっと微笑み、そうねと相づちをうった。

拓人「というわけで、この話はもう終わり! そろそろ時間だし、帰るか」

ベル「そうですわね......拓人さん......えい!」

拓人「うあ!?」

席を立とうとしていた拓人のことを強引に抱きしめたベル。

その行動に、驚きを隠せない一同。

ベル「拓人さん~~やっぱり拓人さんは優しくて近くにいるとぽかぽかしますわ!」

拓人「ベ、ベル! ちょっと、離れ......」

ベル「嫌ですわ! これも拓人さんの女子嫌いを治すための方法の一つなのですよ?」

そう言って、さらにギュッと拓人を抱きしめるベル。

茜「な、な///」

その光景を見て居ても立っても居られなくなったのか、茜が拓人とベルの間に来て、

強引にベルと拓人のことを離そうとした。

しかし、ベルの抱きしめる力が思ったほか強かったのか、離すのに手こずる茜。

あともう少し......!


と、その時、スルっと茜が足場を滑らせた。

茜がバランスを崩したせいで、ベルと拓人も一緒にバランスを崩し、そのまま床に転び落ちてしまった。


拓人「いたたた......ん? なんだこの感触?」



拓人は、ベルと茜が自分に覆いかぶさるように床に落ちた。

そして、拓人の手には何とも言えないやわらかいものが感じられた。

それを、拓人は揉んで、離して、揉んで、離してを繰り返した。


拓人「んん? 片方は弾力があるが、もう片方は弾力がない......?」

その物体がなんなのかわからず、もう一度先ほどと同じ行為を繰り返そうとすると、

ベル「ひゃぁう!?」

茜「ふあぁ......」

拓人「ん!?」


ベルと茜が出した声に、嫌な予感がした。

今、俺がこの手におさまりきれていないものとおさまりきれているもの......

これはまさか......


ベル「もう......拓人さんは強引ですのね......?」

茜「拓人......絶対に許さないんだから//////」

両者の反応を見て、いとも簡単にわかった。

このやわらかいものは......二人の”あれ”だ。

分からないものは察してくれ。

ヤバい、ものすごくヤバい。


拓人「ベル、茜! 本当に悪かった! 俺が揉んでるのが、ベルたちの胸だとは知らずに......」

茜「わあーーー! 拓人! そんな恥ずかしいこと言わないで!」

ベル「......急にされたのでびっくりしました......さすが拓人さんですわ......」

二人の意見はお互い違っていたが、とりあえず俺は何回も頭を下げて、謝った。

夏美「もう本当に拓人はしっかりしてないんだから!」

初音「ボクも今回ばかりは拓人の味方はできないかな......

あんな場面見せられたら......ボクだって......」

拓人「本当に事故でそんな気はなかったんだ!」

俺は変な誤解をされないように、そう口にした。

ベルは揉まれていた時のずっと思い出して顔をにやにやさせていて、

茜は揉まれた胸を自分で触ってひたすら顔を赤くしていて、

夏美は拓人にしっかりしなさいよなど、説教をしていて、

初音は、自分もされてほしかったと密かに悔しがっていた。

そして、拓人は夏美に説教を受けられながら、自分の行ったことを深く反省していた。


そんな部室に、がらがらとドアを開けて、中等部の制服を着た、キレイな紺色をした髪を

ポニーテールで結ってあり、かわいい顔立ちをした女の子がドアの前で立っていた。


??「もう! 兄さん、またなにかやらかしたんですか!」


その姿と声に、ベルと茜と初音は頭に?マークを浮かべていた。

一方、拓人と夏美はその姿と声を聞いて、すぐに誰だかわかった。

夏美「桜ちゃん! 久しぶり!」

夏美の言葉に、桜ちゃんと呼ばれた女の子が答える。

桜「お久しぶりです、夏美さん。いつも兄さんがお世話になってます」

そう言って、彼女は丁寧に受け答えをした。

初音「兄さんがってことは......つまり!?」

桜「はい、朝峰拓人の妹の、朝峰桜あさみねさくらです!

いつも兄さんがお世話になってます」

桜は、ベルたちに自己紹介をして、丁寧にお辞儀した。

ベル「拓人さんは妹さんがいらしましたの......?」

拓人「ああ、言ってなかったか?」

その言葉をベルたちは肩をガクッと落としながら聞き流した。


また新たな波乱が起こりそうな、そんな雰囲気が部室の中に漂った。




















今回は新しいヒロインキャラである妹の桜が登場しましたね!

これからどうなっていくか、作者側もめちゃくちゃ楽しみです!

これからも応援よろしくお願いします。

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