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続・暗躍編2


「ところでクロム君、彼女達を引き止めないで大丈夫ですか?1人でも人手は欲しいでしょう?」


 私がそう問えば


「いや、まぁ、それは居て欲しいけど……」


 と歯切れの悪い返事をしてきます。


『彼女達も故郷に帰りたいだろうし無理を言うのもな、また会えるだろうし』


 とか思っているのでしょう。


「まったく、これだからクロム君はクロム君なんですよ。はぁ〜」


 そう私が言えば


「いや、人の名前を蔑称みたいに言わないでくれよ」


 そう言い返してきますが、まったく分かっていません。自分が置かれた状況をまったく分かっていません。


「いいですか?先ずこれからはジャオ家は貴方のお兄さん、キースさんが継ぎます。これはいいですか?」


 そう私が問えばクロム君は頷いて返事をしてくれます。


「彼に復興のノウハウとかあると思いますか?いや、そもそも領地経営のノウハウすら怪しいですよ?」


 そもそもキースさんは次男で長男の補佐役兼いざと言う時の予備として育てられてきました。領地経営のノウハウはそれなりに有るかもしれませんが、長男や父親に比べては劣るでしょう。

 戦災復興に至っては当然習っていないでしょう。そもそも平和な時代が続いていた我が家ではそんな物、埃を被っていたでしょう。


 さらに


「そんな状況なのに今回の戦争で我が家の昇爵が決まりました。それに伴って治める領地も増えました」


 実は今回の戦争で我が家は子爵になりました。

 これは我が家が戦争でそれなりに奮闘したのもありますが、一番の理由は今回の件で減った国境付近の貴族の整理が目的です。

 ぶっちゃけ今回の件で国境付近の貴族や主戦派の貴族が多く死に、中には断絶したところも有るそうで、色々再編しなければいけなくなったわけです。

 我が国は爵位によって治める領地に制限があります。なので、今回の戦争の功績と言う名目で昇爵させたり、婚姻を無理に結ばせて余裕が有る家に余裕が無い家の面倒を見させたりして、手が回らない土地を丸投げしようと言う思惑です。

 賠償は多少は取れましたが得られた物は少なくそれくらいしか支払えないという事情もありますが。


「そんな訳でこれからが地獄ですよ?」


 そう言ってクロム君の肩を叩きます。

 ノウハウが失われた状態で今まで以上のタスクを抱える訳です。お兄さんの度量次第では何とかなるかもしれませんが、どのみち待ち受けるのは終わりの見えないデスマーチでしょう。

 ブラック企業実家に内定おめでとう御座います。パチパチ。


 顔を青くしたクロム君が必死になって2人を口説いていますが芳しくありません。

 当然ですね。今の話を聞いて首を縦に振る人がどれだけいることか。


「まぁまぁ。私の出張が終わったら様子を見に行ってあげますよ?」


 私の声に、クロム君は何とも言えない表情をします。余計な事をしそうだから来るな‼︎という思いと、藁にもすがりたい思いの混ざった味のある表情です。


 さて、私も次の仕事を終わらせますか。

 次の仕事はアイリスさんからの依頼でゴルビア王国とボーア公国の戦いを止めて欲しいというものです。

 どうやらゴルビア王国はアルバ王国がボーア公国と休戦をしても自分達だけでいけると踏んだのでしょう。戦争を継続しています。

 実際ボーア公国は既に甚大な被害が出ていますし、好機とみているのでしょう。

 如何にレオン君がいるとは言えこのままでは更なる被害が出るでしょう。

 そこでアイリスさんは私に何とかして休戦に持っていける様にしろとの依頼を出してきました。

 利用できるものは何でも使う。随分と図太いですね。

 それに


『て言うか、本来一から十まであんた達のせいなんだから責任取りなさいよ‼︎』


 と言う心の声がよく聞こえてきました。私、責任って言葉嫌いなんですよね〜。

 まぁ、ゴルビア王国にだけ美味しい思いをさせるのも癪なのでその依頼を引き受ける事にしました。

 ちょうど試したい事もありますし、良い機会です。


 今回は色々思い通りにいきませんでした。今度こそ上手くいくと良いですね〜。


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