表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/35

キミの決意に応えよう。

鍋にオリーブオイルを熱する。ニンニクと唐辛子を投入し、焦がさないようにプチプチいわせて香りをたたせる。香りが立ってきたら、白ワインとトマト缶とタマネギのみじん切りを投入し、軽く煮てから、塩とバジルで味を調える。そこへイワシ、シーフード、キノコ、くし切りのタマネギを投入してコトコトと煮る。

今夜のマカナイーノはがっつり系ーつまりメインーで、“イワシのトマト煮”だ。チェリーレッドのオーバルのルクルーゼにトマトの赤がよく映える。

このメニューは、ソースが余ったら、翌日の怜那の昼食にパスタに使って、最後までキレイにいただく。魚はサバやサンマを使うこともある。

子どもたちは魚があまり好きではないので、子どもたちには肉を用意して、怜那だけ、コレを食べるのだ。つまり、表メニューに入れられないのでマカナイーノである。

「またソレ作ったの?俺、そういうのヤダ~!」

キッチンを覗いた翔が顔をしかめる。

「私が食べたいだけだから。気にしないで。」

そう言うと、翔は何も言わなかった。子どもたちは、ミニステーキなのだ。


「どうしてママだけ?」

テーブルにトマト煮の皿が登場すると、紗雪が案の定、お決まりの一言を発する。

「紗雪はイワシ食べないじゃない。」

「食べたい~!イワシも一切れだけ食べるから。」

紗雪はトマトの味が好きなので、シーフードや野菜など、他の具はたくさん食べる。なので、頑張ってイワシを食べてでも、ご相伴にあずかりたいのだ。

「ママ!お願い!」

今すぐ取り分けてくれと言わんばかりだ。紗雪としては、怜那が食べるものは、自分も食べたい。怜那の皿に載っているものは、自分の皿にも載っていないと気が済まないのだ。

「ヨシ!キミの決意に応えよう。」

怜那は、紗雪が魚を食べると言ってから分けることに決めているのだ。ニヤリと笑ってイワシを取り分けると、紗雪は怜那の手を目で追っている。好きな具を取り分けてもらえるのを待っているのだ。

「エビ欲しい。ムール貝も。」

「ハイハイ。」

紗雪が言うことを予測して、多めに盛ってきた皿から取り分ける。

「いただきまーす!」

紗雪は満面に笑みを浮かベて食べ始める。

「ママが魚の日は、俺のは焼き魚にしてくれない?」

突然の翔の一言に怜那と紗雪は顔を見合わせる。というのは、相川家、恭兵以外は焼き魚が苦手なのだ。

「…なんだか急にサンマとか、食べたくなって…。」

「そう。じゃあ、次の魚の日はサンマ焼こうか?」

「うん。お願い。」

急に魚に目覚めた翔だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
よろしくお願いします。☆小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ