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ポテンシャル。

ケトンダイエットを開始してから2ヶ月。完全に糖質をカットして1ヶ月半が経過。


「よし。今日も減ってる。」

「今日は少し戻った。」

毎日、体重計に乗るのが楽しみになっている。糖質カットの慣らしの半月が経過した頃から、毎日の計量を開始したのだが、体重は時には戻ったりしながらも、グラフはギザギザと右下がりの折れ線を描いている。計量を開始した時点で、すでにピーク時よりも体重は減っていたが、現在ではさらに2キロ減。

「いい感じね!怜那はきっと体のポテンシャルが高いのよ!」

ひょっこり遊びに来た綺羅々は、紅茶を飲みながら折れ線グラフを見て、満足げに言う。話によるとキッチリやって、その減り具合の人もいるんだとか。実のところ、怜那は炭水化物や市販のお菓子類こそ食べていないが、果物や酒類も少しずつ楽しんでいるので緩い方なのだ。

「肌もキレイになったし、ウエストがスッキリしてきてるわね。」

綺羅々はべた褒めだ。

「そう?ありがと。ところで、新作のチーズのおやつはどう?」

急な来訪だったので、作ってあったチーズと、紅茶を出したのだ。

「どれも美味しい!さすが怜那ね。怜那がケトンを始めてから、美味しいものが食べられて嬉しいわ。」

このチーズのおやつというのは、クリームチーズと溶かしたココナッツオイルをブレンダーで混ぜて冷やし固めたもので、具材しだいでおやつにも、おつまみにもなるのだ。

本日、綺羅々に出したチーズは、ブラックベリー、ドライパイン、バジル&ペッパー、柚子胡椒の4種類。綺羅々は柚子胡椒が特に気に入った。柚子胡椒は焼き海苔で巻いて食べるとまた美味しい。

「海苔を使うって、アイデアよねー。」

「うふふ。ありがと。おからのガトーショコラ、焼けたよ。食べる?」

「食べる!」

ガトーショコラも、怜那用はケトン仕様だ。レシピ中の小麦粉はおからと少々の大豆粉に切り替え、バターはココナッツオイルに、砂糖はハチミツに切り替える。ハチミツはレシピの3分の1程度だ。糖質を控えるのももちろんこと、味覚が変わって、普通の甘さでは甘すぎるのだ。

「美味しー!」

もう市販のスイーツが甘過ぎて口に合わなくなっているので、綺羅々としても手作りがありがたいのだ。

「今度、お金払うから、焼いてくれない?」

「いいよ。それか、今の焼きたて、半分持ってく?」

「いいのっ?買う買う!売って!」

「今日はお金はいいよ。」

「イヤよ。買わせて。これからもオーダーするんだから!」

焼いたうちの半分をカットして簡単な袋に入れて綺羅々に渡すと、強引に千円札二枚を怜那に押し付けるようにする。

「多すぎるよ。」

「この量をケーキ屋さんで買うことを思えば、全然安いから!ごちそーさん!」

怜那にお金を返させまいと、綺羅々はドタバタと帰って行った。


『さっきはありがとう。ケトン仲間にも好評だったよ。またオーダーするからよろしくね。』

数時間後、綺羅々からLINEが届いた。

怜那のガトーショコラは、ケトン仕様も人気になりそうだ。

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