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過去編6


 はい、そんなわけでやってきましたダンジョン協会!いやー、朝から皆さんてんやわんやで大忙し。ニワトリの代わりに民間人の悲鳴をモーニングコールに町中が起床。冒険者は協会に集合という事で私もやって来たわけです。集まった冒険者に事務のお姉さんだろう人が説明をしている。


「という訳で事態は急を要します。ですから此方の指示に従って戦ってもらいます。配置や報酬等の要求は一切受け付けません。が、相応の報酬はお支払いいたします。ですが違反した人はそれ相応のペナルティを与えます。では、配置について下さい」


 そんなわけで現在は指定された場所に臨時パーティで移動中。私達の即席パーティはダンジョンの上層の弱いモンスターの間引きを担当することになりました。移動中にお互いに簡単な自己紹介をする。


「俺はトゥーンだ」

「チェーンだ」

「カーンだ。よろしくな」


 はいハズレ。見るからに駄目。まず紹介されたのが普段からパーティを組んでいるという3人組。3人とも剣を使う前衛だ。私ともう1人は後衛で、このパーティに増強要員として組み込まれたらしいがこの3人組はハズレ。何故なら


「ま、俺たちに任せとけって。何せ俺たちはDランクだ。上層程度わけないぜ!ただ後ろで見てるだけでもいいぜ!」


 この通り見るからに調子に乗っている。女の子に良いところを見せたいのだろう、必要以上にテンションが高い。

 ここで少し冒険者ランクについて説明すると、Fがお手伝いさん、Eが初心者、Dが初心者卒業半人前、Cが一人前、Bが一流、Aが英雄、Sが怪物、と言った具合である。因みに私はまだEランクである。

 彼等はDランクで胸を張っているが実はDランクまでは比較的簡単になれる。私は学業とアルバイトが忙しくて余り時間が取れなかったから未だEランクだが、なろうと思えばそこまで難しくは無い。

 何故なら、コレは私も意外だったのだがこの世界の冒険者達は仲間意識が非常に強い。前世のマンガやアニメの様に初心者を馬鹿にしたりせず親身になってくれる。

 コレはダンジョンという命懸けの環境において互いに助け合う事で少しでも生存率を上げる為に相互扶助の精神を育んだためだ。危険だらけの環境で足を引っ張り合うよりも協力しよう!という事らしい。

 その一環で先輩冒険者が後輩冒険者の面倒を見たりする事はよくあり、私も何度かお世話になった。優秀な人材が増えれば自分達の安全もますからね。

 そんな訳でDランクに上がるのはそこまで難しく無いのだ。


 なのにコイツら


「まぁ、俺等ならヨユーよヨユー!これ迄だってバンバン倒してきたんだ。簡単だって!Dランクにだって3ヶ月でなったんだぜ!このまますぐAランクまで行ってやるって!」

「おいおい、そこはAじゃなくてSだろ‼︎」


 違いない、と言ってガハハと笑っている。

 調子に乗りまくっている。周囲の人の助けもあっただろうに、その事をすっかり忘れて自分達の力だけで成り上がったと思っているのだろう。私もクズだがそこら辺の機微を察することは出来る。察した上で感謝しないのが私だが。

 この手の人間とは縁を切るに限る。今回限りの関係だね。


「アリシア シェーンと言います。Eランクです。回復魔術が使えます。あの、よろしくお願いします」


 ペコリ、と頭を下げる最後の女の子。黒髪を三つ編みにし、フード付きの白いローブを着た可愛い子だ。武器は魔術師らしく杖を持っている。

 回復魔術は光、水系統の魔法に属していて、使用難易度が高く、使い手は結構貴重だったりする。性格は控えめそうだがナヨナヨした感じはしない。芯のありそうな子だ。彼女は大アタリだろう。是非今後もお付き合いしたい。


「最後は私ですね。私はアンリと言います。闇属性の魔術が使えます、アリシアさん、女の子同士仲良くしましょう」


 因みに私の武器はメイスだ。これは私に剣や槍の才能が全く無かった為である。学園の近接戦闘の授業で剣を振る私を見て、何も言わず、スッと先生が差し出したメイスを私は忘れない。


「はい、此方こそ」


 そう言って挨拶を終える。ちょうどよく現場に着いた。

 何としてもアリシアさんとの仲を深め今後も一緒にダンジョンを探索する仲になる様に頑張ろう。

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