御使い、修行するのこと
「ふっ!…はっ!…せいっ!」
今日も俺は刃を潰した日本刀で
素振りをしていた
「大分、刀の扱いにも慣れてきたね?」
一緒に隣りで素振りをしていた
少女が話しかけてくる
「いや、まだだな。もっと上に行ける…
そんな気がするんだ。」
話しながらも2人は身体を休めない
「うん!うん!向上心のある
生徒は大好きだよ♪」
「はは…先生が良いからな
ここまでこれたんだよ。ありがとう」
「あぅ///そ、そ、そんなことないよ!
一刀が頑張ってるからだよ!」
ブン!ブン!ブン!ブン!
さらに少女の素振りは速くなる
ていうか…刀が見えない…スゲぇよ、
少女は俺の刀の先生
名を"千葉 周作"
北辰一刀流の創立者であった
一刀が貂蝉を倒すために出した技は
北辰一刀流の初歩の初歩
一刀がまだ三国志の世界に降りる前に
祖父から叩き込まれたものであった
この下地がなければ三国志の世界では
とっくにくたばっていただろう
「しかし、君があの"周作"とは
正直、驚いたよ…。しかも、指南まで
請けてくれるなんて。ありがとうな。」
「いいよ♪一刀、筋がいいし
教え甲斐がありそうだもん!
貂蝉との立ち合いを見て
不覚にもどきどきしちゃったし♪
それに、もう、門下生は皆
卒門しちゃっててね
一人で寂しかったのもあるんだよね。」
たは~///と刀を振るのを止め
頬をかく周作
「そうか。周作…本当にありがとう」
一刀は周作の頭を優しく撫でた
「あぅ~…一刀…」
気持ち良さそうに目を細める
「今は俺がいるから…
寂しくはないんだろ?」
「……うん///」
一刀はポンポンと周作の頭を叩くと
よし!気合いを入れる
「それじゃ、先生!今日も張り切って
いきましょうか!」
刀を収めて、おー!と手を天に突き上げる
「あ……うん!そうだね!一刀!
今日も頑張ろうね♪」
周作も、小さい身体を一生懸命伸ばして
おー!と気合いを入れた
今日も二人の笑い声と真剣な声
刀の交錯する音が道場に木霊する