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今日の華琳さん家  作者: 黒崎黒子
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忘れ物

千葉家に向かって歩く俺は

林を抜けた先の山道で思わぬ光景に出会す

桜、蓮、空、左慈、于吉、貂蝉が

輪を作り、何かを話していたのだ

皆、一様に武器を手にして、今から

戦に向かうような雰囲気を纏っている


「……何してんだ?お前たち」


俺は少し引き気味に皆へと話しかけた


「うあ~ん!かじゅと―!」

「無事だったのね!一刀!」

「か、一刀様!お怪我は?」


三人は俺の身体を確認していく

いや。役一名はただ、俺の腰に

しがみついているだけだが

涙と鼻水が付くよ!桜!


「賊が敷地内に侵入したと

 于吉が言い出してな」


「えぇ、結界に反応がありました

 恐らく、先の刺客ではないかと」


左慈と于吉は、慌てる三人を

落ち着かせて離れさせると

俺の身体に怪我がないか確認していく

流石は医師。手慣れたものだな


「だから、まずはご主人様を

 探す段取りを決めていたのだけど

 …その必要はなかったみたいね」


貂蝉は俺の様子を見て一安心したのか

ホッと胸をなで下ろした


「残念ながら少し遅かったな

 少しの交戦のあと敵はすぐに退いたよ

 相手も単なる偵察程度のつもりで

 ここに現れたんだろうな」


俺は桜の顔をハンカチで拭きながら

簡単な説明をする

「北郷、敵はどんなヤツだった?」


「すまない、顔は例の如く見えなかった

 でも、敵は初見のようだったぞ

 聞いていたイメージの女たちとは

 当てはまらなかったし」


桜の前に現れた女は礼儀正しく

貂蝉の集めて来た情報の女は子供


今回の女はどちらにも当てはまらず

無作法で傲慢、オマケにバカと

素晴らしき要素が、てんこ盛りの女だった


あんな簡単な挑発に引っかかるのは

春蘭か華雄さん、魏延さんくらい

全く。敵ながら心配すぎる

今度会ったら、詐欺に注意するように

言っておこう

江戸でも、「拙者、拙者詐欺」が

急増しているようだし


「はぁ、敵はまだ増えるのか、面倒な」


左慈はこめかみを押さえて

ため息を吐く


「全くだよ。さぁ、帰ろう!

 一休みしたら、再開だ!」


俺も苦笑すると、皆を促し

千葉家を目指して歩き始めた


「…ところで、一刀」


「ん?なんだ?」


蓮が腕を絡ませて見上げてくる

なんか、慣れてきたよな、俺も


「あの純白の上着はどうしたの?」


「……あ」


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