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今日の華琳さん家  作者: 黒崎黒子
16/121

江戸、燃ゆる

刀を虎徹(真名:空)に託した

次の日の朝…




「な、なんじゃこりゃぁああ!!!」


突如、千葉家に一刀の叫びが木霊した


「ど、どうしたの一刀!?」

「なによ!?敵襲!?」


朝食を食べていた桜と蓮は

声のした玄関へ向かった


そこで何かを読んだまま固まっている

一刀を発見する


「無…事…みたいだね…お~い一刀~?」

桜は手を一刀の目の前で

振るが反応がない…


「全く…どうしたのよ…いったい…ん?

 ……あぁ~これね…?どれどれ~?」


一刀の読んでいたものを横から

"ひょいと"奪う


「これ、瓦版じゃない」


瓦版かわらばんは、江戸時代

天変地異や大火、心中など時事性の高い

ニュースを速報性を以って伝えた情報紙

千葉家は山にあるので

牛乳配達の人に届けて貰っていたのだ!


「蓮ちゃん!私にも見せてー!」


ぴょんぴょんと跳ねて

紙を見ようと頑張る、桜


「ええ。どうぞ」


その仕草に頬を弛ませて

蓮は桜の目線に合わせて屈む


「ありがとうー♪」


「なになに…え~っと…昨日

 江戸で起きた話みたいね…」


「昨日は一日、江戸にいたけど

 事件なんてあったっけ?」


「さぁ…?まぁ、いつもより騒がしくは

 あったけど…どうかしらね?」


皆目、江戸で起きた事件に見当がつかない二人は瓦版を読み進めていくことにする


「「あ、あぁ―…」」


そこで二人は一刀が固まったワケを

自身らは身をもって知った



───────────────────

昨日、江戸の中通りに

純白の衣を纏った謎の男が現れた

歳は若いが、大変に男前だったそうな

しかも連れてた女がこらまたヤベェ!


北辰一刀流創始・千葉周作様!

神道無念流創始・斎藤弥九郎様!

江戸を代表する最強武士よ!


そのお二人が手まで握って

往来を闊歩するしてるんだ

恋慕は明白、まさにお手付き


二人を射止めた男の正体は分からねぇが

聞く話によると彗星が落ちた日から

姿を見るようになったとか


一説には、あの魏に降りた天の使いじゃ

ないかって話もでてる

おう!あの御使い様よ!

こりゃ~江戸も騒がしくなるねぇ!


引き続き調べて行くんで、次号まて!


及川瓦版


───────────────────



「あ、あはは…完全に…バレてるわね」


乾いた笑いで和ませようと頑張る蓮


「…ぅう…お手付き…///」


瓦版の一文に真っ赤になる桜



瓦版に各々反応する中


話題の中心の彼は


「…及川…コレ絶対…お前の先祖だろ…

 未来を変えても…いいかな…?

 大丈夫…今回…消えるのは…お前だ…及川…」


魏に飛ばされる前…

共に学生時代を過ごした学友を思い出し

激しく乱心していた


「か、一刀、だめだよ~!

 技をそんなことに使っちゃ!」


「まぁ、大丈夫でしょ?"御使い"が

 定着すれば皆も騒がなくなるだろうし

 第一…コレ…嘘じゃないし♪」


と蓮は腕を絡める


「あ~!ズル~い!」


桜はぷーと頬を膨らませて怒る


「何、言ってんのよ

 アンタも恋慕してるんでしょうが」


ほら、と反対の手を見る


「あはは…!そうだよ!私も」


恋慕♪と腕に絡みついてくる


「確かに…成るようになるか…」


腕をするりと抜きとる


「「あっ」」


そのまま二人を抱きしめた


「俺も恋慕だ♪」


「「////」」


二人の肩に手を回し


「ごはん♪ごはん♪」


と二人を居間に誘った




食後、瓦版を見直していた蓮の


「あっ…でもコレ…違うわね…

 虎徹のこと、書いてないわ…」


という言葉に


「ブッ!!」


思わず吹いてしまったのは、また別の話



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