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9話  困惑する想い

9話  困惑する想い



初音「ね~拓人? ここの問題教えてくれないかい?」

拓人「ここが分からないのか初音? しょうがない、特別に教えてやろう!」

初音「わ~い! ありがとう、拓人!」

ベル「......なんですの......あれ......?」

茜「さ~ね......そもそも......

拓人って女子とはあまりうまく喋れないんじゃなかったの......?」

夏美「そのはずなんだけど......おかしいわね......」

拓人と初音の、よもやカレカノかと思えるような会話を聞いて、

意気消沈な夏美たち三人に真が忍び寄る。

真「どうしたんだ、3人共?」

夏美「あれ......見てみさないよ......」

そう言って、夏美は拓人と初音のところを指さし真に教える。

真「ん? なにがおかしいんだ?」

真はその光景に全く違和感がなかった。

ただ拓人が男子と仲良く話してるだけに見えたのだが......

夏美「何言ってるの!? あの拓人が女子とあんな親しげにしゃべってるのよ?」

真「え、女子!? だって、あいつ、一人称”ボク”だったはずじゃ......

しかも、女子用の制服じゃなくて男子用の制服着てるし!」

真が驚くのも無理はない。

灰色の髪の毛をしていてショートカット、おまけに一人称が”ボク”で

男子用の制服を着ているとなると、誰もが初音を”男子”だと間違えるだろう。

夏美「私も最初は、あの娘を男の子だと思っていたけど......」

そう告げた後、夏美はベルのほうを向きお互いに首を縦に振ると、

今度はベルが話しはじめた。

ベル「わたくし、見たのですわ。彼女の生まれたままの姿を」

真「生まれたままの姿......ってつまり裸!?」

ベル「しっ! 声が大きいですわ!

......それで、なぜわたくしが彼女の裸を見たのかというと......」


~昨日、教室にて~


ベル「は~......わたくしもついてないですわね......

先生に頼まれごとを頼まれるなんて......

今頃、何もなければ拓人さんのそばにいたのに......」

もう~~~と、一人で悔しくなりながら、

荷物を取りに教室にもどり、ドアを開けると、

初音「え!?」

ベル「は!?」

そこにいたのは、初音が体育着に着替えているところだった。

しかし、おかしいことに初音は女の子らしい下着をしていた。

いや、どちらかといえば上のほうの下着は半分はずれていて、

ほとんど下着の役割を果てしていなかった。

初音「あ、なんだベルさんか~......」

そう言ってほっとする初音に、ベルはものすごい形相で初音に聞いた。

ベル「あなた如月初音さんですわよね!? 

その、あなたは男性の方じゃなかったですの?」

初音「え? あ~ボクは女の子だよ」

そう言って、初音は冷静に答えた。

初音「ボク、よく男の子と間違われるんだ~

ま、この喋り方とこの制服じゃ仕方ないよね」

そういうと、初音はすこし寂し気な顔をした。

ベル「ま~、喋り方はひとまず置いておくとしまして、

なぜ男子用の制服を着ているのですか?」

初音「ボク、スカートが苦手なんだ」

そう告げた初音に、思わず目が丸になるベル。

初音「だってほら! スカートって走りにくいし動きにくいじゃない?

それに締め付けられる感じがして嫌なんだよ。それにくらべて男子用の制服は

全然締め付けられるような気がしないし、動きやすい!」

初音の、男子用の制服についてのことを聞いて、ベルはある程度は理解した。

ベル「じゃ、じゃああなたは本当は女性ですの......?」

初音「うん! ボクは正真正銘、女の子だよ!」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



真「そんなことがあったのか......」

茜「私も最初聞いたときは怪しんでたけど、

わざわざここでベルが嘘をつく必要ももないし......」

夏美「そうね......私も茜の意見に賛成」

真「ってことは......」

真「あいつは......女......」

真の発言のあと、長い沈黙が続いた。


一方、その頃拓人と初音は......

初音「わ~~すごい拓人! 拓人のおかげで解けたよ!」

拓人「ま、俺にはどうってないことだ!」

嬉しそうに言う初音は、完全に調子に乗っている拓人をみて、

初音はまた調子に乗って~と、頬を膨らませた。

ま、まただ......

たまに初音のこういう無邪気な表情にドキッとすることがたまにある。

ダメだダメだ! あいつは男、あいつは男......

そう考え、自分が思ってたことを必死に振り切る。

そんなことを考えている拓人のところに、真がやってきた。

真「よう、拓人。ちょっといいか?」

拓人「ん? ああ、いいぜ」

そう言い、真は拓人を屋上に連れ、話はじめた。

真「ホント、拓人高校に入ってからモテモテだよな」

拓人「モ、モテモテじゃねーよ!」

真「ははは(笑)拓人らしいな」

拓人「どういう意味だよ......」

真「それよりさ~拓人」

他愛もないやり取りを終え、真剣な顔で拓人に話す真。

真「お前、あの日以来から、女子とあまり喋らなくなったよな?」

拓人「......もうその話はいいだろ......」

真「悪い悪い、俺が今から話したいのはその話じゃなくてだな......」

拓人「ん?」

真「もし、お前が身近に話してるやつが、ホントは女だったら、拓人はどうする?」

真の発言を聞いて、すこし考えこむ拓人。

そして次の瞬間、拓人がすごい険相で真に話しかける。

拓人「まさかお前!? ......女だったのか?」

拓人の発言を聞いてズコーーーっと遠くのほうで聞こえた。

その音の正体は......

拓人「夏美!? それに茜にベルも......!?」

夏美「た、拓人......真が女の子なわけないでしょう?」

ベル「そうですわ! あんな下品なことを毎日毎日飽きずに言う

女の子はこの世に存在しませんわ!」

茜「まったく......拓人らしいわね」

真「みんなひどいな、俺の扱い」

なぜ夏美たちがここにいるのか、俺にはわからなかったがとにかく

真の質問のほうが今は気になった。

拓人「それで真、なんでそんな質問をしたんだ?」

真「あ~......それはもう俺じゃなくてあいつらに聞いたほうがいいと思うぜ?」

そうして真は夏美たちに顔を向けた。

その合図で夏美たちはゆっくりと拓人に近づき、事の真相を説明した。

そして拓人はその真相を聞いて、驚愕のあまり目が飛び出るくらいに目を大きくさせた。

拓人「は、初音が女の子だった~~!?」



拓人が屋上で叫んだ声が、空しく昼休みの終了を告げるチャイムの音にかき消されるのだった。





















今回も長くなってしまった......

そして、ブクマ、感想本当にありがとうございます!

僕のモチベーションにもつながるので、ホントにありがたいです!

これからも応援よろしくお願いします!

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