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話がある。

「話があるんだ。まだ寝ないで待っててくれ。」

その晩遅く、怜那が寝る前の歯磨きをしているところへ恭兵から電話が入った。

「遅くに済まない。水割りと、…何かある?」

「甘エビのチーズがあるけど。」

「じゃあそれを。」

寒風姿干しの甘エビを砕いて、クリームチーズとココナッツオイルを混ぜた、ケトンダイエット向けのおつまみだ。

「話って何?」

怜那がダイニングの椅子に座ると、恭兵が切り出した。

「転勤の辞令が出た。ついてきてくれないか。」

「無理よ。子供達、どうするのよ?子どもたちの年齢を考えたら、単身赴任が普通よ!」

「行き先がニュージーランドでも?しかも、クライストチャーチでも?」

怜那は目を丸くした。ニュージーランド!羊がたくさんいる、景色の素晴らしい、怜那が大好きな国!高校生の頃、ニュージーランドのクライストチャーチに一ヶ月のホームステイに行って、景色に、人々の暖かさに魅了されたのだ。いつかまた行きたいと思いながらも、実現させることなく、今日こんにちに至っている。

「…どう?」

「行きたい、けど。無理。子供達の大事な時期よ?」

「分かっているさ。翔は高2。紗雪は中3。すぐにとは言わないよ。赴任が長くなりそうなんだ。だから、子供達の受験が落ち着いてから、ついてきて欲しいんだ。…美味いな、コレ。マカナイーノがないと、俺も困るんでね。」

恭兵が静かに微笑む。

「どうやって?今の年齢で連れて行くには厳しいわよ。」

「俺としては、子どもたちに選ばせたい。連れて行って、現地校に通うことも経験も良い経験になるし、離れて日本の学校で頑張るのも良い経験になるさ。週末に家族会議をしよう。」

「あの子たち、何て言うかしら…。」

心配そうにしている怜那に恭兵が言った。

「大丈夫だよ。どんなことでも切り抜けるよ、あの子たちなら。」

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