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黎明期 ⅰ
腐敗
愚かなこの手は
その果実を手放すことを知らなかった
今となっては
この手ごと
取り返しのつかないことになっている
白い仮面
真っ白な仮面を被って
貴女はそこにいる
没個性の白い仮面
他者のピエロであるための
姿なき仮面を被って
「私はロボットのように」
「自分の事はどうでもいい」
本心ですか
仮面の言葉ですか
惑うたび 私は馬鹿になってしまう
「じゃあその仮面 ぶち壊していいですか」
「真っ赤なペンキで塗りつぶしていいですか」
知らない私が出てくるたび
私は私でなくなってしまう
仮面と仮面で向き合う
私と貴女
If
もしも
この世界ができる時
何かの間違いを起こしていたら
[true]と[false]の二元論で出来た宇宙で
予期せぬ方向へ進んでいたら
今 この瞬間は
時を同じくして
天文学的な数値を持った距離へと
シフトしていたのかもしれない
「ある」と「ない」の定義が
「yes」と「no」の境界が
「自分」と「他者」の違いが
大幅に揺らいでいたのかもしれない
未だ 完結しないこの世界
一瞬一瞬、何かしらの選択をしながら
未来は着々と 構成されていく