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今日の華琳さん家  作者: 黒崎黒子
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ちょっと休憩

「あれは魅力的な、技であり

 シュチエーションでしたね!」


「『悪』なら、受けなければな!

 "正義の放つ必殺技は必ず受ける!"

 これが『悪』の礼儀だ!」


さっきから隣で左慈と于吉が

興奮気味にはしゃいでいる


あぁ!吸い物が零れる!


「こら!静かに食べないか、二人とも!」


傾きかけた吸い物を救助し

少し遠くに置く


「仕方ないだろ?発端の外史では

 結局、俺たち『悪』を倒す者も

 方法も出て来なかったんだ!

 ハングリーにもなるさ!!」


いや、そんな事にハングリー精神を

発揮されてもなぁー


あー。ほら、桜がオカズを盗ってるぞ


あぁ、最後まで気づかなかったか…

桜がとても満足そうだ


「大丈夫か?貂蝉」


俺は二人のテンションに目を

呟ることにする

嫌でも、テンションが落ちるのは

目に見えているからな

気づけば、オカズが消えてるワケだし


「えぇ、大丈夫よ♪」


と言いながらも箸は進んでいない

変な態勢で受けたせいで

手を痛めたようだ

左慈の話では明日には治るそうだが


「何が、大丈夫だよ…飯が食えなきゃ

 治るものも治らないだろ?」


貸してみ、と貂蝉の皿を取ると

箸にオカズをとって

貂蝉の顔の前に差し出す


「貂蝉。はい、ア―ン♪」


「………ぼん!!」


貂蝉は数秒固まった後

湯気をあげて赤面してしまった


「ダメですよ~一刀くん

 貂蝉は意外と、うぶなんですから」


と于吉は苦笑する


「茶化すなよ。ほら、貂蝉…大丈夫

 怖くないよ…おいで…

 はい…あ――ん♪」


俺は負けじと繰り返す


「…ぷるぷる……うわーん!

 こんな優しい空気、私には無理よ~!」


"ドドドドド……!"


と貂蝉は縁側から

飛び出して行ってしまった


「何だ、ありゃ」


"ぺちん!"


「あたぁ!?うぅ…一刀!ヒドィよ!」


貂蝉のご飯に手を伸ばす桜に制裁


「お前は食い過ぎだ、自制しなさい」


「ぅう!一刀は分かってない!

 私の体には"成長"という名の虎が

 住んでるの!餌を与えないと

 死んじゃうの!」


そりゃ、知識とか化け物とかのことか?

お前、凰統ちゃんに謝れな…


「そうなのかー。蓮?」


「もぐ…ん?…ゴクン…何?」


「千葉周作殿は、ああ仰ってますが」


「あはは!出身が同じで一緒に

 江戸に来て、ずーっと見てきた

 私が断言するわ

 桜の辞書に"成長"なんて言葉ないない♪

 だって身長、変わってないもん♪」


蓮は爆笑しながら手をヒラヒラと振る


「ぷるぷる…」


桜が真っ赤になり震えている


桜はユラリと立ち上がると

トコトコと歩いて

蓮の前に立つ


まさに一触即発の雰囲気…


「蓮」


桜の低い声が響く

蓮もニヤリと笑うと橋を置き


「あら~何かしら~」


茶を一口飲むと、そう呟いた


「………はぁ…そうね

 確かに…食べ過ぎたわ

 ごめんなさい、一刀」


桜はため息を吐くと

一刀の膝の上に移動する


「ほぅ…」

「おや…」

「あら…」


左慈と于吉、空は意外なモノを見たように

目を丸め感嘆する


「…桜?」


膝の上でむくれながら、茶を啜る

少女の頭を撫でる


「なに?」


桜は一刀を一瞥して、茶を啜る


「よくできました

 えらいな、桜」


ついまた、頭を撫でてしまう


「…別に///」


桜は満更でもないのか

素直に撫でられていた


「ふふ…さてと、片付けるわよ

 于吉、手伝いなさい」


「えぇ、分かりました」


二人は空いた皿を下げて

台所へと向かう


「さて、一刀様!次は于吉さんの

 仙術講座ですよ!」


「あぁ、分かった!」


空の言葉に頷く


「桜!その間はいつもの勝負だ!

 今日こそ『悪』は勝つ!」


拳を握りしめて左慈は

シャドーを始める

それ、ボクシングスタイルじゃ?

お前、クンフーの達人だろ?


「チ!チ!チ!違うな、北郷!

 俺は武の達人だ。様々な格闘技

 スタイルを取り入れた

 万能スタイルだ!さぁ!桜!

 今日、雌雄を決するぞ!」


と今度はムエタイを始める

本当に万能なんだな


ていうか…雌雄を決するって

今日こそ勝つ!って言ってる時点で

決してる気がするのは、気のせいか?


「ふふ…今日も私が勝って

 羽十羅のケーキは頂くもん!」


あぁ、ウチの店のケーキを賭けてるんだ

ていうか…桜、さっき『食べ過ぎ』を

反省したばかりだよな


「言わぬが華、言わぬが情け

 言わぬが己の身を守る、です♪一刀様」


と空が笑う

まぁ、そのとおりだな


では…


「洗い物は終わりよ

 さて、続きと行きましょうか」


「一刀くん!今日は

 今までのおさらいと、ついに!

 『具現化』に行きますよ!」


「よし!頑張るぞ!」


午後の部!開始だ!



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