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今日の華琳さん家  作者: 黒崎黒子
17/121

続・江戸、燃ゆる

一方その頃、江戸では


「まさか、あの方が御使い様とは」

「しかも、江戸の美人を2人も

 手込めにしたと言うし…凄い人も

 居たもんだよ」

「聞けば、周作様も弥九郎様も

 御使い様にベタ惚れらしい」

「あれだけの美人を満足させるんだろ?

 そりゃ大変に気概の大きな人だろうね」

「それだけじゃないだろ?

 恐らくあっちもな(笑)」

「ああ…!違いない!(笑)」

「なんでぇ?何の話だい?」

「あぁ、旦那。件の御使い様の話ですよ」

「あぁ、千葉んとこの娘さんと

 斎藤んとこの嬢ちゃんを手込めにした

 男だろ?大したもんじゃねぇか!」

「えぇ、肖りたいもんですねぇ…」

「ははは…!そこはほれ!

 天から降ってきた御使い様だ!

 御利益なんて、ざらにあらぁよ!」

「拝めば、良縁。触れば、子宝。

 一晩過ごせば、天下人…ですかい?」

「わはは…!そりゃいい!そーれ!

 天満大明神様の御利益だ!ってか?」

「なんだい?どうした?何の話だい?」

「おう!それがよ!聞いてくれ!」



在らぬ噂が噂を呼び、壮大な噂となって

江戸の人々を呑み込んでいった…


「はぁ…酷くなってる気がするのは

 気のせいか…?蓮よ」


次の日の瓦版には

『天満大明神様!御光臨!』の文字


「あはは…あれーおっかしいなぁー」


頭をかいて在らぬ方を向くのはやめろ…

反省の色が見えんわ…


「これじゃ、民に余計な期待を

 与えるだけだ…やっぱり…及川を…」


「だから、それはだめだよ!一刀!」


桜が必死に止めてくる


「ふ…ほんの冗談だ…」


我ながらニヒルな笑顔だろな


「じゃあ、朝から包丁が一本

 見当たらないのも、冗談なのね?」


"ビシ!"と親指を立て後ろの台所を指す


「ふ…ほんの冗談だ…」


懐から包丁を取り出す


「………確かに一刀が完全に壊れるまで

 時間が無いわね……。桜…あんた、街に

 行って事態を終わらせて来なさいよ」


壊れるって…ヒドい言われようだな


「…たまに無茶を簡単に言うよね…蓮」


桜がジト目で蓮を睨みながら言う


「無理を可能にしてこその

 北辰一刀流でしょ?大丈夫♪

 十年かかる修行を五年で

 仕上げたじゃない」


蓮は桜のジト目を

ふふ~ん♪と気にした風もなく

人差し指をふりふり


「素質がいい子だからできたの!

 一刀ならあと一年もかからず

 免許皆伝できるよ!」


ガオー!と両腕を振り上げて威嚇する桜

だが残念だ…身長のせいで可愛くしか

見えんな…はは…睨むなよ…怖いから!


「とんでも発言…だな、おい

 二年で免許皆伝って…」


冷や汗、出て来た…。

えっ…何?その笑顔…!


「一刀は元から北辰一刀流を学んでいた

 経験があるからだよ?だから…

 矯正と仕上げで大丈夫なんだ♪」


仕上げは厳しくいくね♪って…

なんか雲行き…怪しくね…?


「今でも、卒門生と実力は

 変わらないもん!私を超えるまで…

 鍛えてあげるから…」


今、光った!目が光った!

本気だよこの人!

絶対、身長のこと根に持ってるだろ!


「うーん、じゃあ…いっそのこと

 崇められちゃえば?」


「蓮…そりゃ…俺に死ねと言ってるのか?

 今の桜の修行を受ければ誰でも

 仏様になれるぞ?たぶん…」


「それもありだけど…」


「ありなのか!!」


「やぁねー、冗談よ♪冗談♪」


桜が隣で黒く笑っててもか…?

いや、いつでもどうぞ…ってなにさ!?


「向こうでも、似たような感じ

 だったんでしょ?こっちも同じよ

 太平ではあるけど…未だに

 先の戦の傷は癒えないまま…

 苦しんでいる者がいるから

 これだけ、必要とされてるのよ」


「この瓦版は民の声…言わば…

 神に願いをかける絵馬ってところか」


瓦版を見れば、良縁、子宝、健康、安産

家庭円満、商売繁盛、学力成就

太平大安、等々……民の願いが書いてある

神にこうゆう御利益があって欲しい…

というのは裏を返せば

今、民にはそれがないということだ


俺に彼らの願いを

叶えることができるのか?


『一刀…』


華琳…?


『一刀…これからがあなたの天界での

 知識が役立つ、そう思わない?』


あぁ、そうだよな…

確かにそうだ。太平だからこそ…

できることもある!


「悪い、華琳…帰るの少しだけ

 遅くなりそうだ…」


「一刀…?」


そんな顔するなよ…桜


優しく頭を撫でる…


「懐かしいな…この高揚感…

 警備隊を旗揚げした時みたいだ」


「………うん、いい顔してるわよ…一刀

 惚れ直したわ♪」

「わぁ…そんな顔もできるんだね、一刀」


「そうか?」


にっと笑って見せる


「それじゃ…天満大明神…承りますか!」

一刀は魏での経験と現代の知識を総動員し

より良き世界を作るために動き始めた


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