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2日後。

『パパへ

ついていきたい気持ちはあります。まだ私には、マカナイーノだけじゃなく、ママが必要です。でも学校のことがとても心配です。』

「うーん…。ストレートすぎるなあ。もっと、パパを動かす何かが欲しい。」

紗雪は勉強どころか宿題もそっちのけでLINEの画面とにらめっこしている。実は、行きたい高校があるのだ。制服が好みで、レベルも射程圏内で、何より友達と一緒に通えそうな高校なのだ。しかし現地校が気にならないわけではない。今の友達との高校生活を取るか、新しい環境に飛び込むか、悩ましい限りである。それにまだ母親の怜那と離れることは不安なのだ。

学校については、翔と紗雪で調べて相談したが、現地には日本人学校がない。現地校に通いながら補習校に通うことになる。そして、多民族国家のため、現地校はESLという、英語を母国語としない生徒をフォローする制度が整っている。

そうはいっても帰国後の進路も安心ならない。帰国子女という肩書きだけで大学に入れるなどという甘い話は無い。というのは、帰国子女を受け入れる高校はあるが、大学の世話までしてくれる学校ばかりではないのだ。仮に付属の大学があっても、エスカレーター式の学校は少ない。帰国子女ではないコースの生徒たちと同じ基準を要求される場合も少なくはない。


まず、高校生の翔は、今から行くことは大学受験に差し支えるので、日本に残ることを決定。

『やはり大学受験のことがあるので、僕はついて行かないことにします。夏休みなどにでも遊びに行けたらと思います。』


怜那はついていくが恭兵を後から追いかけようと決定。

『翔の大学受験が終わってからついていきたいです。久々の海外生活、楽しみにしています。』

そう。相川家、新婚から翔の二歳頃まで、海外赴任していたのだ。なので、怜那は抵抗を感じていないのだ。


紗雪はなかなか決まらない。

『行ってみたい気持ちはありますが、英語のことが心配です。ママと離れたくないです。友達と一緒の高校に行きたいとも思っています。』

紗雪だけが、考えがまとまらないまま、LINEを送信した。


三人のLINEを読んだ恭兵はひとしきり考えてから怜那に送信する。多少の予測はしていたので、おおかたのことは考えてあった。

『LINEのグループを作ってくれ。家族四人の。操作がわからないんだ。』

「了解。」

ビール片手に返事をしてササっとグループに三人を招待する。今日のおつまみは、「坦々シラタキ」。豆板醤と練りゴマでシラタキを炒めたものだ。この組み合わせ、坦々麺のような味になる。


そして恭兵から発信した。

『みんなの意見を聞いて、決定しました。


ママ→翔の大学受験までは行ったり来たり。受験後に正式に渡航。

翔→このまま日本で大学受験。高校の間はおばあちゃんの家に下宿。大学は寮に入る。

紗雪→一緒に渡航。一旦、現地校を経験してからその後を考える。


これでどう?』


一つ屋根の下、それぞれの場所でLINEが着信を告げた。


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