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今日の華琳さん家  作者: 黒崎黒子
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絶対の神にして最強の父親

突如、左慈たちの前に現れた

『自称ダンディーでイケてる父親』


その正体はなんと、天の御使いにして

外史の起源、"北郷一刀"であった


「あっはっはっ!驚いとる、驚いとる!

 いいツラしとるのう、左慈に于吉よ

 さすがは我が息子!

 突然のことに反応できないのは

 儂にそっくりだの!」


一刀は腕を組み盛大に笑っていた


「っ!嘘だ!お前なんか俺の父親なわけ

 『お?暗黒騎士ネタか。残念だが

  儂が数十年前にしとるな』……ちっ」


左慈は真っ赤になって舌打ちした

ネタが被った時ほど恥ずかしいことはない

ましてや、それがコイツだと?

もう、目も当てられない


「さすがご主人様♪経験が違うわね~」


貂蝉は感慨深げに何度頷く


「だって儂、大陸の王だもの!」


えっへん!と胸を張る、齢100歳


「やはり、あそこで

 消しておくべきだった」


左慈は苦虫を噛み潰したような

顔で一刀をみる


「そんなに憧れの視線を向けるな息子よ」


テレるではないか!と豪快に笑い

左慈の背中を叩いた

ウザイ!このオヤジ激しくウザイぞ!


「すまん、息子よ!

 儂は空気を読むのが苦手でな!

 妻たちにもよく言われたわ!

 わっはっはっはっ!

 だが、孫たちにはそこが

 良いと言われます!」


可愛いぞ~とデレーっとした顔になる

しかも親バカを超え、爺バカ

もうイヤだ…


「何とも…パワフルな父ですね

 私たちの親というのは…」


「言うな…于吉」


二人は頭を押さえ深いため息を吐いた


「ところで、この状況は

 どういうことでしょう?」


于吉は周りを見ながら、状況説明を

父、北郷一刀に願う


「うむ、3人が頑張ったお陰で

 "北郷一刀"は真の結論を導き出した

 『誰か1人ではなく、皆を救う』

 という結論だ。それこそが世界の願い

 『善』も『悪』も関係なく

 皆が生きる未来を望んだのだ」


勿論、お前たちも同じだよ、と

二人の肩に手をおく


「あの世界は役割を終えた。お前たちの

 『悪』という役割もここで終わりだ」


左慈と于吉の頭に手を置いて優しく撫でる

まるで、父が子の成長を誉めるように

その大きな手からは

二人は確かに『愛情』を感じた


だからもう、二人は何も言えなかったのだ


「行こう、息子たちよ

 新たな外史の幕開けだ

 きっとこの外史は

 お前たちの想いを救ってくれる」


二人に手を差し出すと彼は優しく微笑んだ


「新しい外史で私たちに与えられたのは

 『悪』でもなく『正義』でもなく

 ただの『息子』としての生活でした

 本当に幸せな時間でしたよ

 あなたは寿命で亡くなるまで

 私たちと共に笑顔で過ごしてくれました

 あなたが亡くなった日

 私たちは、あなたの味方でいたい

 そう思い、波状していく外史を

 渡っていくことにしたんです」


時には悠長にしている貴方に敵として

対面して活を入れたりもしましたが


と于吉は笑った


「そうか…お前たちは親孝行して

 回ってるんだな。偉いな、お前たち」


一刀は二人の後ろに回ると

二人の頭をクシャリと撫でる


「っ!?」

「親孝行ですか…。ふふ…そうですね」


二人は一刀の顔を見ることはない

嘘をついているからではない

単に照れくさいのだ


「ありがとう、左慈、于吉」


俺は後ろからギュッと二人を抱きしめる


「やめろ…鬱陶しい」

「おや?左慈、照れているんですか~?」

「な!?バカを言うな!俺は!」

「はいはい、そうですか」

「聞けよ!」


腕の中で左慈と于吉が暴れる

それが本当に子供みたいで


「本当にありがとうな

 俺は嬉しいぞ"息子よ"」


俺はにこやかに二人を見つめる

二人は最初キョトンとしていたが


ひし!と左慈が抱きついてきたのを

きっかけに于吉もギュッと抱きついて来る

いつの間にか俺の胸で

息子たちが泣いていた


俺は二人の頭を撫でながら

泣き止むまで、俺はただ

ありがとう、と呟き続けた



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