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「戻りました」
片膝を着き女は臣下の礼をとる
その横には子供が同じように
片膝を着き礼をとっている
「お帰りなさい。結果はどうかしら?
ヤツは苦しみ、悶えながら
無様な姿を曝して死んでいった?」
玉座に座った少女は
酒を傾けながら、女に笑いける
「くっ。いえ、残念ながら
途中で邪魔が入りました」
女は本当に悔しそうな歯を食いしばる
「そう、簡単にはくたばらないか
ふふふ…面白いわ、北郷一刀」
少女は笑いながら
グラスの中の酒を回す
「いいわ。今日は休みなさい。お疲れ様」
口に手を当てながら
クスクスと笑い
少女は告げる
「御意」
女は立ち上がり、一礼すると
部屋を出ていく
始終黙っていた子供も
女のあとを追って出て行った
「ふふ…さぁて、次は
どんな手にしましょうか」
グラスに残った酒をグイッと飲み干すと
傍らの机に置いて少女は立ち上がる
そのまま、玉座の裏に歩き出す
そこには部屋があった
少女の閨であろう
そこには男が一人、眠っていた
少女は男と口付けを交わすと
静かに男に覆い被さる
男は成すがまま。自ら、動くことはない
「ふふ…もうすぐよ。もうすぐで
あなたは私の物。北郷一刀…」
少女はもう一度、少女は口付けを
交わすと寄り添うように
男の胸に顔を埋める
後には、静かな少女の寝息が
聞こえるだけだった…




