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今日の華琳さん家  作者: 黒崎黒子
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周作の秘密

「ん~!美味しかった~!」


周作は自信のお腹をさすりながら

食べ過ぎたかな…?と眉間に皺を寄せる


「ふふ…お粗末様でした」


周作は始終、料理に舌鼓を打ち

最後は涙を流しながら食べていた


涙を流した理由

それは『安心したから…』だそうだ




周作は驚愕していた

目を覚ますと彼の姿がない

厠かと思い、待っていたが一向に現れない


そして気づく。あの激しかった情事の

後にしては身なりは整い

部屋は綺麗なまま

布団には、シワ1つない



『全てが夢だったのでは…』

そんな言葉が頭をよぎると

もう、涙が止まらなかった


しばらく布団に顔を埋めて号泣した

泣き疲れ、顔を洗いに井戸に向かう

顔を洗い終えて、桶の水に写る顔を見る


『ヒドい顔……門下生に笑われるよ…?

 千葉周作…先生…』


このままでは身体を壊しかねないと

思った周作は、無理にでも腹に何かを

詰め込むために台所に向かう


そこで俺を見つけたらしい




「それで、気が抜けたら腹が鳴った…と」


笑いを堪えて食事の片付けをする


「むー!笑いごとじゃないよー!」


両手を振り上げて、小さな身体いっぱいに

"怒ってるぞ!"アピールする周作


「うん、ごめんな」


周作の頭を撫でる


「む~!頭を撫でれば許されると

 思ってるのかー!…まぁ、許すけど…」


許すんだ…


「だって…こんなに美味しいご飯を

 作ってくれたんだもん…

 ありがとう、一刀♪」


にこにこーっと周作は満開の笑顔を見せる


その笑顔は感謝に満ち溢れていた


「ああ……どう致しまして」


二人は、心から笑いあった




食事後…二人は縁側でまったりしている


昨日の今日なので鍛錬はお休み


一刀の膝の上にちょこ~んと

周作が乗っている


いつもは後ろで結ってある

黒くしなやかな髪は下ろされ

腰まである長い髪は一刀の手により

手入れをされていた



「なぁ…周作…一つ聞いていいか?」


「ん~~~?な~に~?」


目を線にして、うつらうつら

している周作


枝毛チェックをしながら、一刀は

朝からの疑問を口にする


「今日さ…俺、凄く調子がいいんだ

 身体も頭もすっきりしててさ

 感覚もより鋭くなってる

 何でも出来るような…そんな感じ

 周作…何か知らないか?」



"ビク!"


膝の上で少女の身体が跳ねる


「……周作?」


ダラダラダラダラ…

あれ?周作の横顔と首筋に冷や汗が…?


「周作…?」


「し、ししし、知らないなぁ~

 あっ!蝶々!蝶々だよ!一刀!」


あやしい…ベタなだけに…余計にあやしい


「……ちょっとこっち向きなさい」


ひょいっと持ち上げ、少女をむき直させる

膝の上で対面する二人…


ダラダラダラダラ…


周作は目を逸らす


「何をしたんだ…?」


小さな腰に手を回して

逃げられないように、がっちりとロック!


「別に…何も…」


目が泳いでるぜ、先生よ


「周作…怒らないから言ってみ?」


「…ほんと?」


「あぁ、本当だ」


「…嫌いにならない?…約束できる?」


「あぁ、約束する」


「分かった…一刀の身体に起きた変化は

 確かに私が原因だよ。私の…此処///」


そう言って一刀の手を取り、自分の秘所に

持っていく。ほんのり温かいのは

気のせいじゃない?


「しゅ、周作!?え?何!?

 意味が分からないんだけど!?」


軽く混乱状態に陥る


「あああ、あのね!

 私の此処…"福まん"なの!」


時間が停止する…


「え…?福…なに?」


聞き慣れない言葉に困惑する


「"福まん!"」


顔を真っ赤にして、もう一度教えてくれる


「いや…だから何それ…」


が、知らないものは知らない


「し、知らないの?」「うん」


素直にコクリと頷く


「あぅ~~~!どうしよぉ~!

 ううぅ…改めて説明するとなると

 恥ずかしいよぉ……一刀ぉ…やっぱり」


「いや、ナシだろ」


「ですよね~」


はぁ…とため息を吐き、もじもじと

説明を始めてくれる


―福まん―

行為に至れば、相手に良い運命を

引き込むと言われる"上げまん"の上位版

行為に至るだけで、相手の潜在能力を

引き出すことができる

あれだけの行為をしてケロッとして

いられるのもまた、このお陰である

また、引き込む運命も絶大で

この後には運命を左右する出会いが

必ずあるらしい


「なるほどね…

 でも、何で自分が福まんだって

 分かるんだ?行為をしないと

 分からないんだろ?それって」


一刀は当然の疑問を持つ


「ウチの家系がそうなんだよ…

 祖母も母も妹も…話しでは先祖も

 一刀の身体の反応で確信したよ。

 ごめんね…一刀。

 こんなことに巻き込んで」


「別に困ることでもないだろ?

 それに周作の大切な初めてを

 貰えたんだ。感謝こそすれ

 後悔なんてしないよ、絶対に

 それにな…」


膝の上に座る少女を引き寄せ、抱きしめる

「君の笑顔を見るだけで十分に幸せだ

 だから…これ以上の幸せなんて

 そうそう来ないよ」


しっかり抱きしめ、耳元に語りかける


「あ…一刀…ちゅ…」


そして抱きしめたまま…軽いキス


「…ありがとう、一刀。私も幸せ///」


幸せだよ…と何度も少女は呟いた




抱きしめ合っていると…彼女の匂い…

彼女の熱…彼女の柔らかい感触が…

直に伝わってくるわけで…

何ていうか、分かるだろ?昨日の今日で

悪いが…男って生き物は…こういう時…

困るよな…


「か、一刀…?///あ、あのね…

 あ、当たってる…///」


本当に困るよな!!


「わ、私…いいよ?」


キュッと服を掴んで上目使いに見てくる


「周作…」


この日、2回目の行為に二人は挑む!


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